メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 102号  2003/01/14


■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■
                                
           ☆彡【 バラエティーマガジン 】☆彡     

         _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

       _/_/   ★イッセーのあはは天国劇場★  _/_/
              【Ahaha Raizen-version】
          _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
           
                ☆☆☆ 第102号 ☆☆☆         
■■■◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆■■■
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
☆<目 次>
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
■ ご挨拶 
  
■<らいぜんのパチ物語>
「あいつと俺Part2」 第2話『シンクロ』
          
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
=========================================================[issay PR]== 
 ■【ネットパチプロたいがー山本のパチンコ必勝メールマガジン】
   <じゃんじゃんバリバリ稼いでや!!>  
    毎月7日絶賛発行中!!! イッセー岡田も毎号登場してるよ(笑)
    登録は無料。解除も自由。登録は下記のフォームからどうぞ。
  http://www.mag2.com/m/0000037377.htm(配信提供『 まぐまぐ 』)
=========================================================[issay PR]===
■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
   ご挨拶 
■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
 あは天のイッセー岡田です。

さて今号はお待ちかねの『らいぜんVERSION』です。

年をまたいでの連載ですから、皆さんもう内容を忘れてしまったかもしれま
せんね。
少し時間が空きすぎてしまいました。
申し訳ございません。

もし内容がおぼろになっていたら、どうか昨年の98号掲載の第1話を読み直
して下さいね。
(時間のある人はPART1も再読しておくと良いよ。実は私はもう一度最初から
読んじゃいました。物忘れが激しいので、あきまへんわ。)

この物語はPART1では下手なパチドランカーの俺に、ある夜突如憑依した元
パチプロ浮遊霊のアイツがある能力を使ってパチンコやスロットで大当たり
狙い撃ちで大勝ち街道驀進する、と簡単に言うとこんな内容でしたが、今回
のPART2ではこのアイツの弟子で同じく浮遊霊になった「裕ちゃん」が憑依
した、ある女性を中心に物語は進行していきます。

読者の皆さんも既にお気づきであると思いますが、実はこの「あいつと俺」の
物語は「PART1」と「PART2」の時間はほぼ同時平行しているのです。
だから、時間的な「続き」ではありません。
また、PART1の最初の時に時間的には戻っているとお考え下さい。
そしてPART1で見えなかった部分が、このPART2で徐々に明らかにされます。
 これがまた心憎い演出ですよ。
 
 アル意味、推理小説的な要素も入ってきていますから、じっくりとお楽しみ
下さいね。
 では早速らいぜんの「あいつと俺PART2」第二話のいよいよスタートです。


■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■             【 あいつと俺Part2 】
■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■
 ▼ 第2話『シンクロ』 ▼
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

若い男は、自分が生前に残してきたもうひとつの望みを語り始めた。

「実は、オイラ田舎に両親を残してるんよ。生きてる時のオイラの夢は、その
 両親に家を買ってやることだったんよ。でも結局のところ家を買うどころじ
 ゃなくて、死ぬ時には借金さえあったんよ。いつも誰からも頼りにされなか
 ったオイラだから、両親も期待はしていなかっただろうけど、オイラとして
 はそれをしない限り、死んでも死に切れんのよ・・・だから・・」

 ・・・それなら私でも出来るわね・・・。
 わかったわ。協力するわ。それでどのくらいの資金が必要なの?

「え?・・・本当に引き受けてくれるん?
 田舎だから、土地代は都会に比べて安いもんよ。家も老夫婦2人だから小さ
 いものでいいんよ・・。それでもやっぱ1000万円くらいは・・」

 1000万円ね。もちろんあなたも協力してくれるんでしょ?。家を買うに
 しては少ない金額だけど、私の稼ぎだけじゃ何年かかるかわからないわ。

「う・・うん・・・。もちろん・・・でもどうやって協力したらいいんか・・」

 あなた死んでからもホール彷徨ってたわよね?。それで気づかなかった?
 人間は霊体になると、自分の得意分野に関しては、顕著な能力が現れるのよ。
 ただし肉体を持たないから、ある意味それは宝の持ち腐れなんだけどね。

