メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 725  2026/05/31


少女の性 第七百二十五部

渋谷駅に付いた時点で既に10時を回っていたが、オープンは11時からなので一度店の位置を確認してから時間を潰すことにして店の前にいく。道玄坂を上がり始めの左側のビルのB2なのでわかりやすい。ただ、驚いたことにまだ開店までまだ30分以上あるのに何人もの人が店の前で待っていた。さすが道玄坂だと思い直し、そのまま宏一も店の前で待つことにした。

そして時間になって店に入ると中はかなり広めだ。ここはインド料理の店なので鶏肉が主体になるが、羊肉もあるしサラダやタンドリーチキンの他にインド天ぷらのパコラを頼んで更にラムのキーマカレーとナンを頼み、のんびりと摘まみながら昼飲みを楽しむ。

宏一自身も意外だったのだが、結構するするとお腹に入っていって正午を回った頃には途中で追加を頼む羽目になった。この頃になると昼食目的の客がかなり増えて店内はぎっしりだ。

すると、珍しいことに結衣から連絡が入った。結衣は旅行を除くと基本的には結衣の家でしか会ったことがないが、外で会いたいという。時間は3時を指定してきた。
結衣と会うのなら酒ばかり飲むわけにもいかないので、ここで酒を切り上げることにする。宏一は良い昼のみの場所を見つけたと気に入っていたので短時間で出るのは少し残念だったが、まさか酒臭い息で会うわけにも行かない。宏一はあわてて全て食べ尽くすと、後ろ髪を引かれる思いで店を出て、まっすぐ部屋に戻ってシャワーをきっちり浴びた。

結衣が指定してきた場所は新宿だったので、部屋に戻ってシャワーを浴びて酒を抜き、支度をして出たらほとんど時間通りだった。改札で待つと結衣が直ぐに現れた。

「結衣ちゃん、こんにちは」
「こんにちは・・・」

結衣は少し元気のない表情で現れた。どうやら宏一に会いたくて仕方ないという雰囲気ではなさそうだ。しかし、今日の結衣は制服ではなく薄いブルーの半袖のブラウスに水色のミニスカートと言う軽快な姿だ。結衣のように足が長いとミニスカートがとても大人っぽくてよく似合う。

「お家じゃない場所で会うのは初めてだよね。おっと、伊豆の温泉は別だけど」
「ごめんなさい。迷惑だった?」
「まさか。結衣ちゃんに久しぶりに会えるんだもの。迷惑なんてあるはずないさ」
「よかった」

結衣は明らかにホッとした表情を見せた。

「取り敢えず、どこかに入ろうか?」

宏一はきっと結衣が何か話があるのだと思ってそう言ったが、結衣の返事は違っていた。

「行きたいところがあるの」
「そう、いいよ。どこなの?」
「渋谷なんだけど・・・・マルキューの近く」
「わかった」

宏一たちは改札を入ると渋谷に向かった。

「結衣ちゃん、学生さんたちは今はイチマルキューって呼ぶんじゃないの?」
「そうなの?私達はマルキューだけど・・・・・」
「ごめん、変なこと聞いちゃったね。それで今日は買い物かな?」
「買い物はそうなんだけど・・・・・」

結衣は言葉を濁した。言おうかどうしようか迷っている感じだ。

「何か俺に買って欲しいものがあるとか?・・・・な訳ないか」

結衣の父親は実業家で市会議員だ。結衣がお金に困っているとは思えない。

「それはそれで嬉しいけど・・・・・・」
「ねぇ、聞いても良い?買いたいものってなあに?」
「アクセサリー」
「へぇ、アクセサリーってことは。俺の出る幕はないね。もし、俺が買ってもいいのならプレゼントさせてよ」
「ありがとう」
「それで、買ってからは次は何する?」
「決めてない」
「そう。それじゃ、先ず買い物だね」
「うん・・・・・・・・」

宏一の記憶では、確か結衣は狙った相手に告ったはずで、たぶん上手くいっているのだと思っていた。実際、洋恵も香奈も何も言っていなかった。

「今日は彼とデートじゃなかったの?俺なんかでいいの?」
「・・・・・・・後で話すから・・・・・宏一さんに会いたかったの」

結衣は深刻な話をするような表情で言った。宏一は、結衣が自分から話すまでは特に問い質さないつもりだ。

「分かった。それじゃ、今日は何時まで一緒に居られるの?夜は奈緒子さんと一緒にご飯なんでしょ?」
「ママは今日は遅いの。選挙事務所で手伝いだって。だから・・・・・」
「へぇ、まだ選挙なんてずっと先だと思うけど、そんなに忙しいんだ」
「講演会の人達との話とか、いろいろあるみたい」

宏一はだんだん不穏な雰囲気が漂ってきたことに戸惑っていた。土曜の昼にちょっとデート気分で遊びに出て夕方にはお終い、と思っていたのだが、どうやらそんな雰囲気ではなさそうだ。

