メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 126号  2003/05/28


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                ☆☆☆ 第126号 ☆☆☆         
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☆<目 次>
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■ ご挨拶 
  
■<らいぜんのパチ物語>
                        【平成与太話『玉川出太郎一座』(序)】
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   ご挨拶 
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さて今号はお待ちかねの『らいぜんVERSION』です。

前回までのストーリー内容とはちょっと趣を変えまして、新境地を開拓した
らいぜん自慢の一品でございます。
今号の不思議な物語展開に、皆さんきっとハッとされることでしょう。
是非ご堪能下さい。

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■      【平成与太話『玉川出太郎一座』(序)】 作:らいぜん
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・・枕

世知辛い世の中でございます。

犬が人に噛み付いたのは、一昔前。
でも昨今は人が犬に噛み付いたりする世の中でございます。世の中には不思議
なこともだんだん不思議じゃなくなってきてるような気がするのは、私だけで
しょうか・・・


・・序

お〜い!・・おい聞いてくれよ。何ぼぉっとしてんだよ!
実はな・・面白れえ話があるんだよ。

昨日、俺パチンコ屋に行っただろ? そこで変なヤツが居たんだよ。
こう・・左手をパチ台のガラスに近づけたり遠ざけたりして、ぶつぶつ呪文み
たいにつぶやきながら打ってるんだよ。
そして時々「はぁっ!」とか渇入れたりしてしてやがんだよ。
ところが渇を入れた後には必ずその台が当たるんだよ。これにはギャラリーも
拍手喝采だったな。普通ならなんか怪しいと店も警戒するんだろうが、店員な
んかも面白いからニヤニヤして見てたさ。
ギャラリーもだんだん集まってきて、一種のショーのような状態だったな。
そしたらそいつ、もっとエスカレートして、アクションが派手になってきた。
突然ガラスに呪文を書き始めたり、奇術師のように口の中から万国旗を出した
り、しまいにゃ講談師ばりの口上まで始めてさ・・そりゃもう客も拍手喝采の
やんややんやだったさ。

そいつのドル箱は相変わらず増え続けてたんだけど、パフォーマンスの面白さ
に隠れて、意外とみんな気がついていなかったな。うん・・
もちろん店員なんかも最後にゃ腹抱えて笑っていたりして、もう完全に警戒心
ゼロ・・ そう・・俺は気がついたんだよ。何をって?実はな・・・

右手は見事に一定間隔で止め打ちしてるんだ。ただし見た目には止め打ちして
るのはわからない。膝で巧みに右手は隠していたし、1周期で2個打ち出して
いたから盤面には常に玉が舞っていたし、それに何より興味は別の方に行っち
ゃてるからね。打ってたのがモンスターハウスだったから、完全に体感機仕込
んでるのが俺には分かったね。
そうやって考えると、当たる前に渇を入れて、見事当てて見せたのも、モンス
ターなら可能だしな・・・。動いてる中出目が見えりゃ不思議なことじゃない
からな。でも、一般のギャラリーにはそんな知識もないし、目はそいつのパフ
ォーマンスの方に釘付けだったから、何も怪しまれないんだな、これが。

最後にゃ、店内はギャラリーで一杯になったさ。さすがに店もこれはマズイと
考えて、結局その客にもうちょっと静かに遊戯するよう注意したさ。
そしたらそいつ「わかりました」と素直に遊戯を止めた。見ていた客から思い
っきり落胆のため息が漏れてたけどな。
そして、そいつはドル箱20箱をさっさと換金して帰った。

体感機で止め打ちしながら、当たりも見極め、なおかつ、あれだけいろんなパ
フォーマンスをやってのけるその器用さにビックリして、悪いことと知りなが
ら俺はそいつの後をつけたんだ。いったい何者なんだろう?・・ってね。

そいつの棲み家は、パチ屋から電車で2回乗り継いだ寂れた駅から徒歩5分の
ところにあった。表札を見ると「玉川出太郎 一座」とあった。
奴の棲み家はただのボロアパートだよ。どう見てもわびしい一人暮らしにしか
見えねぇ。でも「一座」というからには、何人かの人間がいるのか?
俺は、ますます興味がわいてきたね。

そいでもって、近くの電信柱の影からしばらく様子をうかがっていたんだ。そ
したらさっきの男が出てきたんだよ。でもさっきとはすっかり違ってバシッと
スーツで決めていたから、一瞬別人物かと思ったよ。そいつ、部屋を出るなり
まっすぐそのまま俺のところに向かってきたから、俺はかなり焦ったね。詰問
でもされると思ってたからね。
ところが、そいついきなり俺に名刺を差し出してきた。
名刺を見ると「玉川出太郎一座 経理部長 玉川画一郎」とあった。
俺はてっきりコイツが座長と思ってたから、その時はちょっと意外に思ったよ。

