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タイトル:非公式情報 第147号  2005/02/21


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レバノン元首相の暗殺で張り切るネオコン

By StrangeLove

2月14日、レバノンのハリリ元首相がベイルートで爆殺された。レバノンの野党勢力やアメリカ政府はシリア政府を批判する声を高めている。

ハリリはサウジアラビアで財を築いた実業家。シリアにも人脈を広げる一方、レバノンからのシリア軍撤兵も要求していた。欧米との関係では、フランスのシラク大統領と親しいことで有名だが、同時にアメリカとも友好的な関係にあった。要するに、微妙なポジションにいた人物である。米英軍のイラク攻撃以降は特に難しい立場にあったわけだ。

イラク戦争は戦前に予想した通り、泥沼化している。フセイン体制は簡単に崩壊し、アメリカ政府が望むような政権が誕生して安定するとネオコンは宣伝していたが、こうしたプロパガンダを信じていた(あるいは、信じていたふりをしていた)のは日本のマスコミなど、ごく一部の人たちだけであろう。アメリカでは軍の中枢やCIAの分析部門も困難な戦いになることを見通していた。軍の幹部が入れ替えられ、CIAの分析部門で大規模な粛清が実施された理由はここにある。

本メールマガジンではすでに伝えているが、開戦の約半年前、2002年9月に対イラク戦を想定したコンピュータ・シュミレーション「ミレニアム・チャレンジ作戦」をアメリカ軍は実施、「敵軍」にアメリカ側が負けるという結果も出ていた。

これに対し、ネオコンは「大量破壊兵器」や「フセイン政権とアルカイダとの関係」などの偽情報をばらまき、強引に開戦した。その当時からシリアやイランに対する攻撃は計画に含まれていた可能性が高い。特に、シリアに対する敵意は露骨だった。イラクやシリアの体制変革は1992年頃に練り上げたネオコンの中東戦略の中に含まれていたことを考えると当然かもしれない。

しかし、これまでシリアに対する軍事侵攻は実現できていない。ネオコンが希望してもできないことはある。が、今回のハリリ暗殺で雰囲気は変化してきた。

レバノンが不安定化すれば、シリアと同地域をめぐって対立しているイスラエルへの影響も大きい。が、ネオコンにとって「心のふるさと」であるイスラエルは運がいい。パレスチナ自治政府はイスラエル政府と停戦で合意、シャロン政権はレバノン問題に集中できる状況にある。
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