メルマガ:子どもと自然 -環境教育メールマガジン-
タイトル:【子どもと自然】 -環境教育メールマガジン- 44号 2002.10.20  2002/10/17


※※※ 子どもと自然 -環境教育メールマガジン- 44号  2002.10.20 ※※※
   全国学校ビオトープネットワーク 発行      配信数:5578
   バックナンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000043179
==<目 次>=============================
1.☆連載☆ 学校ビオトープは教育をかえるか(1)-1
           全国学校ビオトープ・ネットワーク 理事 赤尾 整志
2.はじめてみよう学校ビオトープ(CD−ROM)配布
3.書籍紹介 ワンダフル・ライフスティーブン・ジェイグルード 著/早川新書
☆★ プレゼントコーナー ★☆
   天敵のはなし 鳥居ヤス子編著/小島祥子 絵   星の環会 

☆発刊3年目を迎え読者も6000名(独自配信を含む)超えました。
 さらに内容を充実するとともに紙面をリニューアルしまし、発行間隔も月2号
 から月3〜4号を発刊していく予定です。
 メルマガ発行サイト http://wing.zero.ad.jp/~zbh98220/
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☆連載☆ 学校ビオトープは教育をかえるか(1)-1
           全国学校ビオトープ・ネットワーク 理事 赤尾 整志
まえがき
メールマガジン36号〜39号で、平山明彦さんが「学校ビオトープは何を創造し
たか(1〜5)」を発信された。これを受けてさらに学校ビオトープに対する考察
を発展させるため、「学校ビオトープは教育を変えるか」というテーマで、転機に
立つ現在の教育を射程に入れた問題提起を試みた。

1.学校ビオトープは活力の源
学校ビオトープという、最近になって全国の学校で注目されるようになってきた
学校教育活動は、現在、それぞれの学校や教師たちが、それぞれの思惑をもって
進めている。にもかかわらずおしなべて今、学校ビオトープが熱いのは何故だろ
うか。
学校ビオトープのメリットとは、現在の子どもたちが学校などで「生きている自
然」を直接かつ日常的に体験することであると考えている。「学校ビオトープ」
とは、身近にいる野生の生きものが、校地やその周辺地に住み着くことができる
ように復元された自然的環境のことである。学校ビオトープづくりを実施してい
るところでは、どの学校でも生き生きとした子どもの姿が見られる。それは生来
大好きな生きものにふれ一緒になって遊ぶ、子どもの本姓がよみがえるからでは
なかろうか。そして子どもたちが生き生きしている学校では、教科の学習やその
他の校内活動もまた一層活性化されるであろう。学校ビオトープの出現は、確か
に今の学校教育の、内部からの大きなインセンティブとなっている。その具体的
な検証はまだこれからの課題であるが、少なくとも現場の教師はそれを肌で感じ
て教師もまた生き生きとしている。その訳とは何だろうか。

2.学校を変えるビオトープ活動
学校ビオトープは、従来の学校施設には存在しなかった新しい教育空間である。
そのために学校ビオトープづくりとは、それぞれの学校が独自に主体性をもって
施設のあり方を決めることであるということができる。現行の学校施設は、学校
教育のサブシステムとして不可欠の教育的機能空間となっているから、このよう
な新しい空間づくりの試みとは、従来の学校にはなかった新しいシステムづくり
へのきっかけになると解釈することができる。このことは、学校ビオトープづく
りが今後全国の学校(小学校など)に広がっていくとすれば、現在の学校や教育
のあり方に対しても少なからずインパクトを与えることになるものと考えられる。
では学校ビオトープという新しい教育空間からの視点とは何だろうか。つぎの3
点に注目したい。

(1)ビオトープづくりは、原則としてその地域の自然環境をモデルとする。そのた
めに、学校ビオトープもその地域にしかない独自の性格をもった場所となる。
(脱画一性)

(2)学校ビオトープを地域の自然環境の一部として再生させるためには、地域に根
差した手法でつくることが最も適切である。そのためには、地域社会(住民・行政・
企業など)とのパートナーシップが重要になる。つまり学校ビオトープづくりを
通じて、地域で「民主主義」を醸成する「場」が形成される。(参画性)

(3)ビオトープとは、野生生物の生息が保障される空間である。そのために、ビオ
トープの生きものは学習の材料として利用される生物ではなく、子どもたちにとっ
ては自分と同じ仲間つまり共生的自然として認識される。(脱対象化)

ちなみに学校ビオトープは、子どもが地域の自然と密接にかかわることでは、総
合的な学習に導入されている「農」の体験と類似する点が多い。しかし動植物
(いのち)に対する接し方には大きな違いがある。つまり農業における生きもの
とは、人間が生きる手段「食」としてのものづくりの対象である。
学校ビオトープの特記事項とは、生きものと一体化することによって、「共に生
きる生き方」を身に着けることである。それは前世紀に経済・産業優先社会を推
し進めてきた、日本の公教育に欠如していた側面ではなかっただろうか。それは
循環と共生の地球社会を担う次世代に対する、重要な21世紀の教育課題なので
ある。

