メルマガ:【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-
タイトル:【トランスマガジンVOLUME117】-翻訳会社が教えるプロの英語-  2004/06/08


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【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-   2004/06/08 第117号
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 株式会社トランスワード
 http://www.transwd.com
 book@transwd.com
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 当マガジンは当社翻訳教室の生徒さんおよび登録翻訳者の方を主な対象にし
 翻訳実務に役立つ情報を定期的にお送りするものです。
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■もくじ■

1. 最近の翻訳業界 
2. 翻訳しよう
3. 翻訳者日記
4. リンクしよう


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1. 最近の翻訳業界(仲谷)
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沖縄事務所をスタートしました。

前号で紹介した事務所を那覇市中心部で6月7日から稼動開始しました。
当初のメンバーバーは広島事務所から一名、関西在住の翻訳者さん一名(那覇
に移動)、沖縄在住の翻訳者さん数名です。

翻訳を商品として仕上げるためには翻訳、チェック、修正、編集、最終確認と
いった流れでスムーズに仕事を進めなくてはなりません。そのためには担当者
間のコミュニケーションが大切です。

社外(フリー)の翻訳者さんに仕事を依頼する場合、メールや電話でしっかり
と打ち合わせをするように努力していますが、社内メンバー間のコミュニケー
ションに比べるとどうしても連絡不足になりがちです。このため無駄な作業が
発生したり、連絡作業そのものに時間がかかったり、互いのコストアップの要
因になってしまいます。

新しい事務所では当社スタッフと登録翻訳者さんが一定期間共同で作業し、お
互いの品質目標レベル、翻訳スタイル、表記スタイルなどに対する認識を同じ
にし、今後の互いのメリットに繋げて行こうと思います。

また既にプロとして活躍中の翻訳者さんは独自の翻訳ノウハウや専門知識をお
持ちですので、可能であればご教授いただきたいとも思っています。

事務所のメンバーは定期的に交代する予定です。将来この計画に参加したい人
は仲谷まで連絡ください。
nakatani@transwd.com


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2. 翻訳しよう(荒井)
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クラシックの曲名について-2

音楽談義のつづき。

「眠れる森の美女(眠りの森の美女)」は、英語ではThe Sleeping Princess
(原題はおそらくフランス語)。「森の」を追加したセンスは良いと思うので
すが、眠っているのは森ではなく美女です。「森に眠る美女、森の眠り姫」な
どとしたらどうでしょう。

同じように「美しい水車小屋の娘」(シューベルト)でも「美しい」は「娘」
にかかります。英語ではThe Beautiful Maid of the Mill。「水車小屋の美し
い娘」とすれば一応解決しますけれど、接続「の」の使い方が無神経という気
がします。「水車小屋に住む美しい娘・可憐な少女」などが可能です。

「舞踏への勧誘」(ウェーバー)。正しいですが、ひびきが堅く荘重にすぎる
と思いませんか。楽しいワルツの音楽です。舞踏会で、「1曲踊ってくださ
い」というのを「勧誘」というでしょうか。原題はドイツ語だと思いますが、
英語ではInvitation to the Dance。「ダンス(あるいはワルツ)へのお誘
い・申し出」はどうでしょう。

以上いろいろと書きました私の持論は、酒の席で話を盛り上げるためのもの
で、結論は「一般に受け入れられている邦題を使うのがよい」です。勝手に
「自由射手」のようにはしないでください。


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3. 翻訳者日記#7(阿久根)
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「翻訳者の悩み - チェック業務 -」

みなさん、こんにちは。今回はチェック業務に関するものです。翻訳をしてい
る人は、恐らく他人の翻訳チェックを依頼されることもありますよね。私も、
例に漏れず、時々翻訳のチェック作業を依頼されます。もちろん、「翻訳者」
として仕事をしていますから、翻訳を依頼される方が嬉しいのですが、内容が
よくわかっている場合や難解でない英文の場合などは、都合さえ付けばお引き
受けするようにしています。

基本的にチェック作業は、単価が翻訳作業の数分の一です。誤訳の修正、誤字、
脱字のチェック、スタイルのチェックなどが仕事になりますから、単価が安い
のは当然と言えば当然です。実際、チェック作業では、「ん〜、この英文は間
違えやすいよな」とか「うまい訳だな」などと勉強になることもあります。と
ころが、反対に、とんでもない翻訳を目にすることもあります。「何故、こん
な翻訳者に頼むのだろう?」と思うような訳文を読むと、半分腹が立ちます。
高校生レベルの英文法も理解していない訳文や高校生が定期テストの英文和訳
問題で書きそうな訳文を目にすると、なんとも情けないような気にもなります。
どんなレベルの英文について話しているかわからないでしょうから、一つだけ
実際に見かけた誤訳をあげておきます。

英文:The beam function allows data to be sent by a PALM hand held 
computing device directly into the navigation system.
訳文:ビーム機能は計算装置を持った手のひらでデータをナビゲーションシス
テムに直接送信します。

この訳文を読んだとき、なんて便利な手のひらなんだろうと思いました。単純
にPALMという端末装置について知識がなかったのでしょうが、一応、翻訳
してお金をいただくわけですし、日本語の不自然さには気づかないといけない
のではないかと思います。

こうした訳文を数回目にすると、「チェックを引き受けた以上は、まともな品
質にしないといけないよな。チェックなんだけどなあ。」とブツブツ言いなが
ら、翻訳をやり直すことになります。

翻訳者にはさまざまなレベルの方がいらっしゃるという良い例かもしれません
が、修正箇所が異常に多い訳文を読んだ後は、色々と考えさせられます。


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4.リンクしよう  
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