この経理部長、
「うちの一座にご興味がおありですか?でしたら、ぜひ部屋の中でごゆっくり
 していって下さいな。」
って実に人あたりがいい感じで言うもんだから、俺もついつい誘いにのっちま
ったんだ。

6畳一間の部屋に入ってから、経理部長自らが差し出したお茶と羊羹をちゃぶ
台で食べながら、俺は経理部長の話を聞いていたんだ。

「うちの一座はですね、実に画期的な集団なんです。先ほどの上演をご覧にな
 りましたね?でしたらお気づきとは思いますが、うちは見にいらしたお客さ
 んから一切見物料はいただきません。私どもがいただくのは『出玉』です。
 ですからホールからいただいてることになりますね。でもホールはホールで
 私どもを見に来たお客さんから利益が見込めますから、決して損ではないの
 です。これぞ素晴らしい新システムなのです。」

ふ〜ん、なるへそ・・と妙に俺は納得しながら聞いていたが、ふとある疑問が
沸いてきたんだよ。

「ところで、どうして経理部長のあなたが自らパフォーマンスをされるんです
 か?座長さんたちは違うホールで稼いでいるのですか?」

と質問してみた。そしたら経理部長、変なことを言い始めやがった。

「いや、私はただの経理部長です。経理一筋ですので、これといって皆様に喜
 んでいただけるような芸も持ち合わせておりません。

 さっきの公演は座長がやってましたよ。それに座長だけじゃなくて、講談担
 当の玉川貞一郎やマジック担当のゼンジー玉川、霊媒師の玉露零子も出演し
 ておりました。あなたもちゃんとごらんになりましたでしょ?
 それと裏方担当の、体感機攻略専門の『浪花の玉ちゃん』や、動態視力専門
 のプロスロッター『タマケン』こと玉川健介もモンスターの当たり判別で出
 ておりました。今日はこのメンバーだけの小公演でしたが・・
 他にも当一座には、

    曲芸担当の名コンビ   『今市 玉太郎・玉之助』
    落語界のニュープリンス 『玉川亭 玉砕』
    動物モノマネ親子    『玉屋 デジパチ・子デジ』
    さすらいの女ゴト師   『爆連のお玉』
    踊り振付担当      『パパ嫌 玉木』
 
 という豪華なメンバーが揃っておりますよ。」

俺は、この経理部長が何を言ってるのか、わけがわからなかった。さっき打っ
ていたのは確かに目の前にいるこの経理部長だ。それとも双子なのか?いや、
それに経理部長は座長の他に何人かのメンバーが出ていたと言っているが、打
っていたのはこの男たった一人・・・・

俺が困惑顔でいることを気にとめもせず、経理部長は

「あ・・座長がじきじきご挨拶をしたいと申しております。ちょっとお待ちく
 ださい。」

と言ったきり、1分ほどその場で沈黙してたんだよ。そしたら経理部長、突然
違う口調で喋りだした。

「いやいや、どうもお待たせしちゃいましたな。私が座長の玉川出太郎です。
 以後お見知りおきをお願いしますぜ。
 うちの一座は人気の一座なんですがね、こうやって実際にファンの方とお話
 するのは初めてですな。う〜ん、これはきっとうちの顧客担当の玉川与太郎
 の怠慢ですな。ちょっと叱ってやります。お〜い与太郎!ちょっとこっちに
 おいで!」

すると、目の前の経理部長だったそして今は座長の玉川出太郎の男は、また急
に声色を変えて

「は〜い、なにかおよびになりましたですかぁ〜ざちょ〜」

と、なんとも間抜けな声で、自分の呼びかけに自分で応答した。

「おい!与太郎!なんのとりえのないお前を拾ってやったにもかかわらず、い
 ったいこの様は何だ!顧客担当って言いながら、いつも昼寝ばっかりしてお
 って!

 あ〜い、すいません〜、ところでざちょ〜『こきゃく』ってなんですかぁ〜

 こら!馬鹿者!与太郎!お前、『顧客』の意味も知らんで顧客担当をやって
 おったんか?!え〜い!お前なんか首だ!首だぁ!!!

 よたろ〜、クビはこまりまするぅ〜、ざちょ〜、かんにんやでぇ〜!