 実は、私子供の頃死にかけたことがあるの。10日間昏睡状態だったらしい
 わ。その間、私は幽体として肉体から離脱していろんなところを彷徨ったわ。
 子供の心に邪心はないから、いろんな物事を自由に操れたわ。交通事故に会
 いそうな子供を救ったり、家に帰れなくなった犬を戻してあげたり・・・・
 子供のやることだから、その辺はすごく私欲以外のことができたのね。

 その後無事昏睡状態を抜けたんだけど、それ以降不思議な能力が身についた
 わ。霊感が強いと言われるようになったのは、この頃からだと思う。でもさ
 すがに生身だから霊体とは違って限界はあるわ。それでも、他人が考えてる
 ことがなんとなくわかったり、少し先の未来が垣間見えたり、離れたところ
 にいる大事な人に降りかかった事件がぼんやりと見えたり・・・・

そう・・あの日・・「恋人」はもう「元恋人」という存在に自分の中で姿を変
えたけれど、あの日・・・彼の身に降りかかった事故・・・イメージは明確で
はなかったが、確かに、私の元から離れて行ったあとしばらく経って、自暴自
棄になって酒に酔った「元恋人」が、地回りにからまれ、頭部を負傷した光景
が見えた。そして「元恋人」の記憶から私と過ごした日々の記憶が失われてゆ
く・・・・それははっきりとわかった。

もう彼の記憶の中に私の存在はない。確かに悲しいことではあったけれど、そ
れはそれでお互いそのことでもう傷つくこともない、と自分自身を納得させた。
その時に、私は「彼はもう死んだ」と自分に言い聞かせ、今日まで生きてきた。

「・・・どうかしたん?」

私は、男の言葉ではっと我に帰った。最近やけに昔の追憶に悩まされることが
多くなってきた。いけないわ・・もう歳なのかしら・・・思い出だけじゃ生き
てゆけないのに・・・

 え〜っと・・・
 だからね、あなたが死んでから自分の特異な能力に気がつかなかった?

 例えば・・・パチンコの話で言うと・・
 なけなしの年金を、とても出るとは思えないような台に、どんどん入れちゃ
 ってるおばあちゃんが、あなたの前に居るとするわね。霊体のあなたがそれ
 を見て、何とか当てさせてあげたいと思う。でしょ?
 ところが、おばあちゃんはすっかり熱くなってしまい、ついには孫におもち
 ゃを買ってやるはずのお金までとうとう入れ始めてしまった。
 さぁ、あなたどうする?

「え?・・どうするって?う〜ん・・どうだろう・・・
 あっ、でも、そういう状況じゃなかったんだけど、オイラの力で当たりをい
 れたことはあるよ。不思議な感覚だったんよ。一瞬時間が止まるような気が
 して、大当たりのポイントがはっきり分かったん。それですぐにビンゴ!!
 あ・・でも、その時は、おばあちゃんじゃなくて、綺麗なお姉ちゃんだった
 けどね・・」

 あ・・あなたねぇ・・・

私は、男のあっけらかんとした言葉に少し唖然としたが、でも、不思議と彼の
雰囲気からいやらしい感じは受けなかった。きっと私を、仲の良い姉ぐらいの
感覚で思っているのだろう。

 まぁ、その動機はどうあれ、良かったわ。それなら、短期間で資金はためる
 ことは出来るわね。私はあなたに肉体を貸すだけで、ご両親のために資金を
 稼ぐのはあなた自身がするの。いいわね?
 その方がご両親もきっと喜ぶと思うわ。

「うん。ありがとう。やってみるよ・・・」

 明日の稼動があるから、私はもう寝るわ。資金稼ぎはもう明日から始めるわ
 よ。いいわね?

