メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 727  2026/06/14


少女の性 第七百二十七部

「ナマコは・・・・・ほら、これ・・・・・どう思った?」
「味があるようなないような・・・・・少し苦いかも・・・・・・」
「これはもの凄く高価なものなんだよ。昔は薬になると思われていたんだって」
「これが???なんか・・・・・ごめんなさい。美味しくないかも・・・・」
「そうかも知れないな。美味しいかって言われると確かに美味しいってものじゃないね」
「良かった。でも、美味しくないわけじゃないの」
「うん、結衣ちゃんは正直に言ってくれたんだものね」
「たぶん、美味しくないって思うのは、私が子供だから」
「いやな気にさせちゃったのならごめんね」
「ううん、宏一さんは私にコース料理って言うのを教えたかっただけ。私のことを考えてくれて。だからイヤじゃない。でも、ちょっと残念」
「そうか、いやなら残しておいて。俺が食べるから」

宏一が言うと、結衣は半分以上残した。
それでも結衣は、次のアスパラと干し貝柱のあんかけも食べたし、次の点心3点も美味しそうに食べた。そして最後のご飯のチャーハンの蓮の葉包みはとても気に入ったようで、味も香りも大満足だった。そしてごま団子と杏仁豆腐が出てお終いとなった。

「結衣ちゃん、よくこれだけ食べられたね」
「美味しかったもの。ちょっと苦手なのもあったけど、だいたいは美味しかったし」
「一番気に入ったのはなあに?」
「チャーハン」
「だろうね」
「ごめんなさい」
「ううん、謝る話じゃないよ」
「宏一さんはどうだったの?」
「うん、昔からある老舗だけあって、味がちゃんとしてるし、値段相応の料理だったと思うよ。本当は豚バラ肉の柔らか煮も食べたかったんだけど、だいぶお腹も良くなってきたし、ここはこんなものかな?」
「もう食べられない。これ以上は無理。お腹いっぱい。こんなに食べたの、久しぶり」
「結衣ちゃんは食べ盛りなんだから、もっと食べるかと思ったのに」
「でも、今日のは多過ぎよ。次から次にずっと出てくるんだもの」
「そうか、何品出たかな?十品くらいかな」
「こんなにいろいろ食べたのも初めて」
「以前結衣ちゃんが奈緒子さんと来た時、奈緒子さんはコース料理を食べたいって言わなかったの?」
「言わなかったと思う・・・・・」
「そうか、それじゃ結衣ちゃんの好きなものを食べたかったんだね、きっと」

そう言うと結衣はちょっと下を向いた。

「どうしたの?」
「ううん、そうか、って思っただけ」
「奈緒子さんは結衣ちゃんが大好きだから」
「そう・・・・・・かな・・・・・」

結衣は照れ隠しなのか、下を向いたままだ。

「絶対そうだよ」
「あ、食べ終わったって言っておこ」

そう言うと結衣は奈緒子にお茶のカップのラインを送った。

「料理の写真、他にも撮ってたみたいだけど、それは送らないの?」
「帰ってから、ママが見たいっていったら見せるの」
「それが良いかもしれないね。どう?お腹、落ち着いてきた?」
「だいじょうぶ」
「了解。それじゃ、お茶を飲んだら出ようか」

