メルマガ:【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-
タイトル:【トランスマガジン VOLUME 110】-翻訳会社が教えるプロの英語-  2004/02/20


============================== 6,971発行
【トランスマガジン】-翻訳会社が教えるプロの英語-   2004/02/20 第110号   
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 株式会社トランスワード
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 当マガジンは当社翻訳教室の生徒さんおよび登録翻訳者の方を主な対象にし
 翻訳実務に役立つ情報を定期的にお送りするものです。
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■もくじ■

1. お知らせ
2. 最近の翻訳業界 
3. 翻訳しよう
4. SOHOしよう
5. リンクしよう

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1. お知らせ 
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2. 最近の翻訳業界(仲谷)
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最近翻訳の仕事が減ってきている?

数年前から「翻訳の仕事量が減ってきている」という話をよく耳にします。

私は約20年にわたり翻訳業に携わって来ましたが、仕事量が減ってきていると
は思いません。変化があるとすれば翻訳の内容が変わってきたことでしょう。
そして翻訳を仕事にする人が増えて来て競争が激しくなってきていることで
しょう。

数年前までは海外の技術を日本に導入するための翻訳、つまり外国語から日本
語への翻訳が多くありました。しかし最近は日本の技術を海外に輸出するため
の日本語から英語への仕事が増えています。また昔は取扱い説明書等、比較的
易しい翻訳が多くありましたが、最近は高度な技術知識がないと太刀打ちでき
ない、技術的に難しい翻訳が増えています。

翻訳者の数が増えてきていることは長年翻訳業をやっている人たちにとって脅
威です。新人は仕事を獲得するために必死になって勉強し、かつ相場より安い
翻訳料でも喜んで引き受ける傾向があります。発注する側にとっては品質、コ
スト、そして納期を総合的に判断して発注先を決定します。もしあなたの仕事
量が減ってきているのならこれらの要素を再点検し、いっそうの競争力を付け
なくてはなりません。

翻訳業界もどんどん変化しています。これまでのやり方にとらわれず、ニーズ
にあった翻訳をする能力の開発と、翻訳者としての競争力を付ける努力を継続
しましょう。


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3. 翻訳しよう(荒井)
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安直な社内文書

「(当社は)世界各地に事業進出して、グローバルな展開を図る」。こういう
文書をご覧になることがあるでしょうか。企業の中で飛び交っている文書に、
こういうのがよくあります。「グローバル」と「世界各地」は同じことです。
別に、「世界各地、つまりA国、B国、C国といった諸国に進出して、そのそれ
ぞれからグローバルな事業展開を行う」というような、厳密な意味ではないの
です。

この文は、「(当社は)グローバルな事業展開を図る」というだけの意味で
す。むしろ「グローバル」というキーワードを入れること自体が目的なので
す。これを入れないと上司のOKが出ないのです。では、翻訳はどうしましょう
か。We will pursue global business development.です。これだと日本語の
分量より短すぎる感じがするなら、何か足してください。

例えばWe will develop our business on a global basis to promote our 
products throughout the world.などと。「製品」については原文にないので
すが、(この会社が製品の製造販売会社であれば)こんな風に補ってやると、
お客さんは喜びます。あるいは、We are global business players; we will 
go anywhere in the world for the expansion of business activities.でも
良いでしょう。つまり、端的に言って、テーマ(グローバルな事業展開)にか
らむ事項を適当に書けばよいのです。だって、それしか方法がありません。

ただしその際、英語が、それだけを取ってみて、とりあえず正しく、きちんと
したものであることが必要です。日本語原文がお笑いだからといって、英語の
翻訳もお笑いにしてはいけません。つまり、こういう翻訳では、原文と翻訳が
「等価」になりません。文学の翻訳者は、究極的に等価を目指す(らしい)の
ですが、企業社会では、(翻訳者のできる範囲で)原文を上回るものを書こう
という心構えが必要です。

このほか似たような例に、「負けたなら、負けたと認識せよ。それは敗北では
ない」(高踏な内容なのかもしれないが、表現が舌足らず。「1つの局面で負
けたなら、そう認識した上で次の手を打つ。決して事業全体<あるいは人生全
体>で敗北したわけではない」という意味でしょうか)。「QC管理の実効を挙
げ、品質管理に万全を期す」(「QC管理」は「QCサークル活動」という小単位
活動の誤記かもしれない)。「売上が落ち、減収減益となった」(半分だけダ
ブり)。

あるいは「一方通行のコミュニケーションを改め、意思疎通を改善して、二方
向相互の意思疎通を目指す」(これまで、社内の意思疎通が悪かった様子はよ
く分かる)。「給与体系の移行は、なめらかに行わず、段階的に少しずつ移行
していく」(「少しずつ」は省き、「なめらか(直線的)でなく段階的」と簡
潔に対比する方がよい。「段階的」は少しずつにきまっていて、大きく跳ぶこ
とを段階的と言わない。あるいは「階段式」がよい)。

結局こういう日本語を受け取ったときに、パニックに陥らないことが一番のポ
イントです。ただ、こういうときに「こんな文章を書く人間は、国語を知らな
い、いかにも低級の人間だろう」と想像しないでください。そうでないことが
多いです。


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4. SOHOしよう(神垣)
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「SOHOの役割」

英文や日本文の技術文書の翻訳とは少し異なりますが、ライターが本業の私も
翻訳を必要とされる場面があります。いかに発注者(主に経営者)の「想い」
を理解し、会社案内や販促物、サイトという目に見える形に表現するか──と
いう制作物を作り出す一連の作業がそれにあたります。

たとえば、経営者に会社の方針や経営理念を聞き、それを文章化するとき。ど
のような意図で会社を設立し、どのようなビジョンを持ち、どのようなサービ
スや商品を提供していくのか、取材を通して経営者の人となりを観察し、文章
を書く時はその経営者になりきって書きます。

発注者が思い描くイメージをひもとき、どのように印刷物やサイトに置き換え
ていけばターゲットにうまく伝わるか。発注者の「想い」をわかりやすく「翻
訳」し、制作物に反映していくことが私の役目だと思っています。

社内で手が足りないから、社内に専門家がいないから、外部の視点で社内業務
を見直したい、そんな要望から企業はSOHOに業務を外注します。ですから、受
注する側は依頼の目的を正しく理解し、求められる成果を出すのが役目です。
基本的なスキル、マナーはもちろんですが、スピード、融通やこ小回りの利く
対応、提案力は継続して仕事を獲得するためのポイントになります。

ただ、その役目は期限付きです。発注者が目的を達成すれば、SOHOの役目も終
わり。長くおつきあいできることに越したことはありませんが、期限を意識す
ることで、依存心が消え一回一回の仕事への真剣みが増してゆきます。

一外注といえど社員さん以上の働きをし、発注先に貢献する業績を残せたとし
たら最高! SOHO冥利に尽きるのではないでしょうか。それが自分自身の実績
と自信にもつながっていきます。


 当コーナーは今回が最終回となります。一年あまりお読みいただき、本当
 にありがとうございました。わずかでも読者の方からいただく感想はとて
 もうれしく、励みになりました。良い発表の場を与えてくださったトラン
 スワードの仲谷社長、編集をご担当いただいた同社の蔵本氏にこの場を借
 りてお礼申しあげます。               (神垣あゆみ)


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5.リンクしよう  
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