「それじゃ、とにかく買い物を済ませよう。後はそれからだね」
「はい」

結衣はそう言うと、気持ちを切替えたみたいで少しだけ明るい表情になった。JRを降りてマルキューに付くと、結衣はさっさと目的の店に行った。それは小さな店で結衣と同じ年頃の少女がたくさん来ている。結衣はしばらく見て宏一を呼んだ。

「どうしたの?」
「これと、これ。どっちが良いと思う?」

それは髪飾りの一種で、小さい金属製のものと、かなり大きな可愛い樹脂製のものだった。

「俺はよく分かんないけど、値段からしてこっちのメタルの奴は結構ちゃんとしたものらしいから、俺としてはこっちの方を奨めるな」
「それじゃ、これにする」
「良かったらプレゼントさせてくれない?」
「え?いいの?」
「もちろん。受け取ってくれると嬉しいんだけど?」
「ありがとう。買って貰えるなんて嬉しい」

結衣は初めてニッコリ笑った。カウンターで宏一がお金を払うと結衣は、店員の一人に話して箱と包装を外すと、自分の髪に付けた。店の小さな鏡で確認すると、再びニコニコした。

「ありがとう。買ってもらっちゃった」
「でも、結衣ちゃんの家はお金持ちだから、買おうと思えば買えるのに、プレゼントさせてくれて俺の方が嬉しいよ」
「ウチはママが結構お金には厳しくて、ちゃんと説明しないと買って貰えないの」
「そうなんだ」
「それじゃ、宏一さん、行きましょう」

結衣はニコニコして宏一を伴って店を出た。

「それじゃ、どこかで一息入れようよ。結衣ちゃん、知ってる店、ある?」
「うん、あるけど・・・・・ちょっと離れてるかもしれない・・・・・」
「結衣ちゃんさえ良ければ、どのお店でも良いよ。俺が探した方が良ければ探すし」
「ううん、だいじょうぶ」

結衣はそう言うと宏一と歩き始め、それでも結構歩いて一軒の店に着いた。

「ここ」

結衣は宏一を伴って店に入った。

「前はパンケーキのお店だったよね?ここもそう?」
「ううん、ここは違う。クレープの店」

結衣が選んだ店はかなり可愛らしい感じの店でテーブルには赤と白のタータンチェックのカバーが掛かっている。

「クレープか。良いね」

二人は着席すると黒板に書いてあるメニューを見た。

「バターと砂糖のクレープが美味しいみたい」
「そうなんだ。バターと砂糖だけってシンプルなのに人気があるってことは、よっぽど美味しいんだね」
「そうだけど、味はインスタじゃ分からないから・・・・・」
「そうだね。すると、結衣ちゃんは食べたことないの?」
「そう。インスタ映えしないから・・・・・」
「そうか。それじゃ、こう言う時こそ食べてみないと」
「そうね・・・・・・・・・」

結衣は自分で言い出したことなのに乗り気で無いのか、少し元気がない。宏一は黙っているつもりだったが、軽く水を向けてみることにした。

「ねぇ結衣ちゃん」
「はい」
「なんか、元気がないように見えるんだけど、気のせいかな?」
「・・・・・・・・・・それは・・・・」
「良かったら話してみない?それとも、ここじゃ話し難い?」
「・・・・・・・・・ここで?」

やはり結衣は何か元気が無い理由があるようだ。

「どうしようか?ここでゆっくりするのがいやなら結衣ちゃんの家に行っても良いし」
「家はいや」
「どうしたの?奈緒子さんと喧嘩でもした?」
「そうじゃないけど・・・・・家では話したくない」
「そうか・・・・・・」
「ねぇ、どこかに連れてって?」
「どこか?どこかって、どんなところが良いの?」
「遠いところ」

宏一は驚いた。まさか結衣からそんな言葉を聞くとは思っても見なかったからだ。遠出するとなると中学生の結衣には大ごとだ。しかし、考えてみれば結衣の言う『遠いところ』とはどれくらい遠くなのか分からない。

「ねぇ、遠い所って、例えばどんなところ?」
「それは・・・・・・立川とか・・・・大宮とか・・・・横浜とか・・・鎌倉・・・・・・」
「でも、今から行くと帰ってきたら夜になっちゃうよ」
「帰らなくてもいいかも・・・・・明日の朝でも・・・・・・」

結衣は平気で外泊を口にした。どうやら、それだけ事態が深刻だということらしい。

「結衣ちゃん、お泊まりの支度してないでしょ?それに、奈緒子さんに言ってあるの?」「それはないけど・・・・・・」
「そのまま行ったら奈緒子さん、心配するでしょ?」
「そう・・・だとおもう・・・・」
「それはやっぱり拙いよね」
「そう・・・・・・」

結衣の表情がどんどん暗くなっていく。宏一は見て居て可愛そうになってきた。

「俺が奈緒子さんに聞いてみようか?」
「う・・・・ん・・・・・どうしようかな・・・・・・」
「俺が聞いちゃだめ?」
「ううん、外で泊まるときは、きちんと私から言わないと・・・・私、聞いてみる」

