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タイトル:非公式情報 第160号  2005/05/22


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反米デモとニューズウィーク

By StrangeLove

5月に入り、アフガニスタンを皮切りにイスラム諸国では大規模な反米デモが展開されている。グアンタナモ基地で拘束されているイスラム教徒を精神的に追いつめる目的で看守や尋問官がコーランを冒涜している、とする記事がアメリカの週刊誌、ニューズウィークに掲載されたのが発端だとされているが、一連の出来事には疑問点も多い。

まず、ニューズウィークの記事を書いたひとり、マイケル・イシコフは1990年代半ば、信憑性に乏しい情報に基づいてビル・クリントン大統領を激しく攻撃した人物。(この件での謝罪はない)同大統領は当時、先制攻撃を容認するネオコン/キリスト教原理主義者の軍事力を前面に出した戦略(1992年にニューヨーク・タイムズなどが暴露している)に反対していた。

そのほか、マイケル・ムーアが映画「華氏911」の中でサウジアラビアの王族や巨大投資ファンド「カーライル・グループ」などを批判的に描かれていることを批判したことでも知られている。

要するに、イシコフ記者は軍需産業や金融界の肩を持つ人物で、体制派に属していると見られていた。その人物が「収容所」におけるコーラン冒涜を取り上げたのだ。最近ではネオコンの政策に反対する声がアメリカのエリート層内部で広がっているが、そうしたことを反映したのか、あるいは別の目的があるのか・・・。

グアンタナモなどアメリカ軍が管理している収容施設で肉体的な拷問のほか、コーラン冒涜など精神的な拷問が行われていることはニューズウィーク以前にも報道されている。同誌が記事に関して謝罪したからといって、勿論、コーラン冒涜に関する情報が否定されるわけではない。

例えば3年前、コーラン冒涜に関する情報を赤十字はアメリカの国防総省に対して伝えている。BBCやインディペンデント紙をはじめ多くのメディアも元収容者による同様の証言を伝えていることを忘れてはならない。反米デモがニューズウィークの記事のみが原因で起こったとする主張は成り立たないのだ。

イラクのアブ・グレイブ刑務所の元所長は予備役の女性の将軍だった。所内で行われていた拷問の実態が明るみに出た後、責任は末端の兵士に押し付けられ、大多数の幹部は「高みの見物」を決め込んでいた。数少ない例外は、比較的正直に内部の情報を語った元所長くらいだった。同所長は「イスラエル人尋問官」の存在にも言及していた。

いずれにしろ、アメリカを中心とする軍隊のイラク侵攻以来、イスラム諸国の反米感情は急速に悪化している。そうした雰囲気が具体的な形になり始めたとも言えるだろう。イスラム諸国が真に民主化されたなら、何が起こるかも暗示している。
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