メルマガ:近現代史を考える
タイトル:近現代史を考える(6)  2002/09/25


6.ポーランド問題が教える事−−
  第二次世界大戦は、必要の無い
  戦争だった。



この1939年9月1日のドイツ・
ポーランド開戦までの歴史は、日本
では殆ど語られる事が有りませんが、
欧米では、例えば、イギリスの歴史
家A・J・P・Taylorなどに
よって、しばしば分析され、論じら
れて来ました。

そうした欧米の歴史家の一人に、ア
メリカの歴史家ホッガン(Hog−
gan)の名が挙げられます。彼に
ついては、後日詳しく紹介する予定
ですが、ポーランド語に堪能であっ
たこのアメリカの歴史家は、第一次
世界大戦終了後から1939年9月
1日のドイツ・ポーランド開戦まで
の歴史をアメリカ、イギリス、ポー
ランド、等の外交官が当時やりとり
した当時の手紙、電報、外交記録、
そして、当時のポーランドの新聞記
事などを分析し、ぶ厚い著書を残し
て居ます。

彼のその著作「The For−
ced War」(「強いられた
戦争」未邦訳)は、そうした膨大
な記録、資料に基き、当時、誰が、
何を画策していたかを明らかにす
る本ですが、彼は、この中で、日
本人には意外に聞こえると思いま
すが、ヒトラーは最後までポーラ
ンドとの戦争を避けようとしてい
た事、そして、当時のイギリス外
相ハリファックスが、ドイツを戦
争に追いこむ為に、いかにポーラ
ンド政府をあやつっていたか、等
の事柄を記述しています。

私がこの本を読んだのは、10年
以上前の事ですが、この本を読ん
で私が確信した事は、第二次世界
大戦は、全く必要の無い戦争だっ
たと言う事でした。

即ち、する必要の無かった戦争を
アメリカやイギリスの一部の勢力
が、当時の愚かなポーランド政府
を扇動して起こしたのが、ドイツ
とポーランドの間のこの戦争だっ
た、と言う事ですが、これは、私
にとって、衝撃的な精神的体験と
成りました。

           (続く)




2002年9月25日(水)






         西岡昌紀

日新報道「アウシュウィッツ『ガス室』
     の真実」著者

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