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タイトル:非公式情報 第174号  2005/10/10


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ブッシュ政権の苦しい立場

By StrangeLove

機密情報を外部に漏らした容疑で起訴されていた米国防総省の元分析官が10月5日、有罪を認めた。その分析官、ローレンス・フランクリンはイスラエル系のロビー団体、AIPACへの機密漏洩の容疑で逮捕、起訴されていた人物で、イスラエル大使館でナオル・ギロンと8回から12回会い、中東某国のイラクでの活動などの機密情報を渡したとアレキサンドリア地裁で認めたのである。イランの核開発問題などについて話し合ったとも言われている。すでに逮捕されているAIPACのスティーブン・ローゼンやキース・ワイツマンにとっては悪い知らせだろう。フランクリンはダグラス・フェイス国防次官の下で働いていた人物で、ネオコンとも深い関係にあったと見られている。ジョージ・W・ブッシュ大統領にとっても深刻な事態だと言えるだろう。

ブッシュ政権にとって頭の痛い問題といえば、今月後半に放送される予定のBBCの番組も忘れてはならない。2003年6月、パレスチナ自治政府の幹部に対してブッシュ大統領は「神の命令」でアフガニスタンやイラクに侵攻すると語ったとする話が番組の中で紹介されている。パレスチナの国家を作り、イスラエルの安全を保障するとも語ったという。

ホワイトハウスはこうした証言を全面的に否定しているが、イラクで掃討作戦を指揮しているウィリアム・ボイキン中将が「宗教戦争」を行っているのだと発言していることを考えると、今回の証言は十分にありえる。

フランクリンがイスラエルに機密情報を流したと認めたのとほぼ同時に、FBIの捜査官がフィリピンの反大統領派に対し、グロリア・アロヨ大統領にとって不利になる情報を流していたとする話も報道された。

10月7日にはニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長は地下鉄をターゲットにしたテロ計画があるとする情報を入手したとして厳戒態勢に入った。イラクで拘束した「テロリスト」から得た情報だと言うのだが、情報の信頼性に問題があるとも言われている。「9.11」の時には重要なテロ情報を無視、あるいは封印していたと言われているが、逆の意味で今回の騒動には疑問がある。

もっとも、フィリピン絡みのスパイ事件やニューヨークのテロ騒動のおかげで、イスラエルのスパイ事件は影が薄くなった。イスラエルやネオコン、ホワイトハウスにとっては有り難い展開だったかもしれないが、もう少し長い目で見ると、ブッシュ政権(ネオコン)が厳しい状況下にあることに変化はない。

ブッシュ政権が考えそうな「起死回生の一手」に興味があるならば、9月に三一書房から刊行された『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない:アメリカによるテロの歴史』を読むことをお勧めする。
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