 ふん!ホント与太郎のバカさ加減にもほとほと、愛想が尽きたわい・・・
 あ・・・すいませんな、お客人。身内の醜いところ見せてしまいましたな。
 ここはひとつご勘弁を・・・」

俺は、この男、つまり経理部長で座長でアホの一人三役の男をぼぉっと見なが
ら途方にくれちまったと言うわけさ。そしたら、俺の表情に気づいたその男、
今度は最初の経理部長の声色で

「あっ!重ねて失礼をいたしましたな。こちらの事情も全然お話しないうちに
 いろいろ話をしてしまいました。さぞかし不審に思われたことでしょう。
 実を申しますと、うちの一座はご覧のように一個の肉体しか持ち合わせてお
 らんのですよ。詳しく話すと長くなるのでかいつまんで説明をいたしますが
 ・・・
 座長の玉川出太郎は、子供の頃から、あらゆることに興味を持ち、そしてそ
 れを極めようとする気質がございました。テレビで漫才をやっておれば漫才
 師になりたいと熱望し、パチンコの梁山泊の映画を見ればパチプロになりた
 いと願い続け、という具合です。ところが一般の人なら、次の『なりたいも
 の』を見つければ、前になりたかったものは熱が冷めるのが普通なのですが、
 出太郎の場合は違っておりました。すべて同時にあらゆることを極めたいと
 思い続けたのです。

 しかし悲しいかな、人間の一つの人格では到底これは無理なことです。
 ですから本能的に出太郎は、物事ひとつ極めようとするたびに自分の人格を
 ひとつずつ増やしていったのです。もともと出太郎は精神分裂症の気があり
 ましたので実にスムーズにそれぞれの道を極めるための人格を増やしていく
 ことができたのです。

 たいへん手前味噌ですが、経理部長の私が誕生した経緯を申上げましょう。
 人格もそこそこ増えて行き、念願の自分の一座を旗揚げした出太郎は、当時
  漫才師として売り出し中だった『玉川やすし』・・・もちろんこれも人格の
 ひとつではありますが・・彼に一座の経理をいっさい任せておりました。
 ところがこの男、几帳面なのですが大のギャンブル好きときた。パチンコの
 ような堅実なギャンブルならまだ良かったものの、よりによって競艇にまで
 手をだした。おまけに大変ケンカっ早く、タクシーに乗れば運転手殴ったり
 と、とにかく問題児でした。そして予想にたがわず、この『やすし』は、一
 座の金を酒と女と競艇にすべて使ってしまったのです。

 これがとうとう座長に知れるところとなり、怒り狂った座長は、とうとう、
 やすしを自己の潜在意識に島流しにいたしました。そして座長は考えました。
 今までやすしのような素人に経理を任せていたからこんなことになったのだ。
 経理のエキスパートを育てなければ・・・
 そうやって誕生したのが私でございます。私は、公認会計士の免許も持って
 おります。いまや一座の経理はすべて一銭の狂いもなく私が運営しておりま
 すです。はい。」

経理部長は、自慢げに自分の生い立ちを語った。

さて、コイツの話を聞いた俺だが、一方ではフムフムと納得できる話だったが、
もう一方では信じ難いことだったよ。だってそうだろ?いくら多重人格って言
ったって、聞いたところじゃ、そいつにゃ全部で300人以上の人格があるそ
うな。考えても見ろ、同じ頭の中で300人以上がいっぺんに話をしてみろ!
うるさくってしゃあないわなぁ・・

それでな、その後、そいつとしばらく話をしてたんだけどな、なんか俺も変な
感覚にとらわれちまった。目の前のひとりの人間が、男になったり女になった
り、子供になったり年寄りになったり・・・もうわけがわかんなかったよ。

そうこうしてるうちに、座長からある提案があったんだ。

「うちは、すべて私の肉体の中で切り盛りしておりやす。座員もすべて一個の
 肉体だもんですから、食費もかからなくて良いですからね。ははは・・
 ところが、私の一座に足りないものがある。しかもそれは私自身では、どう
 してもできないんですな。

 ところで初対面のあなたにずうずうしいお願いなのですが、実はあなたにそ
 の役になっていただきたいのですが・・・」

座長は、なんと初対面の俺に、一座の一員になってくれと言うわけだ。俺も江
戸っ子だからね、頼まれると弱いんだよ。そいでもって、とうとうその役を引
き受けちまったというわけだ。

その役ってのはね・・・サクラ・・そう花見の桜じゃなくて・・そうそう・・
客のふりして周りを煽る役だよ。こればっかしは出太郎の中から人格を作るわ
けにはいかねぇしな・・・
俺も興味本位でサクラ役を引きうけちまったんだが、どうしたモンかねぇ・・
よく考えると、なんかやべぇ話だよな。しかし今更断れないし、一座への興味
は物凄いあるしなぁ・・・

う〜む困った・・
やっぱりサクラだけに俺も錯乱していたのかしらん?


(長くなりそうなので、無理やり話を落とす)

え〜・・・ご存知?平成与太話「玉川出太郎一座」の「さわり」の部分でござ
いました。では、お後がよろしいようで・・・

(客席から怒りの座布団とブーイングが飛び交う)



いったい、この話の続きはあるのだろうか・・・(作者談)


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いつかは、と思っておりました(笑)。
「多重人格」という設定に魅力ある人物配置、これからどうなるのでしょう?
らいぜんさん、(序)ということは続きがあるということですよね。
楽しみだなぁ、期待して待っていますよぉぉぉぉぉぉ!

「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、あ、さようなら。
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