メルマガ:イッセー岡田のあはは天国劇場
タイトル:イッセー岡田のあはは天国劇場 特別10号  2003/01/14


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       _/_/   ★イッセーのあはは天国劇場★  _/_/
              【Ahaha Story-version】
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                ☆☆☆ mailux第10号 ☆☆☆         
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☆<目 次>
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■<らいぜんのパチ物語> 「あいつと俺PART2」第一章
          
 ■「あとがき」
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   ご挨拶 
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 あは天発行者のイッセー岡田です。
さて今号はお待ちかねの『らいぜんVERSION』です。

お待たせいたしました。
大変ご好評を頂きました「あいつと俺Part1」に続きまして、今号から「Part2」
の連載をいよいよ開始いたします。

ここでPart1の内容をざっと掻い摘んでご紹介しておきます。
「ある日サラリーマンだった俺に突然憑依した元パチプロの浮遊霊、その男のお
かげで俺はパチプロとして生計を立てられるまでになった。
そしてその浮遊霊には同時に死んだ「裕ちゃん」という仲間がいた。
どうもこの男も浮遊霊としてある女性に取り憑いていたことが分かった。」
 (うーん、かなり省略しました。ごめんなさい)

そしてこれから新たな角度、視点から展開をしていくこの物語、どうぞごゆっくり
お楽しみ下さい。

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■■■ ☆<らいぜんのパチ物語> 
■■■             【 あいつと俺Part2 】
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 ▼ 第1話『プロローグ』 ▼
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

その日の稼動も予定収支を上回り、帰宅後にネットで翌日のイベントをチェッ
クしていた。パソコンの前に座った時に、ふと背後に違和感を感じたが、その
感覚はすぐおさまった。

 気のせいだったのかしら・・・

再び、明日のターゲットとなる店の検索を進める。自宅から半径10KM以内な
ら自転車で動ける。自宅は私鉄沿線だが、その半径10KM以内にはターミナル
駅もあるから、検索のターゲットになる店も多い。

その時、再びさっきと同じ違和感を感じた。いや度合いとしてはもっと強いか
もしれない。悪寒と呼ぶに近いものだった。

 またなのかしら・・もういい加減にして欲しいわ・・

私がパチプロ生活に入ってもう5年になる。パチンコ歴は10年ほどだ。
短大を出てOLをしていた5年間は、主にストレス発散の方法として同僚に勧
められてパチンコを始めたのだ。その同僚は絵に描いたような「負け組」だっ
た。来る日も来る日も報われない投資をし続けていた。
そしてその同僚は、いつしか私にとって「恋人」という存在に変化していた。

「お前は、負けないなぁ。俺なんかもう今月10万もやられたよ。
 いったい、お前と俺、なんの違いがあるんだろう?。
 やっぱ女の引きの強さにはかなわないのかな・・・」

一緒に暮らすようになってからも「恋人」は、パチンコで負けるたびにこう言
っていた。

「女の引きの強さ」? そんなものが本当にあるのだろうか?
確かに子供の頃から周りの人には「霊感が強い」と言われたことはある。でも
この霊感とパチンコが強いということはあまり関係ないと思う。自分はあくま
でも理論的に立ち回って予定利益を受けているだけだと思っている。

ところで、私の霊感が強いことを他人はみんな羨ましそうに言うが、私にとっ
てはこれは単なる災難以外の何物でもなかった。見たくもないものをいつも見
なければいけないし、背負いたくないものもいつも背負って生きなければなら
ない・・・。こんな能力のどこが羨ましいと言うのだろう。

そんな私だから、今夜のように、何かを感じた時には必ず何かがある。
今夜のこの悪寒の正体はもうわかっていた。
新たにもう1体の霊が、私に憑依しようとしてるのだ。

今、私には動物霊だけですでに4体憑いている。彼らは何の邪念もない。
ただの遊び相手だ。私のではなく、私に憑いているもう1体の遊び相手・・・。
それは、私が自分のせいで流してしまった水子だった。
「奈菜」という名前も付けた。この子だけは一生背負っていくつもりだが・・。

