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タイトル:非公式情報 第201号  2006/04/16


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将軍たちの逆襲

By StrangeLove

ジョージ・W・ブッシュ政権は、発足当初から軍制服組との関係がギクシャクしていた。ここにきてアメリカ軍の将軍が相次いでドナルド・ラムズフェルド国防長官を批判しているが、この対立の根は深いということである。「イラク戦争の責任回避」というだけで将軍たちが声を上げているわけではない。

おそらく、対立の根幹には「戦争観の違い」がある。政権誕生から間もない頃に出された報告書の中で中国脅威論が展開されたが、アメリカ太平洋軍総司令官だったデニス・ブレア提督はこうした見方を公然と批判している。チェチェン戦争のようなゲリラ戦を軍幹部は警戒していたのだが、ブッシュ政権の中枢は違った。軍需産業の影響なのか、例えばミサイル防衛の導入に熱心だったのだ。

2002年7月にはワシントン・ポストがブッシュ政権の内部で「背広組」と「制服組」との対立を伝えている。イラク侵攻作戦を開始する前、エリック・シンセキ陸軍参謀総長が議会でラムズフェルドの戦略を批判したことは有名な話。今月になってTIMEで国防長官を批判したグレグ・ニューボルド海兵隊中将も2002年10月に統合参謀本部の作戦部長を辞している。

TIMEの記事が出る直前、アンソニー・ジニー元中央軍司令官もテレビのインタビューで国防長官を批判した。ジニー将軍も一貫してブッシュ政権のイラク攻撃を批判してきた人物だ。こうした将軍たちは、風向きを見て長官批判を始めたのではないのである。

このほか、3月にはポール・イートン少将、4月に入るとジョン・バチステ少将、チャールズ・スワンナック少将、ジョン・リッグス少将もラムズフェルドを批判している。

CIAなど情報機関の内部にも、イラク攻撃を無謀な試みだと考えていた人物は少なくなかったと言われている。だからこそ、ジョセフ・ウィルソン夫妻の事件も起こったのであろう。

イラク攻撃にとって都合の悪い情報を無視してホワイトハウスは開戦したとする情報が次々に表面化している。ネオコン(ストラウス主義者とキリスト教原理主義者)の立場はますます悪くなっている。追いつめられた人々が叫び始めたのがイラン攻撃。核兵器の使用も検討されていると報道されている。欧米の主流派エリートに対する最後の脅しのようにも聞こえる。ブッシュ政権に付き従い、支えてきた日本としても人ごとではない。
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