メルマガ:【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-
タイトル:【トランスマガジン VOLUME177】-翻訳会社が教えるプロの英語-  2006/12/20


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【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-   2006/12/20 第177号
 株式会社トランスワード、 http://www.transwd.com、book@transwd.com
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 当マガジンは当社翻訳教室の生徒さんおよび登録翻訳者の方を主な対象にし
 翻訳実務に役立つ情報を定期的にお送りするものです。
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■もくじ■
1. お知らせ
2. 最近の翻訳業界 
3. 翻訳しよう
4. 翻訳者日記
5. リンクしよう

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1. お知らせ
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トランスワードでは、翻訳者を目指す方を対象としたワークショップを開催し
ます。
技術翻訳は独学でも習得可能ですが、より効率的・実践的な勉強をするには当
社のような実務経験の豊富な会社のノウハウを直接吸収するほうが断然有利で
す。
皆様のご参加をお待ちしています。

場所:広島市、トランスワード教室
開始時期:2007年1月初旬
開催日:原則として毎週水曜日の夜、2時間程度
回数:10回を1つのコースとし、ご要望により継続
講師:トランスワード代表 仲谷幸嗣、ならびにトランスワードスタッフ
参加費用:¥30,000-/10回

詳しくはこちらから↓
http://www.transwd.com/school/workshop.htm

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の「Q.2 当ホームページをどこでお知りになりましたか?」のコメント欄に
「特別販売希望」とお書き添えの上、お申込みください。

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2. 最近の翻訳業界(仲谷)
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3.1翻訳対象物を知る

技術翻訳の場合、ほとんどはその分野の最新情報を含んでいます。限られ
た人しか知らないので翻訳の必要があるのです。一般の人の多くが知って
いる内容は翻訳する価値がありません。自動車、コンピュータ、機械など
の工業技術分野は日々進歩しています。それらの新しい情報を翻訳して別
の言語を使う人に伝えるために翻訳の仕事があります。

翻訳を始めるとき、まず原稿全体を見て内容を把握しなくてはなりません。
そして「これは何の目的で誰が原稿を書き、翻訳後にどんな人に読んでも
らう予定のドキュメントなのか」を理解します。この理解がないと翻訳し
たものが的外れな文章になってしまいます。

翻訳者にまず求められるのは対象となる技術分野の幅広い知識です。数ペ
ージの翻訳ドキュメントにしても、それがパソコンの中身についてのこと
なのか、または自動車のエンジン制御用のコンピュータについての記述な
のか、はたまた工場の機械を制御するソフトウェアの説明なのかが判断で
きなくてはなりません。

幅広い技術知識をつけるのは容易ではありません。技術畑出身の人でも限
られた分野での知識しかないのが普通です。技術翻訳者は常に幅広く、新
しい技術の情報を収集し続けなくてはなりません。文化系出身の翻訳者は
さらに多くの努力が必要です。

幸い最近はインターネットを通じて多くの情報に簡単にアクセスすること
が出来ます。翻訳に必要な知識のほとんどは無料でネットから得ることが
できます。技術的に分からないことがあればすぐにインターネットで納得
するまで調べる癖をつけましょう。
翻訳は知的好奇心が旺盛な人でないと出来ない職業です。


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3. 翻訳しよう(荒井)
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This Handbook has been issued to convey important information to all 
business partners concerning the handling of all confidential information, 
including that related to our customer complaints. This information is also 
categorized as 'ABC Bank Confidential.' を和訳します。

「弊行では、顧客クレームを含むあらゆる秘密情報の取扱いに関する重要事項
をお取引先各位に周知徹底することを目的として、このマニュアルを発行しま
した。この情報も、ABC銀行秘密情報と位置づけます」となりました。単語レ
ベルでは、complaintを「クレーム」、ourを「弊行の」、business partnersを
「お取引先各位」とするなど、気が利きいています。内容的にも、convey 
important informationのところで「周知徹底する」、categorizedに「位置づ
ける」を用いるなど、工夫していると思います。

