メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(28)  2003/03/01


28.「マルコポーロ」廃刊事件
   (その8)





お話しして居る通り、私は、199
5年、文芸春秋社の月刊誌「マルコ
ポーロ」に「戦後世界史最大のタブ
ー・ナチ『ガス室』はなかった」と
言う記事を発表しました。そして、
それに対して、イスラエル大使館と
アメリカのシオニスト団体が強硬に
抗議等を行なった後、文芸春秋社は、
「マルコポーロ」を廃刊にしました
が、「マルコポーロ」にこの記事を
書いた当時、私は、今、皆さんにお
話しした事実の全てを知って居た訳
ではありませんでした。又、この記
事(「ナチ『ガス室』はなかった」)
の中で、私は、議論の細部において、
例えばチクロンBの物性や毒性等に
ついて、間違った事も書いて居ます。
ですから、先ずは、そうした当時の
自分の不勉強や細部の間違いについ
て、反省して居る事をここで明言し
ておきます。−−そうした、当時の
私の不勉強や細部における間違いに
ついては、事件から2年後に出版し
た私の本(「アウシュウィッツ『ガ
ス室』の真実」日新報道・1997
年)をお読み下さい。−−もちろん、
「ナチのガス室」が虚構であると言
う確信には、当時も今も変わりは有
りませんが、「マルコポーロ」廃刊
事件が起きた当時の報道を見ると、
或る事に印象ずけられずには居られ
ません。それは、私の記事が提起し
た問題について、論理的に反駁した
記事が、当時この事件を大々的に報
じた新聞や雑誌の記事の中に、皆無
である事です。


当時の報道は、ただ、文芸春秋社が
この事件においてとった人事だとか、
当時の花田紀凱「マルコポーロ」編
集長の人物像などを伝えるばかりで、
肝心の「ナチ・ガス室」は実在した
のか、と言う問題を論じる事は、徹
底して避けて居ます。どうしてなの
だろう?と思わずには居られません
が、これは、とどのつまり、「ナチ
のガス室」が実在したと言う証拠が
皆無である事の反映ではなかったの
でしょうか?

            (続く)








平成十五年三月一日(土)

(三・一運動の日に)
















         西岡昌紀

 (内科医・元厚生省医務官)

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