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タイトル:非公式情報5号  2002/07/30


国土安全保障省で情報管理?
by Strangelove

 ジョージ・W・ブッシュ米国大統領は「国土安全保障省」を創設しようとしている。テロ関連部門を統合するのだという。昨年9月11日以前に指摘されていたテロ情報に十分反応できなかったことを反省してのことだというが、首を傾げざるをえない。複数の情報機関、捜査機関が独自に調査、分析していたからこそ、事前にテロが予測されていたことが明るみに出たのだ。
 昨年11月、フランスで衝撃的な本が出版されたが、その内容はFBIニューヨーク支局の元副支局長でテロの専門家だった人物の証言が反映されている。情報処理が不適切だったからテロに対応できなかったのではなく、ブッシュ政権のタリバン・コネクション(タリバンやオサマ・ビン・ラディンを育てたのは米国の情報機関)や巨大石油企業により、もみ消されたというのだ。もし、FBIが国土安全保障省の指揮下にあったなら、こうした話が外部に伝えられただろうか?
 この本が出版される直前、10月末にフランスの保守系有力紙「ル・フィガロ」は、あのオサマ・ビン・ラディンが昨年7月に中東のドバイにある病院に入院、そこでCIAの人間と会っていたと報じている。フランスの情報機関が英国と同様にCIAと友好関係にあったなら、こうした話が伝わったであろうか?
 ビン・ラディンが退院した約2週間後、アラブ首長国連邦の税関当局者はアル・カイダ(オサマ・ビン・ラディンを中心とする組織)の幹部を逮捕、パリの米国大使館を爆破する計画が練られていることが判明し、米国へも情報が通報されたともル・フィガロは伝えている。
 世界貿易センターやペンタゴンに旅客機を体当たりさせたとされる容疑者の多くはサウジアラビアのジェッダにある米国領事館でビザを入手しているようだが、1980年代後半にその領事館でビザ発給の責任者だった人物によると、ここはCIAの管理下にあった。テロ関連部門が統合されていたなら、こうした内部情報を外に漏らせただろうか?
 また、米国のネットワーク局、CBSが今年5月15日に報道したところによると、テロの数カ月前、オサマ・ビン・ラディンのグループが米国の航空機をハイジャックする可能性があるとブッシュ大統領は聞かされていたのだという。ホワイトハウスの情報管理力が強まれば、こうした話が報道されないのではないだろうか?

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