ですが、こういうミクロレベルに攻めているだけでは解決しない問題が起きて
いました。第2文の冒頭、This informationの指すものは明らかにthat (= 
information) related to our customer complaints. なのですが、和訳で「この
情報」の一番近くにあるのは「このマニュアル」、その次は「重要事項」です。
和文で「顧客クレーム」は、何と「この情報」から一番遠い位置にあります。
これでは指すものの解釈が違ってしまいます。

和訳の後半は、「顧客クレームに関する情報も、ABC銀行秘密情報の位置づけ
にしているからです」などとするべきだと思います。「この情報」とせず、内容
をもう一度繰り返すとよいです。この一節はincluding以下についての補足理ASA
由になっています。本日は、文書を「センテンス単位」に訳すことの危険の一
例を示しました。


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4. 翻訳者日記#67(阿久根)
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「TRADOSの怪」

以前にも本コラムで書きましたが、現在の技術翻訳ではTRADOSという翻訳支援
ソフトが頻繁に使われます。私はバージョン6.5まではまめにアップグレード
してきましたが、バージョンが上がっても翻訳者側の作業内容が基本的に変わ
らないので、バージョン7の案内が来たときにはアップグレードを見送りまし
た。ところが、バージョン7が世に出回り始めてから、ちょっと困ったことも
起きるようになってきました。

翻訳会社から翻訳業務を依頼されるとき、「TRADOS バージョン5.5以上」とい
うようにバージョンを指定されることがよくあります。私が使っている中で最
新のバージョンは6.5ですから、現在のところ、大体の場合は対応範囲内なの
ですが、ちょっとした手違いなどにより、バージョン7のTRADOSで作成された
メモリがそのまま支給されることがあります。納期がギリギリの仕事を引き受
けたとき、「今から始めるぞ」と意気込んでメモリを開こうとしたら、「バージ
ョン7で作成されたメモリは読み込めません」といった内容のメッセージが...。
通常の時間帯でない場合(早朝とか夜遅くとか)、翻訳会社となかなかコンタク
トがとれないので、そんなときは、「昨日のうちに確認しておけば良かった....」
と後悔することしきりです。

確かに、旧バージョンで新バージョンのファイルが読めないということは、パ
ソコンソフトの世界では時々ある話ですが、6.5から7になっただけでファイ
ルに互換性がなくなると、バージョンアップを強いられているようで、あまり
よい気分はしないものです。

TRADOSではメモリをテキスト形式でエクスポートし、そのファイルを旧バージ
ョンでインポートできますから、バージョンが異なっていても同じ内容のメモ
リを使うことができます。でも、数ヶ月に前には、こんなことがありました。
もらったインポート用ファイルをTRADOSのWorkbenchに読み込んでいざ使おう
とすると、文字化けが発生して、使えなかったのです。あれこれ試した挙げ句
に、インポート用ファイルをWORDで開き、フォントをすべて変更してから保存
し直して、もう一度WORKBENCHで読み込みました。すると、何事もなかったか
のように、普通に使えるようになりました。

翻訳支援ソフトは便利だと思います。メモリを参照すると、用語やスタイルの
整合性を保つことに役立ちますから。でも、いつもお決まりの使い方しかしま
せんし、変更する設定も似たようなものばかりなので、バージョンでどんな画
期的な機能が追加されるのか、いまひとつピンと来ません。だからといって、
バージョンアップに二の足を踏んでいると、いつの間にか置いてきぼりにされ
てしまいます。翻訳支援ソフトは「使っている」というだけではなく、「定期的
にバージョンアップしている」というところまで問われるようですから、翻訳
者を目指す人たちはそうした出費もある程度計算に入れておかないといけませ
んね。

では、みなさん、良いお年をお迎えください。


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5.リンクしよう  
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