私が「奈菜」を宿したのは「恋人」と暮らし始めて3年ほど経った時だった。
私はもう「恋人」を配偶者とすることに決めていたし「恋人」もそれをわかっ
ていると思っていた。
「奈菜」を宿してからは、私はパチンコに限らずギャンブルでは無敵になった。
元来強かったのが、強さに拍車がかかったと言う感じだった。
一方「恋人」は、来る日も来る日も負け続けた。そして私と一緒にパチ屋に行
くのを嫌がり始めた。「お前と一緒に行くと、運を吸い取られる」そういう不
理尽な理由をつけて、私と一緒にパチンコへ行くのを避けるようになった。

正直に言えば「恋人」は負けるべくして負けていたのだ。それはよくわかった。
大して台を選びもせずに・・いやきっと選ぶ基準がわからなかったのだろうが、
おもむろに台に座り、1万ぐらい入れて出なければ他の台に移る。こんなこと
を無意味に繰り返していた。もちろん玉を節約するために狙いどころを変えた
り、止め打ちをするなんてことは一切なかった。だけど、女である私が「恋人」
にそれを指摘することはできなかった。彼の勝ち負けより、「恋人」と一緒に
好きなパチンコを打てることが、私にとって至福の時間だったからだ。

いよいよおなかの大きさが目立ってきた頃、私は会社を辞めた。
ますますパチンコに専念するようになり、OL時代よりはるかに多い収入を稼
げるようになった。そしてその稼ぎは、勤め人だった「恋人」の給料をも上回
った。もちろんそんなことは口が裂けても言わなかったが。

平日のある日、行きつけではないホールで新装があり、そこへ出かけた。歩い
て10分ほどの距離だったので、身重の自分でも苦はなかった。
ところがそのホールに、会社にいるはずの「恋人」の姿があった。
私は、見てはいけないものを見た気分になり、急いで家に帰って泣いた。

とても、夜帰宅した本人には問いただす勇気はなく、自分が以前勤めていた会
社、つまり「恋人」の会社の同僚に遠まわしに聞いてみたところ、「恋人」は、
すでに1ヶ月以上無断欠勤が続き、ついに3日前、懲戒解雇になったというこ
とだった。

しかし私は何も言い出せずに、1ヶ月以上の時は流れた。恋人は、私には真実
は言わず毎日会社行くフリをしつづけた。

そのうち、自宅に「恋人」あてにサラ金の督促状が届くようになった。私は、
「恋人」には無断で自分の稼ぎの中からその返済をした。しかし徐々にその頻
度は多くなり、いっぽう私は、つわりが徐々にきつくなり稼動が落ち始めてい
たから、ついにはその返済が焦げ付くようになってしまった。

ある日、たまりかねた私は、「恋人」にすべてをぶちまけた。ぶちまけている
うちに、すべてがもうどうなってもいい気分になり「恋人」がパチンコの才能
がないことやその立ち回りの稚拙さについてまで、すべてを辛辣に責め立てて
しまった。「恋人」は私の矢のような言葉を悲しそうな顔で黙って聞いていた
が、ふと立ち上がり「悪かった・・」と一言のこし、荷物をまとめて出て行っ
てしまった。

私は何日も放心状態のまま「恋人」の帰りを待った。しかし来るのはサラ金の
催促ばかり・・・。こんな精神状態では胎児の成長も良好であるわけがなく、
1ヶ月経ったころ、ついに子供を流してしまった。一度も世間の空気を吸うこ
となく逝ってしまった可哀想な女児だった・・・。
本来ならば、心の底から悲しむべき出来事なのに、不思議と重圧からの解放感
すら感じてしまった。今思えば、あの時の私は、知らぬうちに自分だけでなく、
「恋人」に相当の重圧をかけ、彼を自暴自棄に追い込んでしまったのかもしれ
ない。私と「恋人」の不毛な葛藤の中で流れてしまった可哀想な子に、私は名
前を付けた。

   「奈菜」

私と彼を引き裂いた憎むべきパチンコであったが、自分のこれからの糧はパチ
ンコでまかなうしかなく、自分が本当に心安らかにいられるもの、それは間違
いなくパチンコだった。だから、私のおなかの中で何度も大当たりさせてくれ
たこの水子に、パチンカーにとって最上級の数字を名前としてつけることに抵
抗はなかった。

奈菜は、私のおなかからは流れてしまったが、私たちはいつも一緒だった。水
子が母親に憑くことは当たり前のこと。私はこの子と一生一緒にいるつもりだ
った。もしいられるものだったら・・・。


ふと過去の回想に浸っていた自分に気づき、目の前の現実に立ち返る。

今夜の悪寒の原因は若い男だった。

自分にはもうすでに奈菜とその遊び相手の動物霊4体が憑依してるので、その
若い男の霊には満員と言うことで遠慮してもらおうと思ったが、一瞬頭の中に
この男の霊が自分の運命を変えてくれる存在であるような気がして、留まった。

 あなた、私と生前に面識がある人なの?