そう言うと結衣は電話を掛けに席を離れた。すると、2分もしないうちに戻って来たので宏一は意外だった。

「どうだった?」
「宏一さんと一緒だっていったら、泊まっても良いって」

結衣は明らかにホッとした感じで明るい表情をしている。そして直ぐに宏一に奈緒子から電話がかかってきた。宏一が離席して外で電話を受けた。

「三谷さん、ごめんなさいね」
「いや、良いですけど、突然なんでちょっとびっくりしましたよ」
「あの子、このところ落ち込んでて、元気がなくて。聞いても答えないし。私には言いたくないみたいで。急な話でびっくりさせましたけど、よろしくお願いします。話を聞いてやってください。明日の昼までに返してもらえば良いですから」
「はい、分かりました。それじゃ、明日までお借りしますね」
「もう、あの子には驚かされてばっかり。年頃残って、本当に難しい。三谷さん、この次は、私の方もよろしくお願いしますね?結衣には先を越されちゃったけど、私だって結衣と同じことしたいんですから」

そう言って奈緒子は明るく笑った。

「そうですね。でも、結衣ちゃん、そう言う楽しい感じじゃないみたいなんですけど・・・・暗いし」
「そうなの。このところ、ずっとそうなんです。とにかく一晩、結衣と一緒に過ごしてください。お願いします。三谷さんならお任せできますから」
「奈緒子さんも心配が尽きないですね」
「全く。私の時よりずっと複雑みたいなんです。とにかくよろしくお願いします」
そう言って奈緒子は切った。宏一が戻ると、直ぐに結衣が聞いてきた。
「何て言ってた?」
「うん、心配してた。でも一緒に過ごしてあげてくださいって言われた。最近、ちょっと暗くて心配してたんだって」
「そうだったんだ・・・・・やっぱり・・・・・」

「帰ったら、ちゃんと奈緒子さんに、急に泊まりたいって言ったのに許してくれてありがとう、って言うんだよ?奈緒子さんだって心配なのを、俺に結衣ちゃんを預けてくれたんだから」
「はい」
「良いお母さんじゃないの」
「うん。私みたいな子をちゃんと見てくれてるの。それは、感謝してる」
「よく言った。偉いよ。それじゃ、この後の計画を練ろうか」
「はい」

結衣はホッとしたのと嬉しいのとで一気に明るくなった。

「ねぇ、それじゃ、どこに行くか、どこに行ったら結衣ちゃんがもっと元気になるか、考えてごらんよ。せっかくもらった貴重なチャンスなんだから、最大限にしないともったいないよ」
「そう・・・・・そうね・・・・・・」
「どこにいきたい?」

結衣はしばらく考えていたが、ポツリと言った。

「海が見えるところがいい」
「海が見えるところならどこでも良い?どんな海でもいい?例えば横浜だと海は見えるけど発展してる都会だし、対岸に千葉があるよ。中華街とかあるからご飯を食べるのは楽しいだろうけどね」
「そうか・・・・・・・ちょっと待って」

またしばらく結衣は考えた。

「一ヶ所だけ?」
「え?」
「行っていいのは一ヶ所だけ?」
「そんなことはないけど、この時間だから、これからだと移動も含めて夕ご飯を食べて、それからホテルに行って、って二ヶ所が良いところかな」
「それじゃ、二ヶ所にする。夕ご飯は中華街。それからは太平洋が見えるところがいい」
「太平洋が見えれば良いんだね?」
「そう」

「ホテルはどんなところでもいい?」
「わかんない・・・・・・」
「そうか。結衣ちゃんはビジネスホテルやシディホテルなんてわかんないものね」
「宏一さんが探して」
「わかった」
「ちょっと待っててね」

そう言うと宏一は席を離れていつもの知り合いに電話を掛けた。

「おやおや、三谷さん、こんな時間に珍しいお客さんだ。どうしたの?」
「いつもいつも急で申し訳ないんだけどさ」
「いやいや、大歓迎ですよ」
「今日のホテル。ダブルで太平洋が見える海辺のホテルで」
「ふむふむ。で夕食は?」
「中華街で食べたいんだけど、そっちで取れる?」
「クーポンを扱ってる店なら取れるけど、それで良いの?ちょっと割高かも」
「ううん、良いよ。席が確実に取れるなら」
「それはOKだよ。6時に2名で良いかな?」
「うん、どんなお店なの?」
「ちゃんとした店だよ。名前は通ってるところばっかり」
「それじゃ、お任せするよ。コースで楽しめる店なら」
「いくらのコースにする?1万2千円でいい?」
「そうだなぁ、その上ってあるの?」
「もちろん、八千円、1万2千円、1万8千円てあるけど?」
「それなら1万2千円にしてよ」
「分かった。二人だね」
「うん」


つづく

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