それだけ言うと、私は寝床に就いた。
寝ている間、男のすすり泣く声が聞こえたが、とりあえず黙殺した。悲しい理
由はいつか聞けばいい・・。自分はなんて冷たい女になってしまったんだろう。
一人でパチプロとして生きて行くということは、自然に女を強くさせるのか。

翌朝、本来の予定を変えて、私は電車に乗ってこの辺では一番大きな町へ出た。
目指すはパチンコホールではなく、スロット屋だった。やはり稼ぎの効率がパ
チンコとは大違いだからだ。私はパチンコ一辺倒のパチプロではなかった。信
頼できるイベントがあればスロットも打つ。目押しも完璧とは行かないまでも、
人並み以上には出来る自信はあった。

 あなたスロットはやったことある?
 
「ある。たまにだけどね。兄貴はやらなかったけど・・」

 兄貴・・・・私と同格って言う人? あなたが謝りたい人ね?

「うん・・・・
 ・・・謝らなきゃ・・・兄貴に謝らなきゃ・・・オイラが、オイラが・・」

突然思い出したように男は泣き出した。これから稼動だというのになんと言う
ざまなんだろう。私はこの情けない若い男をたしなめた。

 ちょっと!しっかりして!!
 あなたがそんなんじゃ、私もう協力しないわよ!!

「ご・・ごめん。兄貴のことを思い出すと・・もう・・・」

 その人のことは今夜にでもゆっくり聞かせてもらうわ。その時に存分に泣き
 なさい。でも今は目の前の稼動が大切よ。あなたもプロだったんでしょ?

「・・・・」

抜くのにはちょうどいい店を見つけた。完全なボッタクリ店だったが、これか
らの資金稼ぎに設定は意味がなかったからこういう店の方が好都合だった。
入り口近くの一番目立つ場所に座ってやった。せっかく稼がせてくれるのだか
ら、いくらボッタ店でも多少は客寄せの役割をしてやらないと悪いだろうから。

 さぁ、当たりのポイントは見える?

「ちょっと待って・・・・うん。見える。見える!」

 じゃあ、ダミーでしばらく回すわよ。その間に当たりのタイミングを完全に
 つかんでね。

私は、3000円ほど回してみた。最近流行の爆裂機ではなく大量獲得機だ。
この台に座ったのは、まずATの仕組みを男に説明するのはすぐは無理だったか
らだ。これなら単純に当たりポイントがイコール獲得枚数につながる。

 そう言えば名前聞いてなかったわね。私は『玲子』、そしてあなたには見え
 ないだろうけど『奈菜』よ。私の子よ。よろしくね。

「オイラは『裕太』。兄貴は『裕ちゃん』って呼んでた・・・よろしく」

 よろしくね。奈菜もよろしくって言ってるわ。

いくら裕太に当たりポイントが分かっても、レバーを叩くのは私だ。だからそ
のままでは、普通に打ってるのと同じだ。

 じゃあ、その当たりポイントを私の頭にシンクロさせてくれる?

「こ・・・こんな感じかな?」

 そうそう・・それでいいわ。じゃあ、私の時間間隔を変えるわね。

「生きてるアンタにそんなことが出来るん?」

 出来るわ。子供の頃に私に憑依していた戦国時代の武将に教えてもらったの。
 戦で死んだ人だったから、最初は血だらけでちょっと恐かったけどね。その
 人、子供の私に武道の心得ばっかり教えるのよ。しかも古臭い言葉でね。
 その人いわく、相手の剣の先を穴のあくほど見つめていると、それがどう動
 くか分かるらしいの。
 でも、こんなことは現代ではそのままでは役に立たないから、自分なりにそ
 れを応用してみたの。それでいろんなことが分かったわ。

 結論だけ言うと、邪念を振り払うことさえできれば、発射されたピストルの
 玉さえゆっくり動いて見える、ということ。つまり日常の時間間隔は外界の
 情報に影響されて強制的に進行させられるけど、外界から自分を遮断するこ
 とに成功すれば、その時間の進行速度は自分が自由に決められるということ
 それがわかったの。

「す・・・すごい。よくわかんないけど、玲子さんの頭が良いのはわかる・・」

 からかわないで!ほとんど受け売りみたいなもんなんだから・・
 じゃあ、ボーナス入れて見るわ。

私は、集中して、裕太とシンクロしたタイミングでレバーを叩いた。
すぐに予告音が鳴った。成功なのか?

