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タイトル:非公式情報 第145号  2005/02/06


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選挙後もかわらないイラク情勢

By StrangeLove

先月30日、イラクで国民議会選挙の投票があった。アメリカ政府は自分たちの勝利だと宣伝しているようだが、はなはだ疑問である。アメリカがイラクを民主化しようとしているとする主張に至っては荒唐無稽としか言いようがない。

過去、アメリカの権力者は自分たちにとって都合の悪い合法政権(選挙で「民主的」に選ばれた政権)をクーデターなどで暴力的に何度も破壊してきた。自分たちにとって都合の悪い勢力が勝ちそうな選挙を実施させなかったこともある。

言うまでもなく、イラクをはじめとするイスラム諸国で民主的な選挙が実施されたならば間違いなく「反米国家」が誕生する。その最大の理由はパレスチナ問題だ。イスラム教徒とユダヤ教徒との対立が今のように激しくなったのはイスラエルなる国家が作り出された後のことである。

まず、シオニストの軍事組織はテロ行為や住民虐殺でアラブ系住民を追い出し、イスラエルを「建国」した。1967年にフランスとの関係が悪化したイスラエルを救ったのがアメリカであり、イスラエルの核武装にも積極的に協力してきた。イスラエルが保有する数百発の核弾頭は中東の油田だけでなく、中央アジアの油田も狙っているはずだ。

とは言うものの、中東に石油利権を有するアメリカの石油企業はアラブ諸国とも友好的な関係を結んでいた。勿論、民主国家の出現には警戒していたが。

アメリカ、イスラエル、アラブの微妙な関係に大きな変化が現れたのが1990年代初頭、パパ・ブッシュ政権の後半である。親イスラエルのネオコンの発言力が強まったのだ。イラク制圧作戦もその頃に作成されている。

アメリカの現政権で中東問題を指揮しているのはウォルフォウィッツ国防副長官の同志でもある親イスラエル派のエリオット・エイブラムズ。アメリカ政府はイラクでの軍事作戦でイスラエルから協力を得ていると報道されている。イランの核施設もイスラエルと共同で偵察しているとも言われている。アメリカの現政権が描く中東の未来図はイスラエルの戦略と深く結びついていることは間違いない。

そうした中、イラクの選挙ではシーア派が圧勝した。イスラエルと関係の深いクルドも発言力を強めようとしているが、シーア派の優位は動かない。反米感情の強いスンニ派に対しては「皆殺し攻撃」を実施、選挙にも参加できない環境をアメリカ政府は作り上げてきたように見える。

そうした中、スンニ派のライバル、シーア派と手を組まざるをえなかったわけだが、シーア派がアメリカ政府の傀儡になる可能性は小さい。アメリカは滅亡への道を歩み続けている。

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