メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(22)  2003/01/30


22.「マルコポーロ」廃刊事件
   (その2)




8年前に起こった「マルコポーロ」
廃刊事件については、御記憶の方も
おられれば、御記憶でない方もおら
れると思います。そこで、先ず、こ
の事件の概要を復習する為に。事件
から2年後に私が発表した本の中か
ら、この事件について私が書いた事
を以下に御紹介したいと思いますの
で、お読み下さい。





−−・・・私がこの本を書く切っ掛
  けと成った或る事件の事から、
  話を始めたいと思います。
   その事件とは、1995年の
  1月から2月にかけて起きた
  「マルコポーロ」廃刊事件と言
  う事件です。この事件は、同誌
  2月号に掲載された或る記事を
  切っ掛けにして、大きな騒ぎが
  起こり、同社が「マルコポーロ」
  誌を廃刊にしたと言う事件なの
  ですが、皆さんは、この異常な
  事件を記憶しておられるでしょ
  うか?その記事とは、私が執筆
  した「戦後世界史最大のタブー
  ・ナチ『ガス室』はなかった」
  と言う記事で、文芸春秋社の月
  刊誌「マルコポーロ」は、19
  95年2月号に、私のこの記事
  を掲載しました。
   ところが、私のこの記事に対
  して、或る団体(後述)が、広
  告ボイコットと言う手段を用い
  て文芸春秋社を攻撃し、同時に
  日本政府に直接抗議すると言う
  行動を取りました。それが切っ
  掛けとなって、文芸春秋社は
  「マルコポーロ」を突然、廃刊
  する事としたのですが、この事
  は当時大きく報道されたので、
  御記憶の方も少なくないと思い
  ます。(注1)
   即ち、私のこの記事が載った
  「マルコポーロ」が発売された
  のは、阪神大震災が起きたのと
  同じ95年1月17日の事でし
  た。ところが、これが発売され
  ると、私のこの記事に反発した
  イスラエル大使館及びアメリカ
  のシオニスト団体サイモン・
  ヴィーゼンソール・センター
 (Simon Wiesen−
  thal Center)は、
  文芸春秋社に対して強い抗議を
  展開し始めました。
   記事の大意は、「はじめに」
  でも少し述べた様に、ドイツが
  第二次世界大戦中ユダヤ人を差
  別迫害した事は明白だが、「ガ
  ス室」によって「ユダヤ人絶滅」
  を行なったとする通説には全く
  根拠が無く、ユダヤ人達には、
  全く別の悲劇が有ったとする物
  でした。即ち、私は、ナチス・
  ドイツがユダヤ人を差別した事
  も、ソ連戦線でユダヤ系の非戦
  闘員を多数処刑した事も、全く
  事実だと考えています。これら
  の事柄は、それらの細部につい
  ては検証が必要だと思いますが、
  基本的には全く事実だと認識し
  て居ますし、収容所でユダヤ人
  等に対する虐待が有った事自体
  も否定する積もりは有りません。
  しかし、いわゆる「ガス室大量
  殺人」と「ユダヤ人絶滅計画」
  と言う二つの話に限って言えば、
  異議を唱えない訳には行かない
  のです。それは、ナチスを「弁
  護」すると言う様な事ではなく、
  ただ単純に、それが事実とは考
  えられないからです。理由は後
  で詳しくお話しするとして、結
  論から言うと、私は、戦後永い
  間信じられて来た「ガス室」の
  話は、連合軍が戦争中行なって
  居た戦時宣伝が戦後、検証され
  ぬまま「歴史」に転化した物だ
  ったとしか思えないのです。真
  実は別に有った、と言うのが私
  の主張ですが、それは、ユダヤ
  人があの時代に苦しまなかった
  等と言う事ではなく、全く別の
  悲劇が有ったと言う事なのです。
  その「別の悲劇」とは何だった
  のか。私は、「マルコポーロ」
  の記事において、大旨、以下の
  様に論述して居ます。・・・・
  ・・・・(後略)・・・−−−

 (西岡昌紀「アウシュウィッツ
  『ガス室』の真実」日新報道・
  1997年 18ページから
  20ページより)






   皆さんは、この事件について、
どんな記憶をお持ちでしょうか?
・・・・・


           (続く)








平成十五年一月三十日(木)

「マルコポーロ」廃刊事件
8周年の日に












 西岡昌紀(にしおかまさのり・
 内科医・元厚生省医務官)

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。