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タイトル:非公式情報 第207号  2006/05/27


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CIA長官交代の舞台裏

By StrangeLove

アメリカ上院の情報委員会はマイケル・ヘイデン将軍のCIA長官就任を承認した。ヘイデンは1999年から直前までNSA長官を務めていた・・・つまり、令状なしにアメリカ国民の通信を盗聴する作戦を指揮していた人物である。盗聴作戦の責任者はジョージ・W・ブッシュ大統領だと擁護する声もあったが。

さて、ヘイデンのCIA長官就任は、ポーター・ゴスが5月5日に長官を急に辞めたことを受けてのこと。突然のことだったため、様々な憶測が飛び交った。3月にはCIAのナンバー3が汚職容疑で調査の対象になり、4月にはCIAの秘密収容所に関する情報を外部に漏らした疑いでCIA職員が解雇されていたため、こうした出来事とゴスの辞任を結びつける向きも少なくなかった。

ゴスはエール大学時代にCIAからリクルートされた筋金入りの情報機関員である。大学を卒業後、1960年から1962年まで陸軍情報部に所属、1962年から1972年までCIAの秘密工作に従事している。(勿論、実際は一貫してCIAの人間である。)少々のことでは辞めないと考えるのが常識的ではないだろうか?

彼が政治の世界に飛び込んだのは1974年。同じエール大学出身のジョージ・H・W・ブッシュ(現大統領の父親。大学時代にCIAからリクルートされたと信じられている)がCIA長官に就任する2年前のことだ。

ところが、ここにきて、より刺激的な話が飛び込んできた。ゴスの辞任にコカイン密輸の発覚が絡んでいるのではないかというのだ。4月11日にメキシコの空港に緊急着陸したDC-9の機内から5.5トンのコカインが発見されたのだが、アメリカでの報道によると、その飛行機の背後にCIAの影が浮かび上がってきたのである。

この話を聞いて1986年にニカラグア上空で撃墜された「CIAの輸送機」の事件を思い出す人もいることだろう。ベトナム戦争でCIAの秘密工作に参加していた経歴を持つ2名のパイロットが運んでいたのは、武器とコカインだったと言われている。

では、メキシコに降りたDC-9のパイロットは・・・行方不明である。飛行場に降りたにもかかわらず、消えてしまったというのだから恐れ入る。

ところで、CIAと麻薬取引の関係はジャーナリストや研究者だけでなく、ロサンゼルス市警察の元警官や麻薬取締局の元捜査官、あるいは税関の関係者なども指摘している話。ジョン・ドッチがCIA長官だった時代にコントラやCIAとコカイン密輸との関係を内部調査しているのだが、その切っ掛けは元警官の長官に対する「挑発的発言」だった。

なお、アメリカの麻薬取引については『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』(三一書房、2005年)に詳しい。筆者のコラムが三一書房のサイト<http:www.san-ichi.co.jp/>にある。
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