メルマガ:仮想力線電磁気学
タイトル:仮想力線電磁気学  2025/10/11


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 N┃→       仮想力線電磁気学
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●反エコ(環境)ファッショ特集 号外

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前回同様、他のメルマガ(サマータイム制導入に反対する)の流用
記事での代用です。
体調が戻るまで、どうか御了承願います。

なお、今回のレイアウトは、原文のそれのままで掲載します。
どうかご了承願います。

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【サマータイム制導入に反対する】 特別号外 p0004


◆「真珠湾攻撃は誤爆だった」説 第4回◆

 今回は、前回予告した通り、映画の題名にもなっている「トラ、
 トラ、トラ」という暗号について考察してみようと思います。
 この暗号に対する従来の解読(結果)は、定説(故意説)の正し
 さを証明する動かぬ証拠とされてきました。
 ですが、これは裏を返せば、従来の解読が間違っていたのであれ
 ば、定説は完全に根拠を失うということでもあるのです。
 実際、従来の解読は、全く英語文化圏的な解釈でしかなく、戦前
 日本人の感覚には全くそぐわないものであり、しかも奇襲攻撃を
 しようとしている側に立ってみると、その送信からして全くおか
 しなものになっているのです。
 つまり、映画を鑑賞している人にしか納得がいかないものになっ
 ているのです。
 今回は、こうした実態を暴き、故意説にトドメを刺そうと思いま
 す。


◆ボイスレコーダーは搭載されていたのか?

 私は、以前、それも長年、「トラ、トラ、トラ」のことを「奇襲
 成功」という意味の暗号なのだと思っていました。
 劇中の淵田隊長のこのセリフ、「我、奇襲に成功せり。トラ、ト
 ラ、トラやっ!」に圧倒されてしまったからです。
 実際、このセリフは、強い印象を受け手に与えると思います。
 おまけに、この場面をものすごく盛り上げてくれるものです。

 ですが、それだけに、今になってみると、「これは、場面を盛り
 上げるための演出のために創作されたものなのではないか?」と
 思えてならないのです。
 映画やTVドラマなどでは、よくあることですからね。

 はたして、このセリフが本当に口にされたものであるということ
 を証明する直接的な証拠はあるのでしょうか?
 録音はあるのでしょうか?
 ボイスレコーダーとかが搭載されていたとは、とても思えないの
 ですが、どうなのでしょうか?

 もし録音が無いのなら、良くてせいぜい伝聞でしかないでしょう。
 ならば、絶対視する必要など無いはずです。


◆まだ攻撃が始まっていないのに奇襲成功?

 実際、このセリフには腑に落ちないところがあります。
 なぜなら、このセリフが出てくるシーンでは、攻撃はまだ始まっ
 ていないからです。
 まぁ、突撃命令とやらは出ていることになっているのですけれど
 ね。
 でも、攻撃はまだ始まっていないのです。
 ですから、まだ何の成果も挙げていないのです。
 なのに、「(奇襲)成功」だなんて、ちょっとお目出たすぎやし
 ませんか?

 普通、何らかの成果をある程度挙げてから言うものでしょう。
 「成功」という言葉は。
 これで、もし、敵の待ち伏せにあい、返り討ちにでもされたら、
 大恥かいちゃいますよ。
 なのに、随分と軽い…。
 淵田隊長は、完全に「十二歳の少年」扱いされているのです。
 これって、淵田隊長に対する侮辱になるのではありませんか?

 「○○地点(域)、通過」とか「○○段階、経過」ぐらいが普通
 でしょう。
 「成功」は、やはり、不自然です。
 ならば、「トラ、トラ、トラ」の意味は「奇襲成功」ではないこ
 とになるはずです。
 

◆送信しなければならないことなのか?

 それに、まだ攻撃も始まっていない段階で「奇襲成功」というこ
 とを送信する必要があるのでしょうか?
 誰が、そんな情報を必要とするのでしょうか?
 それを考えると、ますますおかしいと言わざるを得ないのです。

 というのも、奇襲攻撃前の送信は、奇襲攻撃を感づかれるおそれ
 のある行為になるからです。
 つまり、もし通信を傍受・盗聴されていたとしたら、「日本は何
 かをしでかそうとしているぞ」と悟られてしまうかもしれないか
 らです。
 ですから、奇襲攻撃の場合、攻撃が始まる前の送信は、出来るだ
 けしない方がいいのです。
 本当に必要な送信だけに限るべきなのです。

 では、攻撃が始まってもいない段階での「奇襲成功」は、どうし
 ても送信しなければならないことでしょうか?
 常識的に考えれば、答えは「ノー」でしょう。
 だから、「奇襲成功」送信は不自然だと言っているのです。


◆奇襲攻撃をしようとしている側から考えるべき

 このように、奇襲攻撃をしようとしている側からみると、定説は
 おかしなことだらけなのです。
 それに気付かないのは、『奇襲攻撃をしようとしている側からみ
 る』ということを全くしてこなかったからでしょう。
 これは、文化人の怠慢としか言いようがありません。

