メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(39)  2004/05/10


39.「マルコポーロ」廃刊事件
   (その19)




御記憶と思ひますが、湾岸戦争は、
戦時報道と言ふ物が、改めて、問
はれる戦争でした。私は、湾岸戦
争の際、戦時報道と言ふ物を自分
の時代の出来事として目撃し、戦
争と言ふ物が、単に人の生命を奪
ふだけでなく、いかに事実を歪め、
隠匿する物であるかを思ひ知らさ
れましたが、木村愛二氏の「湾岸
報道に偽りあり」(汐文社)は、
そうした、湾岸戦争の際の日本と
世界の報道を検証する本でした。


その中で、私に非常に強い印象を
与える、或る記述が有りました。
それは、その本の終わり近くの章
で、著者である木村氏が、シオニ
スト右派の行動を分析、批判する
中で、第二次世界大戦前から大戦
中にかけて、ナチとシオニストの
間に協力関係が有った事を指摘し
てゐる下りでした。


皆さんは、この事を御存知でしょ
うか?不倶戴天の敵同士と思はれ
てゐる事の多いナチスとシオニス
トが、実は、或る時期、深い協力
関係に在ったと言ふ事実を?



私は、1980年代から、その事
について、いささかの知識が有り
ました。しかし、当時も今も、こ
の驚くべき歴史について書く人は
非常に少なかった為、この知られ
ざる史実−−ナチとシオニストの
間に協力関係が在った−−を木村
氏が書いてゐるのを目にした時、
木村氏が、日本の他のジャーナリ
ストとは違う事を直感したのでし
た。

           (続く)




核時代59年5月10日(月)










        西岡昌紀
(にしおかまさのり・内科医・
 元厚生省医務官・「アウシュ
 ウィッツ『ガス室』の真実」
 (日新報道)著者)

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