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タイトル:非公式情報 第180号  2005/11/21


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アメリカの権力抗争と日本の運命

By StrangeLove

このところ、日本のテレビ局は自民党の「新人議員」の宣伝に熱心なようである。その議員たちのボス、小泉純一郎首相はジョージ・W・ブッシュ米大統領へのサービスばかりに熱心で、ほかのことが目に入らないらしい。アメリカ国内だけでなく、ラテン・アメリカでもヨーロッパでも非難の嵐、心休まらないブッシュ大統領にとって、日本は安息の地に思えたことであろう。

繰り返しになるが、アメリカの権力グループ内部の勢力図は今年に入って大きく変化している。「9/11」を利用して主導権を握ったネオコン(親リクード派/キリスト教原理主義勢力)だが、保守本流の巻き返しで今は劣勢にある。イスラエル系ロビー団体AIPACを舞台としたスパイ事件の摘発、CIAのエージェントの素性を外部に漏らした「プレイム事件」は象徴的な出来事である。

ネオコンの戦略によると、1992年頃から中東ではイラクのサダム・フセイン体制の打倒が最大の目標だった。イラクに「親イスラエル体制」を樹立できなくても混乱が続けば、イスラエル、ヨルダン、イラク、トルコという帯でシリアを湾岸諸国から分離することができる。その上でシリアを締め上げようということだ。サウジアラビアの体制崩壊も狙っていると言われているが、真の意味の民主化は望んでいないだろう。民主化されれば、反米/反イスラエル国家になる可能性が高いからだ。

その一方、アメリカ最大の「潜在的ライバル」として位置づけられている東アジアもネオコンはダメージを与えようとしてきた。その最大のターゲットは中国。そうしたアジア戦略の拠点、「浮沈空母」にしようとしているのが日本だが、アメリカはその日本がライバルに成長することも決して許さない。あくまでも「忠実なる僕」であることを要求する。

しかし、アメリカの保守本流は東アジアの混乱を望んではいないはずだ。実際、アメリカの現政権が朝鮮侵攻に向かって動き始めようとした時、彼らはパパ・ブッシュを介して攻撃を中止させたという。すでに多額の投資をしている地域が混乱することを望んではいないのだろう。単純な事件でこの状況を変えることは難しい。「ネオコン追随」は日本を良い方向には導かない。

ただ、アメリカの保守本流も日本がアジアの一員になることは望んでいないだろう。アジアで孤立し、アメリカ抜きには生きられない国になり、アメリカ軍の下請けとしてアジア地域でアメリカ系巨大企業の利権を守ってほしいはずだ。そうした意味で小泉首相を始めとする「アメリカ追随派」の靖国神社参拝の意味は大きい。
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