(つづく)
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☆はじめてみよう学校ビオトープ(CD−ROM)配布

新潟県学校ビオトープ連絡協議会ではこの3年間の取り組みを元に地域に根ざし
た学校ビオトープの進め方や数々の優れた事例を集めたCDROM『瞳輝く子供たちを
応援する はじめてみよう学校ビオトープ』を製作しました。

主なコンテンツは以下のとおりです。
○学校ビオトープってなあに?       〜基本的な考え方について〜
○学校ビオトープをはじめてみよう! 〜地域に根ざした活動の進め方〜
○学校ビオトープ事例集       〜学校ビオトープコンクール入賞校3校
                                      を含む小・中・高校の事例〜
○学校ビオトープのかたち 〜学校ビオトープでよく使われる資材などの紹介〜
○ドイツの学校ビオトープ 〜13年度の視察ツアーから最新情報を紹介〜 

学校ビオトープに携わる皆様に少しでもお役に立てるのではないでしょうか。
CDは送料を含め一枚1、000円となっております。購入ご希望の方は下記メー 
ルアドレス
までご連絡くださいませ。
*******************************
新潟県学校ビオトープ連絡協議会
事務局 若尾 明弘
〒950-3315 豊栄市朝日町3-2-18
chokobo@rose.plala.or.jp
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☆書籍紹介☆
○ワンダフル・ライフ
スティーブン・ジェイグルード 著/渡辺 正隆 訳/2000.3/602頁
940円+税 早川新書
化石の発見とその解釈にまつわる緊迫のドラマを、多くの図版を駆使して
再現し、歴史の偶発性と生命のすばらしさを実感できる。進化の本質は、適者生存で
自然淘汰によるとの教育を受けたものにとっては、進化が多数の実験の結果であるこ
とを知れされる。生物進化観に全面的な見直しを迫る1冊。
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■◇プレゼントコーナー◇■ 
天敵のはなし 
鳥居ヤス子編著/小島祥子 絵/2002.5/55頁
1300円+税/星の環会 こどもと考える環境学 5巻

 自然界には食べられるものと食べるもの組み合わせがあって、いろいろな生き物
たちが調和を保って生きています。本書ではこの自然の不思議なシステム(天敵)
とそれ利用して安全な農作物をつくる試みが紹介されています。
自然は無駄のない仕組みをもっていることがわかります。

(有)星の環会は"子どもの心にうったえる"、"子どもとお年寄りの接点
 を大切にした"、子どもから大人まで共に読める本"を出版して約30年。
 児童書、教育書、環境問題を取り上げた書籍は多くの公立図書館、学校図
 書館から高い評価を受け、蔵書として採用されています。
 さらに当会の書籍は総合的な学習に役立つアイデアと指針がふんだんに盛
 り込まれ、多くの学校の先生方に受け入れられています。
 http://hosinowa.mdn.ne.jp/

プレゼントを希望の方は 件名にプレゼント希望と記入し本文に
 1. 氏名 2.住所 3.ご職業 4.本メールマガジンをどこで知ったかを
      記入し下記のアドレスまでお送りください。
    応募締め切りは2002年10月26日。
    当選者名は第メルマガ誌上にて発表させていただきます。
      プレゼント応募先 biotope@mx1.alpha-web.ne.jp

応募者多数の場合は抽選となります。
なお、応募者には有用情報が今後届くことがあります。
応募者はメールマガジン購読者に限らせて頂きます。
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☆こんなMLを主催しています(詳細は WebPage で)

○学校ビオトープメールリングリスト参加者募集
  http://wing.zero.ad.jp/~zbh98220/ML/biotope.html

○対談ネイチャーゲーム(ML)参加者募集
  http://www.fuchu.or.jp/~okiomoya/ml.htm
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☆編集後記
 紙面をリニューアルしました。週間で発行できればと考えています。
 プレゼントコーナーへの応募が100件を超えることが多く、読者の皆さんには
 応募したのに・・・と思われているのが目に浮かびます。読者の皆さんでこのコー
 ナーへ商品を提供して頂ければと考えています。(多少の提供者のCMはさせて
 いただきます)よろしくお願いします。
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○"子どもと自然"に皆様の情報、原稿をお寄せください。
 自然と子どもに関するする話題、イベント情報、ホームページ情報(ホームページ
 の更新、開設)、団体紹介(フィールドレポート)その他を掲載させて頂きます。
  原稿送付先 biotope@mx1.alpha-web.ne.jp (テキスト形式で)

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 子どもと自然 -環境教育メールマガジン- 
  編集・発行人 平山 明彦
  編集部 〒299-0114 千葉県市原市泉台4-6-1 
       TEL 090-4023-1476 Fax 0436-66-5463

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