時間は8時半を回ったので、そろそろ移動の準備をする時間だ。宏一は会計を済ませ、飲み物込みで3万円ほどを払うと外に出た。

「宏一さん、領収書、ある?」
「あるよ?」
「見せて」
「うん、これだけど・・・・・」

そう言って結衣に見せると、結衣はそれを自分の財布にしまった。

「どうしたの?」
「ママが持ってきなさいって。だから渡すの」
「良いのに、そんなことしなくても」
「ううん、ママに言われてるから」

そう言って結衣は返してくれなかった。

「それじゃ、これから後にかかるお金は全部俺が出すからね。それでおあいこだよ。良いね?」
「うん、わかった」

結衣はまだどんなホテルに泊まるのか知らないが、もちろんホテルの方がずっと高い。宏一は中華街を出たところでコンビニに寄って買い出しを済ませてタクシー乗り場に行ったが、結構並んでいる。少し待ってみたが、長距離になることを思い出したのでアプリで葉山までと入れて検索すると、送ってくれるタクシーが見つかった。直ぐ近くの場所に来るらしい。宏一はアプリの示す場所で結衣を乗せるとホテル名を告げて確認した。運転手によると、タクシーでも長距離を好む人と好まない人がいるそうで、葉山というのはちょうどその中間の距離らしい。
宏一はホテルに電話して中華街を出たことを告げると、フロントが了承した旨を告げてきた。

「結衣ちゃん、1時間ほど掛かるから、少し寝てても良いよ。どうせ途中は山の中だから」
「葉山ってどこ?」
「一言で言えば、横浜って三浦半島の付け根だろ?葉山は反対側なんだ」
「反対側・・・・・・・・」

結衣は考え込んだが、なんとか理解したらしい。ただ、そこから結衣はまた口数が少なくなり、雰囲気が暗くなっていった。そして何度も何かを言い掛けては止める。
そして30分ほど経ったとき、結衣はついにポツンと言った。

「ねぇ・・・・・」
「どうしたの?」
「今日は一人で寝て良い?」

とても小さい声だったので運転手には聞こえなかったろうが、結衣は確かにそう言った。ただ、声が小さかっただけでなく、何か大きな悩みがあるみたいで結衣の表情がとても暗い。

「わかったよ。そうしよう」
「ありがとう」
「でも結衣ちゃん、何か心配事があるんでしょ?」

結衣はコクンと頷いた。

「それで、俺に話を聞いて欲しかったんだよね?」

宏一がズバリというと、結衣はちょっと考えてからコクンと頷いた。

「それなら、部屋でゆっくり聞かせてもらうよ。安心して。結衣ちゃんはきっと大丈夫だから」

宏一は明らかに希望をいっただけだったが、結衣は反応した。

「ほんとう?」
「うん、そうだよ。だって、本人が解決する気になってるんだもの。心配ないよ」

結衣は少しつっかえたが再びコクンと頷いた。
やがて車は海岸に出た。夜とは言え、視界が一気に広がって海沿いに出たのははっきり分かった。すると車は速度を落とし、ホテルの玄関に入っていった。

車を降りた二人はフロントで受付した。素泊まりなのは既に通っているのでチェックインは簡単だ。結衣はホテルが思ったよりも小さかったのと、フロントのあるロビーの雰囲気が結衣の思い描いていた広くてたくさんの人が出たり入ったりしているのと余りにも違うのでちょっとびっくりした。
結衣は部屋に向かう途中、宏一に聞いた。

「こんなホテル、初めて見た」
「そうか、リゾートホテルだからかな。ちょっと雰囲気がホテルっぽくないかな?」
「どうしてここにしたの?」
「海の見えるホテルって言ってたでしょ?横浜から移動できる範囲の海の見えるホテルを探したらこのホテルになったんだ」
「宏一さんは泊まったことあるの?」
「ううん、ないよ。でも、個人で旅行代理店をやってる知り合いの紹介だからね。先ず間違いないよ。ほら、こっちみたいだよ。この部屋だ」

宏一は部屋に入ると電気を付けた。

「わー、広ーい」
「そうだね。凄いや。きっと、予約したのが当日だから安くなってたんだよ。なんせ俺も結衣ちゃんも6時間前まで泊まることすら知らなかったんだから」
「凄い・・・・・こんな部屋・・・・」