「・・い・・いや・・初めてだと思うんよ。たぶん・・・」

その喋り方や雰囲気からして、悪人には思えなかった。と同時にその人物が自
分の「元恋人」ではないことに、ちょっと失望し、直後、そうでないことに安
堵した。実に複雑な心境だった。

「・・も・・もっとビックリされるかと思った。オイラこんな形で人と接する
 ことは初めてだから、なんて言って自分をわかってもらおうか・・そればっ
 かり考えてたん・・・。」

 拍子抜けしちゃったのね? 私はもう慣れっこだから・・・こういうの・・

「じ・・実は、今日ホールでアンタが打ってるのを見たんよ。オイラ生きてる
 時は一応パチンコで生活していたから、こんなんなってもホールでいろんな
 人がパチンコ打つの見てたんよ。そうしたらアンタを見つけた・・

 いや・・ビックリした。ほんとビックリしたんよ。台選びの正確さ、そして
 打ち出した玉の飛び方が綺麗なん・・。
 オイラもう感動したんよ。こんな打ち方できるプロは、オイラの人生・・短
 い人生だったけど、その人生のうちで、他に一人しかいなかったんよ。それ
 でついつい家までついてきてしまったんよ。悪気はないんよ・・・。」

 じゃあ私に用件があるわけじゃないのね?
 でも、付いてきただけなら、すでに憑依段階に入ってるのはどういうわけ?

「あ・・いや・・実は・・・・」

男は何か言いたそうにもじもじしていた。本来ならこういうはっきりしないタ
イプの男は好きではないのだが、彼の場合、何故か憎むことが出来なかった。

 実は?って・・・いったい何の用があるの?

「オイラ、生きてる時にしてはならないことをしてしまったんよ。それである
 人を一緒に死なしてしまった・・・・。それ、さっき言ったアンタと同格の
 プロなんよ。出来ることならその人に本当のことを言って心から謝りたいん
 よ。それと・・・」

 待って!!あなたが会いたい相手はもう死んだ人間なの?。
 気の毒だけどそれは無理よ。あなたはまだ知らないかもしれないけど、人間
 の霊体は、その精神世界が他の動物とはちがって個性が強く、それぞれが独
 立状態にあるから、決して出会うことはできないのよ。それだけは私の力で
 はどうにもならないわ・・・。

「・・・」

 ごめんね、キツイ言い方して。でもこれが真実だから仕方ないの。
 わかったわね?

私の意識には、男の失望感が伝わってきた。でも仕方がないことなのだ。

 で・・もう一つ望みがあるのね?

「う・・うん・・・」

男は、悲しそうに沈黙した。本当にこの男の霊が私の運命を変えるのかしら?
いずれにせよこの男のもう一つの願いが実行可能なことなら、私は喜んで引き
受けよう。それが私の使命であるような気がするから・・・

「・・虫が良すぎる話だって怒らないん?」

私は、無言でうなずいた。若い男は、もうひとつの望みを話し出した。

                            (つづく)
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■■■ ☆<あとがき>
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 新しく配信を開始しましたmailuxの読者の皆様には、このメルマガの連載
 もののバックナンバーを読んでいただくことが出来ませんでしたので、ここ
まで9回に渡って過去の連載をまとめてお届けしています。

怒濤の如く発行されているため、驚かれている方もいらっしゃると思います
が、毎回こんなに短い周期で発行しているわけではありませんので、どうか
安心してください。

 そして今号で当メルマガの専属ライターであるらいぜんさんのパチ物語
「あいつと俺PART2」
の第1話を掲載し、この特別編集号は終了します。
「あいつと俺PART1」もと思ったのですが、大量になるのでご容赦下さい。

 これからは順次発行されるあは天オリジナルパチ物語やスロ実戦記、そして
その時々に感じたことをまとめたエッセイ等で、よろしくお付き合い下さい。

ではmailuxの読者の皆様、これからもよろしくお願い申し上げます。
 
「笑う角には福来る」きっと皆さんに大きな福が授かりますように....
 ではでは、みなさん、次回までごっきげんよう、あ、さようなら。
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