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タイトル:非公式情報 第162号  2005/06/05


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アムネスティ対ニューズウィーク

By StrangeLove

5月25日、人権擁護団体の「アムネスティ・インターナショナル」は「敵戦闘員」の拘束に関し、ソ連の強制収容所になぞらえてアメリカ政府を強く批判する報告書を公表した。

戦争捕虜でも犯罪者でもないという理由でジュネーブ協定や刑事訴訟手続きを無視しているブッシュ政権を批判する報道は少なくない。そして、アムネスティ・インターナショナルからも同じ趣旨の話が出てきたわけである。(日本のマスコミはこうした報道に消極的なようだが。)

肉体的な拷問だけでなく、コーランの冒涜や性的な虐待といった精神的な拷問が繰り返されてきたとする数多くの証言がこれまでにも紹介されてきたが、アメリカ政府は証言者を「嘘つき」だと言い張ってきた。

しかし、ここにきてFBIや軍の内部調査でもマスメディアや国際赤十字、アムネスティなどから指摘された話をある程度、認めざるをえなくなっている。こうした展開になることをアメリカ政府は1カ月以上前から見通していたことは間違いないだろう。勿論、イスラム諸国の人びとも収容所内部での拷問に関する話はニューズウィークがマイケル・イシコフの記事を載せる以前から知っていたはずだ。

5月上旬、アメリカ政府は イシコフの記事を激しく批判、ニューズウィークはすぐに謝罪した。こうした流れの中、収容所で肉体的あるいは精神的な拷問が行われているとする話自体が否定されたかのような雰囲気が強まったようだ。が、これは錯覚である。ニューズウィークが初めて収容所内部の実態を問題視したわけではないのだ。世界のマスメディアだけでなく、国際的な機関や団体からも非難されてきたのである。

さて、イシコフだが、この記者には信用しきれない点がある。1990年代半ば、信憑性に乏しい情報に基づいてビル・クリントン大統領を激しく攻撃した人物なのだ。つまり、同記者は当時、ネオコン/キリスト教原理主義者にとって好ましい記事を書き続けていたのである。今では「誤報」だとされているものだ。

ニューズウィークの記事掲載と謝罪がないままアムネスティ・インターナショナルの報告書が出たならば、アメリカ政府の受けたダメージは今より大きなものになっていたことだろう。
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