結衣は一瞬喜んだが、直ぐにまた暗くなる。

「それじゃ、先ずお風呂に入っておいでよ。俺はこっちでテレビ見てるから。ゆっくり入ってきて良いよ」

宏一はそう言ってクローゼットからナイトガウンを出して結衣に渡した。しかし、結衣は直ぐに戻ってきた。

「どうしたの?」
「よく分かんない。教えて」
「なんだい?」

宏一は洗面台を通り抜けると、シャワーブースとお風呂が別になっているタイプだった。宏一はバスタブと扉の外のジャグジーにお湯を出しながら言った。

「直ぐに入れるよ。ここでお風呂に入ったら、こっちに移動してシャワーを浴びながら身体を洗うタイプだね」
「ここはお風呂に入るだけ・・・・・」
「そう。たぶん、外の景色を見ながらお風呂に入るためじゃないかな?」

そう言って宏一がスクリーンを上げると夜の海が広がっており、漁り火が遠くにいくつか見えた。

「閉めて」
「ごめんね。こうやってお風呂に入ることもできるって話で、スクリーンを下げれば普通のお風呂だからね」
「これの方が良い」
「そりゃそうだね。ごめん。それじゃ、ゆっくり入っててごらん」

宏一がそう言ってバスルームを出ると、結衣は扉を閉めて服を脱いだ。下着類やソックスはもう買ってあるので不安はない。ただ、結衣は複雑な気持ちだった。宏一に相談したいのに、宏一に話してはいけない気がする。それに、彼がいる身としては宏一に身体を許すわけにもいかないのだ。

宏一と一緒に居たいのに一緒に居てはいけない、そんな複雑な想いが結衣の表情を曇らせていた。だから結衣は結構ゆっくりと時間を掛けてお風呂に入ってしまった。さっき宏一が上げたスクリーンは外のバルコニーを隔てていたが、もう一つ、バスルームの大きなガラスの壁の向こうに大きなカーテンが掛かっている。

結衣は最初何のカーテンなのか分からなかったが、やがて気が付いた。『このカーテンを開けるとリビングなんだ。壁全部がリビングと繋がってるんだ。リビングとの間はこのガラスで仕切られてて、カーテンで隠してるんだ』そこまでは分かったが、更に分からなくなった。

『でも、どうしてガラスの壁なんだろう?お風呂をリビングから眺めるの?なんのために?恋人同士が一緒にお風呂に入るのならガラスの壁にする必要はないのに。子供が入っているのを親が見るのかな?それなら親が一緒に入れば良いだけだし・・・・。女の子が入ってるのを男の人が見るの?でもなんのために?恋人の関係なら、お風呂に入っているのを見なくたって、ベッドで一緒なのに・・・・・』結衣はいくら考えてもこのガラスの壁の理由が分からなかった。ただ、シャワーブースは大きなシャワーと湯量で意外に気持ち良かった。

やがて結衣がナイトウェアに身を包んで出てくると、入れ替わりに宏一が入った。すれ違うときに見た結衣は、さすがに足が長いのでナイトガウンを着ても綺麗だ。そして宏一が出てくると結衣は聞いてみた。

「ねぇ、あれ、お風呂との間の壁でしょ?どうしてカーテンを掛けた壁なの?」
「たぶん、お風呂を使わないときにガラズ張りにして、部屋を広く見せるためじゃないかな?」
「そうか・・・・・・・」

何となく納得した。しかし、ガラスに囲まれているというのは、やはり気になる。結衣は思い気持ちが更に重くなる気がした。
宏一はコンビニで買い出したものを出しながらコーナーソファーに結衣を誘った。

「結衣ちゃん、こっちにおいでよ」

結衣は少し考えていたが、ゆっくりとコーナーソファーに座った。しかし、座った位置は宏一の隣ではなく、直角の位置だ。宏一は結衣のために買った飲み物やスイーツを出しながら言った。

