メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(32)  2003/04/14


32.「マルコポーロ」廃刊事件
  (その12)





それに加えて重要な事は、西欧社
会には、ガリレオ以来の、事実を
尊重して、明らかにしようとする
精神が、生き続けて居た事だと、
思います。


即ち、ナチスドイツに迫害を受け
たラッシニエや、ブルグの様な人
達が、「ガス室」や「ユダヤ人絶
滅」の実在に異論を投じた背後に
は、たとえ、敵国の事であっても、
事実は客観的に語られるべきだと
考える精神的伝統の存在を感じず
には居られません。これは、矢張
り、背後にガリレオを生んだ西欧
の精神的伝統が有っての事だと思
いますし、逆に、中国や韓国の場
合は、残念ながら、そう言う文化
や精神的伝統が希薄な為、近現代
史について、事実を客観的に見よ
うとせず、ただ、いたずらに、歴
史を反日運動の材料にしようとし
て来たと言う違いが有った様に思
えてなりません。もちろん、全て
の中国人や韓国人がそうだとは思
いません。中国や韓国の場合は、
共に、日本や西欧に在った様な言
論の自由が長く存在しなかった事
の方が、大きく影響して居ると思
いますが、「ホロコースト」を巡
る欧米での論争史と、南京事件等
を巡る日本と中国の間の過去の軋
轢の歴史が余りにも違う背景には、
そうした、西欧と中韓両国の精神
的伝統の違いと言う物も、大いに
影響して居たと、私は、思うので
す。

           (続く)






平成十五年四月十四日(月)














 




         西岡昌紀
(内科医・元厚生省医務官・
 「アウシュウィッツ『ガス室』
  の真実」(日新報道)著者)

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