メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(23)  2003/02/06


23.「マルコポーロ」廃刊事件
   (その3)





前号で、私の著作の一節を引用し
てお話した様に、「マルコポーロ」
廃刊事件とは、今から8年前の1
995年、当時文芸春秋社が発行
して居た月刊誌「マルコポーロ」
に、私が執筆した記事が掲載され、
その記事に対して、イスラエル大
使館とアメリカのシオニスト団体
サイモン・ヴィーゼンソール・セ
ンター(Simon Wies−
enthal Center)が、
抗議をした事から、始まった事件
です。



その私の記事とは、第二次世界大
戦中、ドイツ占領下のヨーロッパ
で起きたとされる、言わゆる「ホ
ロコースト」の内容は、再検討を
必要とする趣旨の10ページほど
の記事で、要約すると、大旨、以
下の様な内容の記事でした。



1.ナチスドイツが、第二次世界
  大戦中、ユダヤ人に差別、迫
  害を加えた事は、明白な事実
  である。筆者(西岡)は、そ
  の事自体には何ら異論を唱え
  る積もりは無い。又、当時の
  ドイツが行なった、そうした
  ユダヤ人への差別や迫害を正  
  当化する積もりも、もちろん、
  全く無い。

2.しかし、これまで語られて来
  た「ホロコースト」の内容は、
  事実と余りにも異なっている。
  具体的には、言われている様
  に、ドイツがユダヤ人をただ
  ユダヤ人であると言うだけの
  理由で「絶滅」しようとした
  とする主張には、全く証拠が
  無く、更には、反証が存在す
  る。又、アウシュヴィッツを
  始めとする一部の収容所で、
  処刑用ガス室による人間の殺
  害が行われたとする主張には、
  「証言」が有るだけで、物的
  証拠は無い。

3.「ホロコースト」の内容は、
  戦後、二転三転している。
  例えば、かつては、「ガス室」
  によって多くの人々が殺され
  たとされて居た、ダッハウ収
  容所では、今日、「ガス室」
  による殺人が行われて居なか
  ったとされて居る。それでは、
  かつて、この収容所で、「ガ
  ス室」による殺人を目撃した
  と述べた証言は、一体、何だ
  ったのか?


            等々




こうした事を述べた私の記事は、
「戦後世界史最大のタブー・
ナチ『ガス室』はなかった」と
題され、阪神大震災が起きたの
と同じ1995年1月17日に
発売された「マルコポーロ」
1995年2月号に掲載されま
した。



ところが、この記事に反発した
イスラエル大使館と前述のアメ
リカのシオニスト団体サイモン
・ヴィーゼンソール・センター
(略称SWC)は、「マルコポ
ーロ」を出版している文芸春秋
社に激しい抗議を開始し、これ
が切っ掛けで、「マルコポーロ」
は、廃刊に追いこまれます。



これが、「マルコポーロ」廃刊
事件と言う事件です。


          (続く)








平成十五年二月六日(木)
















        西岡昌紀

(内科医・元厚生省医務官)

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