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タイトル:非公式情報 第184号  2005/12/19


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偽情報をめぐる米政府とメディアの関係

By StrangeLove

イラクに大量破壊兵器は存在しなかったことをアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領は公式に認めた。日本のテレビでは、CIAの間違った情報に基づいて判断した大統領には責任がないとする「コメンテイター」の発言も聞かれたが、これは事実に反している。外国の情報機関だけでなく、CIAやDIAがイラクの「大量破壊兵器情報」には根拠がないと指摘していたことが明らかになっているのだ。日本の政府やマスコミも、本気でイラクに大量破壊兵器が存在していると信じていた人は少なかったであろう。

そうした内幕を「内部告発」したひとりがジョセフ・ウィルソン。その妻、バレリー・プレイム・ウィルソンがCIAの秘密工作員だという機密情報をホワイトハウスの高官が外部に漏らしたのは、ジョセフに対する報復だったとする見方が一般的だ。

このリーク事件でネオコンの中心人物のひとり、I・ルイス・リビーが起訴された。大量破壊兵器をイラクが保有していないことをホワイトハウスは最初から知っていたことを大統領も否定しきれない状況になっているのが現状なのである。つまり、今回の大統領の発言はこうした事実をごまかすことを目的としていたと考えるべきだろう。いわゆるダメージ・コントロールだ。

こうした嘘で始めた戦争を継続するため、ブッシュ政権はアメリカの伝統的な作戦を始動させた。法律を無視した国民監視である。その最大のターゲットは反戦平和運動の参加者であることは言うまでもない。CIAのMHケイアスやFBIのCOINTELPROは有名だが、その後も国民監視を当局が放棄したわけではないのだ。

12月16日にニューヨーク・タイムズは、ブッシュ大統領が電子情報機関NSAに対して令状なしに国民を監視することを許可していたとする報道を行っている。興味深いのは、同紙がこの記事を1年以上(約13カ月)の間、ホワイトハウスからの要請で「塩漬け」にしていた事実。権力の違法行為を事実上、容認していたことになる。

昨年11月にこの記事が掲載されたならば、大統領選挙にも少なからぬ影響を与えたであろうことは想像に難くない。考えてみれば、今回のリーク事件で注目されたニューヨーク・タイムズのジュディス・ミラーはブッシュ政権(ネオコン)の偽情報を広めるために「活躍」した記者のひとりである。

ワシントン・ポストの社主をはじめ、有力メディアが情報機関と組んでプロパガンダを組織的に展開していたことが1970年代に暴露された。そうした伝統が今でも生きていることを再確認させる事実だ。そのアメリカよりも当局に協力的なのが日本のマスコミ。「大本営発表体質」は今でも健在のようだ。
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