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タイトル:非公式情報59号  2003/05/08


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アメリカのイラク支配とイラク人の反米感情

By STRANGELOVE

米英軍に制圧されたイラクの都市で略奪が横行、バグダッドの博物館も襲われて貴重な歴史遺産が根こそぎ奪われてしまった。こうした事態は事前に警告されていた。にもかかわらず、『解放軍』が警備しなかったのである。実は、アメリカの美術関係者から国務省や国防総省に対してイラクの輸出規制を緩和してほしいとする要求が事前に出されていたため、略奪を懸念する声が高まっていたのである。が、アメリカやイギリスの軍隊がガードしていたのは石油関連施設だけだった。

前回も書いたように、今回の戦争はウォール街によるイラクの『レバレッジド・バイアウト』(ターゲットの資産を担保とした乗っ取り)のように見える。イラクの資産とは石油であり、軍は石油の生産を止めるなと命令されていたはずだ。

第2次世界大戦前、アメリカの巨大企業はラテン・アメリカを中心に、世界各地に保有していた施設、利権を守るために海兵隊を使っていた。こうした役回りを不愉快に感じていた軍人のひとりがスメドレー・バトラー少将。1930年代前半、ウォール街の大物たちがフランクリン・ルーズベルト政権を転覆させるために計画していたクーデターを議会で暴露した人物としても有名だ。

そのバトラー少将は『コモン・センス』という雑誌のインタビューで次のような発言をしている。

海兵隊の一員として活動した「33年4か月の間・・・私はほとんど全ての時間を大企業やウォール街の銀行家の高級用心棒として過ごした。」

つまり、メキシコで石油業者のため、ハイチとキューバではナショナル・シティ銀行のため、ニカラグアでブラウン・ブラザーズ銀行(ジョージ・W・ブッシュ大統領の曾祖父が重役を務めていた。ナチへの資金パイプとしても有名)のため、ドミニカでは製糖業者のため、ホンジュラスではフルーツ会社のため、そして中国ではスタンダード石油のために働いたと振り返っている。

大戦後、ウォール街の利権拡大と維持の中心的役割を果たしたのは、ジョン・フォスター・ダレスとアレン・ダレスの兄弟を中心とするグループ。当初、情報機関や国務省などに張り巡らした人脈を私的に束ねていたが、のちにOPCという破壊活動チームを国務長官の下に編成、この組織は後にCIAの中に組み込まれた。

そしてソ連が消滅した現在、核戦争を恐れることなくウォール街は軍隊を再び前面に押し出すことができるようになった。が、バトラー少将と同じように感じている軍幹部は少なくないはずである。実際、2001年春から『9/11』まではブッシュ政権の方針にペンタゴンの幹部(統合参謀本部議長候補も含む)は公然と反対していた。

対イラク戦争ではアメリカだけでなくイスラエルの兵器も大量に使用され、復興事業でも両国は足並みを揃えている。しかも『イラク復興』で中心的役割を果たすためにブッシュ政権が設置した『ORHA(復興人道支援室)」のジェイ・ガーナー退役中将はミサイル防衛産業に所属、イスラエルの軍事強硬派(リクード)と親しい人物だ。

アメリカ軍に占領されているだけでも反米感情が高くなるわけだが、そこにガーナーのような人物を『復興』の責任者として連れてくれば、アメリカに対する反発はさらに高まることになる。あまりにも評判が悪いためなのか、ガーナーの上にポール・ブレマーなる人物を配置したが、ブレマーはヘンリー・キッシンジャー人脈に属し、ガーナーと同じスタンスの人物だ。

米軍はサウジアラビアから兵力の大半を撤退させる一方、イラクの4基地を長期間、使用する方針だと伝えられている。つまり、バグダッド近くのタリル、イラク南部のナシリア近く、西側の砂漠地帯にある滑走路『H-1』、そして北部のバシュル空港。こうした基地を拠点としてシリアやイランなど中東全域に目を光らせようとしているのかもしれないが、すでに反米の波は中東全域で高まっている。『チェチェン/ソマリア化』または『パレスチナ化』する可能性は小さくない。そうなれば、アメリカ軍の内部でもウォール街への反発が強まることになりそうだ。

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『北朝鮮ミステリー』(5月6日)
北朝鮮の核開発とラムズフェルドの関係、金一族とブッシュ一族とを結ぶ共通点、北朝鮮のロケット弾輸出を仲介した米共和党/イスラエル人脈

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第2次世界大戦後、アメリカには要人暗殺やクーデターを一手に引き受ける極秘チームが存在した。OPCである。1950年10月にCIAの中に潜り込むが、その後も破壊活動、秘密工作をOPC人脈は続けた。英国のある学者に言わせると、CIAはこうした人脈が隠れ蓑に使ってきたにすぎない。この特別レポートを読まずにアメリカの戦後史を語ることはできない。

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