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タイトル:非公式情報 第210号  2006/06/17


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公正さの演出もしない日本流

By StrangeLove

日本の権力層は自分たちの欲望を実現するため、「外圧」をしばしば利用してきた。最近は「グローバル・スタンダード」、つまり「ウォール街流」を振りかざしている。

グローバル・スタンダード/ウォール街流とは、巨大企業、そして一部の富豪に富を集中させるためのシステムで、理念としては19世紀の資本主義への回帰とも言えるだろう。だからこそ、こうした問題点を改善しようとしたアメリカのニューディーラーたちを憎悪してきたわけである。このシステムの問題点は多くの人が議論、批判していることであり、ここでは深入りしない。

ただ、ここで指摘しておきたいのは、「ウォール街」はそれでもある程度「公正さ」を演出しているという点である。金融政策で利害が大きく影響を受けるような「利殖」から中央銀行の責任者が手を引くことは、ウォール街のルールでも当然のことだろう。

ところが、日本銀行の福井俊彦総裁は1000万円を「村上ファンド」に投資していた。しかも、首相はこの事実を問題にしていない。本人も辞任する意志のないことを表明している。これは「ウォール街流」にも反している。

一般庶民に対しては「グローバル・スタンダード」を掲げて負担を強いる一方、自分たちは、そうした標準に拘束されないというわけである。日本の権力層の「御都合主義」がよく出ているとも言えるだろう。日本以外だったら暴動になっても不思議ではない状態だ。

1970年代の半ばまで、日本の証券界は「鉄火場」だと見られていた。プロの相場師が勝負する賭場だったのである。そこに巨額の資金を持つ大企業が入り、強引な株価操作で相場を高騰させはじめる。株価が上がれば保有する株式の評価額も上がる。相互持ち合いで事実上、資金なしで手にしていた株式が莫大な資金の源泉となるわけである。そして株式や転換社債などを時価発行すれば、「二度おいしい」ということになる。

このシステムが機能するためには、大蔵省(後の財務省)の少なくとも「黙認」が必要である。例えば、1980年代半ばに行われた大規模な株価操作では、大手証券が「種玉(このときは新規発行の転換社債だった)」を「仕手筋」に提供、資金は某都市銀行が出していた。つまり、この問題を解明するためには大手証券や都市銀行、そして大蔵官僚を調べる必要があるのだが、日本のマスコミは「仕手筋」の話のみに興味を示すだけだった。権力を握っている人たちに立ち向かう意思はないということだろう。そうした態度は今でも変わっていないようだが。
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