メルマガ:マルキ・ド・カバチ侯爵の「曲がり道一直線」
タイトル:マルキ・ド・カバチ侯爵の曲がり道一直線vol.11「時をかけるおっさん」  2003/02/19


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↑↓→↑↓マルキ・ド・カバチ侯爵の「曲がり道一直線」 ↑↓→↑↓
       vol.11 「時をかけるおっさん」
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立春を過ぎ、暦の上では春を迎えたとはいえ、まだまだ野外は寒い。
曲がり続けるスマドラ研究家、
マルキ・ド・カバチ侯爵がおとどけする曲げ曲げコラム。
11回目の今回は、「あっ・・ラベンダーのかおり・・。」

↑↑↑「時をかけるおっさん〜アロマの恐怖!!」

立春も近いある冬の日。昨年のレイヴ見物のおかげですっかり
野外フリークとなったワシだけど、まだまだ戸外は寒い。
各種人体実験@マイセルフもややスローペースにて。
だって戸外でキマりすぎて寝ちゃったら。「もーふ持参でおでかけドーデスカ。」
「毛布片手にキマっとったらヤバすぎだろーーーっ!!」
そんな時はおうちで火鉢にでもあたりながら、なごみのゆうべ。
「ヒバチ便利デースネー。キャンプファイヤーいえ〜〜いッ♪ハーブったら・・」
「♪ハーブ!!じゃなかった、わーーーっ妙な枯れ草を投げ込むんじゃない!!」
以後、一夜だけの南国。

そんなこんなで、冬の野外活動はやはり熱燗、おでん、屋台くらいだろう
とゆうことで、市街地から少し離れた町にある屋台村へくりだす。
なんでもここの屋台村は、昔ながらの屋台だけじゃなく
フランス料理やイタリア料理の一風変わった屋台もあって賑わっているようだ。
エスニック料理の屋台を見つけてのれんを割ってもぐりこむ。

まずはシンハビールでかんぱーい!
「レゲエかかってますねーっ。」
「こりゃ、なんとのう聞いた事があるが、ボブマーリーとかゆう人かい?」
「プ。そうですよ、侯爵。」ライオンの絵のついた絵本がカウンタに置いてある。
ボブマーリーの歌詞集じゃの。日本酒もあるんなら、日本酒にしようか。
ひのもとが誇る曲げ曲げドリンク、日本酒!冷やで1パイ!
「あ、僕も」「私も。」

そこへ、一人がおもむろにアロマオイルの小瓶を取り出した。
「ふふふふ・・・。」「な、なんですかソレハ?」
「ラベンダーです!!」(目がランラン)も、もしや?!
「カバチ侯爵の記事にありましたよね!
ラベンダーは、天然スピードボールのライト級・・・。」
フタを開ける!大きく振りかぶって第一滴!入りました!!日本酒にぃぃ?!
「あ゛ーーーっ!!!やめなされ!!!!」
「ワハ、ワハ、わははははは!!!!」
とんでもないことになってしまった。日本酒、もといアルコール飲料というのは
ただでさえ麻酔作用・覚醒作用、両方併せ持った「合法スピードボール」
なのである。そこへ、追い打ちをかけるように
ラベンダーオイルで増強してしまったのだ。

ワシの記事を読んでいる読者ならご存じの事と思うが、
ラベンダーオイルというのは、カンフェン系の強力な覚醒成分と、
エステル類の麻酔鎮静成分の両方を含む天然・超スピードボールなのだ。
しかも本日のこのアロマ、実はワシが海外より取り寄せた
野生種/寒冷地産の、有効成分を高濃度に含んだレアもの。
「間違った使い方」の効能いかに?!
「みなさんもホレ、どうぞ!!」
齢四十を越える好漢アロマ氏は人の冷酒グラスにどんどんラベンダーをたらし、
華麗な身振りでてのひら、うなじ、体中にラベンダーを振りかけ、すりこみ、
ついにはアロマを瓶ごと鼻の穴につっこんでスーハースーハーやり始めた。
「ア、アロマさん、なんかあやしいですよその格好・・・」
「うふふふ、あなたもホレ!」鼻の穴からアロマ瓶をぽん!と抜くと
鼻の下をオイルで光らせながら、横の人の鼻にアロマを押し当てようとする。
「うわ!勘弁してくださいよ〜」逃げる間もなくラベンダーを塗りつけられる
同輩。とこうするうちに、皆だんだん酔ってきた。酒にか?!アロマにか?!

「うはははは、なんかおいしいじゃないですかコレ。
ハーブの匂いがして、日本酒ってゆうよりカクテルみたいっすよ!」
「わはははは、そーでしょー!!」
アロマさんはそのうち天才のうた(作詞作曲・アロマ氏)をうなり始めて
上機嫌大爆発。ちゃんちき♪ちゃんちき

あれ?ふと気づくと、アロマさんが居ない。
さっきトイレに一緒に行ったんだけどなあ。ちょっと帰るのが
遅すぎますなあ。僕、探しに行ってみます。そうだな。
「い、いませんよ、どこにも!!」「えっ」
捜索隊、出動。路上、植え込み、川の中、あちこち探してみるが
居ない。携帯を鳴らすが出ない。この寒空のもと、どこへ行ったんだ・・・。
3時間あまり捜索したが不明。どうやら財布だけは持っているようだ。
「酔っぱらって帰っちゃったんじゃないかなあ。」
しょうがないなあ、アロマさんのカバン持って帰っとこう。
「冬なのに、どこか路上で寝てたらどうしよう・・」だいじょぶっすよ!
立春だから。一抹の不安を抱きながらも、全員アロマ日本酒がまわっとるので
なんとなく楽観的に解散。

だが、翌朝には電話でもかかってくるだろうと思いきや、
昼になっても夕方になってもアロマさんからの連絡はない。
携帯にも自宅にもルスデン入れてるんだがなあ。アロマ日本酒のハングオーバーで
だるだるな面々にも若干緊張が走る。もしや?!
「あっ、これアロマさんの実家の電話番号だ!」「か、かけてみよう!」
るるるるる・・・るるるるる・・・
「はいもしもしアロマです」「あーーーーっ!!生きてる!!」

その後の調べによると、アロマ氏は捜索隊が出動していた3時間を
ほんの2,3秒だと思って何の気なしに元居た屋台に帰るともう終了していたらしい。
次に気づいた時には氷点下の道路の真ん中に大の字で寝ており、
次に気づいた時にはヨソ様のアパートのエレベーター、次に気づくとビルの屋上、
そして次は列車の中、夕方はっと気づくと安らかな気分で
ご実家で眠っておられたそうだ。時を、かける、おっさん〜〜〜〜♪
かけちゃったんですね。タイムトラベラー、アロマさん。
「携帯?なくしました〜〜わははは〜」そうですか・・・。
「あ、でもラベンダーの瓶はしっかり握りしめて寝てましたよ。」
お、お、恐るべし!!!

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