「結衣ちゃんがやるべきことは、俺に結衣ちゃんの気持ちを正直に言うこと。結衣ちゃんがピンチなら力になりたいから。良いよね?」
「う・・・・ん・・・・・」

結衣は力なく答えた。

「それじゃ、どうして俺を誘ってくれたの?」

結衣はしばらく考え込んでいた。しかし、やがて小さな声で言った。

「宏一さんに相談したかった・・・・・のかな・・・」
「それは、奈緒子さんにじゃなくて、俺に相談したかったのは、心配掛けたくなかったから?」
「それもあるし・・・・・・・・・言いたくなかったのかも・・・・・よく分かんない」
「言えば奈緒子さんは心配するってこと?」
「たぶん・・・・・・そう・・・・・・ママはいつも私のこと、大切にしてくれるから。ちゃんと怒ってくれるし、口うるさく言ってくれるし・・・・・」
「そうか・・・・それは、よっぽど結衣ちゃんが困ってるんだね」

結衣ははっきりと大きく頷いた。

「それは、友達のこと?」

結衣はしばらく黙り込んだ。しかし、ここで声を掛けてはいけない。結衣が自分で決めて話さなければいけないターンなのだ。結衣は黙ったまま、もう永遠に話さないのかと思うくらい黙っていた。しかし、結衣の中ではいろんな言葉が渦巻いていただけで、言いたくないわけではなかった。
宏一もずっと黙っていた。ただ、飲み物とシュークリームを結衣の前に置くと、結衣は小さく頷いた。そして、それからしばらく黙っていたが、やがて小さな声で言った。

「彼氏のこと・・・・・」

宏一はまだ黙っていた、次の言葉が出るかもしれなかったからだ。やがて結衣はもう一度言った。

「彼氏のことなの・・・・・」
「彼氏のことか。結衣ちゃん、もしかして辛い目に遭った?」

結衣は大きく首を振った。

「よかった」

宏一は心から安心した。以前に結衣がボロボロになった過去があるだけに、結衣にはもう二度とあんな思いはしてほしくないからだ。

「もう一度聞くよ。結衣ちゃんは辛い思いはしてないんだね?」

結衣はゆっくりと頷いた。

「分かった。それじゃ、どんなことがあったのか、ゆっくり、少しずつ教えてくれる?断片的でも話が前後しても構わない。結衣ちゃんが言いやすいように話してちょうだい」

すると、結衣は覚悟を決めたのか、少しずつ話し始めた。

「・・・・・・・どうして良いのか、分からなくなっちゃって・・・・。彼氏ができたの。やっと・・・・・・・・・でも・・・・・・・・上手くいかないの・・・・・・何を言えば良いのか・・・・・・・・分からない・・・・・」
「わからなくなったんだ・・・・・・・・」
「私から言ったの・・・・・・・・付き合ってって。その時は直ぐにOKしてくれたの・・・・・・でも、それから・・・・・・・」

宏一は取り敢えず以前のようなことではないので安心した。後は結衣に寄り添って話を聞くことが大切だ。

「上手くいかないって言うけど、結衣ちゃんは凄く落ち込んでるように見えるんだ。どうしてそんなに落ち込んでるのか、少しずつでいいから話してみて」
「それは・・・・・せっかく彼女になったのに・・・・・・また・・・・・」
「ねぇ、どうしてその彼のことが好きになったの?以前から知ってた?」

結衣はコクンと頷いた。

「それで、最初はどうやって知り合ったの?前から友達だった?」
「知ってたけど・・・・・よく分からなくて・・・・・・友達も知り合いじゃないって言うし・・・・・・それで・・・・・」
「どうしたの?」
「紹介してもらったの」
「でも友達にも彼の知り合いはいなかったんでしょ?」
「だから友達の友達・・・・・・その子に紹介してもらった・・・・」
「ふうん、そうなんだ・・・・・・・」

そこからの結衣の話を要約すると、やっとつてをたどって紹介してもらってからは、結衣はまめに会ったりラインをやりとりしたりを繰り返し、やがて二人で会うまでになったそうだ。結衣は彼女になりたくて頑張ったらしい。そして、5回目で結衣から告白して彼女になったそうだ。しかし、そこから彼は冷たくなり、結衣に会ってくれなくなったそうだ。

結衣は何度もラインを送ったが、既読にはなるし返事も来るが、会いたいという希望は叶えてくれなくなったらしい。



つづく

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