しかし、ただの小役だった。その後も、何度か繰り返してみたが、ダメだった。

 やっぱり生身の人間じゃスロットの時間周期には追いつけないみたい・・・。
 仕方ないわね、あまり気が進まないけど、あなたが私の運動中枢を直接コント
 ロールしてよ。これって金縛りの感覚がしてあんまり好きじゃないけど・・・
 これからのことを考えるとそうも言ってらんないからね・・・。

ためらいがちに裕太が自分の左手の感覚を支配してゆくのが分かった。裕太は律
儀にボーナスを入れるたびに「入れました」と報告して、左手の感覚支配を解く。
私はそれを消化する・・・

結局それを一日中繰り返した。怪しまれないように適当に間を空けたのだが、金
縛りにされては解かれる・・これを何度も繰り返し、私の疲労感は絶頂だった。
それでも本日の上がりは25万円ほどだった。
でも、この程度の稼ぎでこの疲労感では、1000万円稼ぐまでに神経がずたず
たになってしまう。明日からはもっと1回あたりの乱数的中の効率が良いAT機
にしよう。

私が店の入り口で爆裂させてるのを見た哀れな客たちは、店の狙い通りに、私の
勝ち分以上の金を他の台にせっせと入れていたから、きっと店も安泰だろう。私
は、その店の会員カードを作り、そこに貯玉した。女一人がこんな時間に換金す
れば危険極まりないからだ。後日昼間に換金すれば良い。都会はそういうところ
だ。

=============================================== issay PR =============
素敵でとっても知的癒し系ホムペの代表格
【古代史獺祭(こだいしだっさい)】produced  by  Mr.K
http://www001.upp.so-net.ne.jp/dassai/index.htm
突如古代史の謎に魅せられた中年親父が一念発起して、その解読に挑む!!!
======================================================================
\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\
さて、らいぜんパチ小説絶好調の第2話は如何でしたか?

実はすでに私は誘惑に勝てず、この物語のPART1と2の全編を通じて、この
3連休を利用して読んでしまいました。
「いやぁ、すんばらしく、えがったぁぞぉ!」
久しぶりに読後の満足感、充実感を味あわさせていただきましたよ。
一度の読みでは気が付かなかった部分や発見もあって、大変嬉しくなりました。

この表裏一体となるPART2はPART1で未完成だったジグソーパズルを一つずつ
埋めていくように、この物語は絶妙に進行していきます。
この2つの同時進行している物語を非常に細かい事実のピースと心理描写を
絡んだ糸をほぐしていくように、丹念に書き込んでありますから、驚きです。

しかし女性のこういう心の襞まで書き込むってのは大変だったでしょうねぇ。
どうやったら、こんな風に書けるの?
お願い、おせぇて!(笑)

では次回のらいぜんver絶好調第3話をお楽しみに! 

「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、あ、さようなら。
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
◎メールマガジン★イッセーのあはは天国劇場★ は以下の配信システム
を利用して発行しています。
 『まぐまぐ』  (マガジンID: 0000047327)  http://www.mag2.com/
 『pubzine』   (マガジンID: 010226)      http://www.pubzine.com/
 『E-magazine』(マガジンID: 333777)      http://www.emaga.com/
 『カプライト』(マガジンID: 1103)       http://kapu.cplaza.ne.jp/
  『メルマガ天国』(マガジンID: 3262)      http://melten.com/
 『POSBEE』(ID:0000000306) http://www.posbee.com/user/index.php
 『Mailux』(ID: MM3E194C6CD54F5)        http://www.mailux.com/
-----------------------------------------------------------------
 責任編集/イッセー岡田 <じゃんバリ>レギュラーライターの信用と実績
            <専属ライター> らいぜん
      http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/6968/
                E-mail mailto:issayokada@mub.biglobe.ne.jp
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
 =================================
  ★『 ★イッセーのあはは天国劇場★ 』の記事の一部、
    もしくは全部の無断転載・無断配布を禁じます。
  ☆掲載記事の著作権は筆者に有り、筆者の許可なく複製・再配信等を
      行うことはできません。したら、あかんよ。めっ。
 =================================

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。