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タイトル:非公式情報1号  2002/07/20


 米国の通信大手、ワールドコムが週明け(7月22日)に連邦破産法第11条(会社更正法に相当)の適用を申請すると報道されている。昨年12月2日のエンロンに続く大型倒産であると同時に、ITと規制緩和、日本政府が掲げてきた二枚看板の破綻も意味している。

 エンロンの倒産劇が幕を開けたのは昨年8月14日のこと。その日、CEO(最高経営責任者)を務めていたジェフリー・スキリングが「一身上の都合」で辞職、翌日にはシェロン・ワトキンス副社長が不明瞭な会計処理がなされているとケネス・レイ会長に匿名で警告したのだ。9月11日の「同時多発テロ」をはさみ、10月16日にエンロンは6億1800万ドルの損失を報告、同社株は売り込まれて株価が急落している。

 世界貿易センターの2棟に旅客機が突入してタワーが崩壊するという衝撃的な出来事、それに続く米軍のアフガニスタン爆撃に関心が向けられる中、10月22日に米国のSEC(証券取引委員会)はエンロン問題の調査に着手、今年1月25日には議会の委員会に召還されていたジョン・バクスター元副社長の死体がヒューストン郊外で駐車していたベンツの車内で発見された。バクスターは昨年5月に副社長を辞めているが、その前に会社の不明瞭な会計処理を批判していたとされる人物。議会での証言が注目されていた。

 ワールドコムの倒産が伝えられるまでにも少なからぬ企業の不正経理が露見し、株価暴落の原因になっているが、ウォール街の支配者たちは、いつからこうした米国企業の実態に気づいていたのだろうか?遅くとも、エンロンの会計処理問題が浮上した昨年8月にはわかっていたのではないだろうか?

 同時多発テロ以前、ブッシュ政権は地球温暖化やミサイル防衛、ECHELON問題などでEUなどと激しく対立、国内でも大統領選挙の不明瞭な開票結果からジョージ・ブッシュを正当な大統領と見ない米国市民も少なくなかったのだ。ミサイル防衛では米軍の幹部からも厳しい批判があった。「同時多発テロ」がなければ、今頃ブッシュ政権は崩壊していたのではないだろうか?旅客機の突入は正に「神風」だった。

 

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