 「相手の立場で考えよ」と説教する連中がいますが、そういう連
 中に限って、奇襲攻撃しようとしている側の立場で考えようとは
 しないものなのです。


◆攻撃を十分イメージさせる暗号

 奇襲攻撃しようとしている側に立って考えると、「トラ、トラ、
 トラ」という暗号もおかしいと言わざるを得ません。
 なぜなら、この暗号は、相手に攻撃を十分にイメージさせる言語
 表現が使われているものになってしまっているからです。

 まず「トラ」ですが、これは単純に受け取れば、「虎」すなわち
 「Tiger」ということになるでしょう。
 米国人にとって(も)、虎は、獰猛(どうもう)な肉食獣のはず
 です。
 ですから、攻撃を十分にイメージさせる表現になるはずです。
 そんな表現を、攻撃前に送信する暗号に使うなんて、バカとしか
 言いようがないではありませんか?

 「ニイタカヤマノボレ」などと比較してみて下さい。
 暗号としてのセンスが無さ過ぎでしょう。
 これでは、奇襲攻撃のことを相手に教えているようなものです。


◆三回連呼は煽ったり急(せ)かしたりする時の表現

 さらに問題なのは、その「トラ」を「トラ、トラ、トラ」と三回
 連呼する暗号になっていることです。
 英会話に詳しい人なら、こんな暗号使用には絶対に反対するはず
 です。
 なぜなら、英会話の世界では、同じ言葉を三回連呼するのは、何
 かを煽ったり、急かしたりする時の表現になるからです。

 たとえば、「メイデイ、メイデイ、メイデイ!」なんかがそうで
 すね。
 これは、飛行機に異常が生じて緊急事態になった時にパイロット
 が管制官に送信する信号です。
 御存知の方も多いのではないでしょうか。

 それから、潜水艦が急いで潜水しなければならなくなった時には、
 全乗組員に命令を伝える人が「ダイブ、ダイブ、ダイブ!」と言
 いますね。

 一方、軍用機などの発進や出撃を促す時は、「○○(軍用機など
 の名前)、ゴー、ゴー、ゴー!」と言ったりします、

 このように、英語圏では、同じ言葉を三回連呼するのは、煽った
 り、急かしたりする時なのです。
 ですから、「トラ、トラ、トラ」は、「奇襲攻撃、Go、Go、
 Go!」の意味にとられてしまう可能性が極めて大なのです。

 そんな暗号を、まだ攻撃が始まる前の段階で送信させるなんて、
 日本海軍は余程のバカであるとしか言いようが無くなってしまう
 のです。
 これでは、「米軍さん、早く奇襲攻撃に気付いて下さい!」とお
 願いしているようなものです。
 わざわざ奇襲攻撃に気付きやすくなるような表現を用いた暗号を
 使わせているのですからね。

 このように、「奇襲成功」という解読だけでなく、語感も奇襲攻
 撃前用の暗号としては全然納得がいかないものなのです。
 ということは、解読だけでなく、奇襲攻撃をしようとしていたと
 いうことからして全くの作り話だったということでしょう。
 「我、奇襲に成功せり…」というセリフも、全くの創作だったと
 しか考えられないのです。


◆あまりに英語文化圏的すぎる解読

 「奇襲成功」という解読は、映画のあのシーンを盛り上げるのに
 はピッタリなのかもしれません。
 また、「奇襲攻撃、Go、Go、Go!」という解読は、極めて
 英語文化圏的な解釈(『読』の誤字ではありません。念のため。)
 であり、英語圏の人や英語かぶれのニッポン人には自然なものに
 感じられるのかもしれません。

 ですが、この暗号を使用したのは、戦前の日本人です。
 ですから、ここから先は、戦前の日本人の言語感覚で解読してみ
 ようと思います。


◆危険なもの

 まず「トラ」の意味ですが、これは単純に『虎』で良いでしょう。
 むしろ問題は、『虎』が何を表しているのか(何のたとえなのか)
 ということです。

 『虎』は、日本人にとっても恐い存在だったはずです。
 『虎穴に入らずんば、虎子を得ず』という諺(ことわざ)があり
 ますでしょう。
 ま、もともとは中国の諺だったようですが、日本でもお馴染みの
 諺だったはずです。
 で、やはり、危険なものの象徴となっています。
 また、今でも「あの人は酒を飲むと、虎になる」という言い方を
 します。
 ですから、『トラ』は恐いもの、危険なものを意味しているとみ
 て良いと思います。


◆外国のもの

 さらに、もう一つ、気付かなければならないことがあります。
 それは、虎は日本の自然界に棲息しない生き物であるということ
 です。
 加藤清正の虎退治の話は、朝鮮出兵の時の話だそうです。
 ですから、虎は外国の生き物となるわけです。
 つまり、「トラ」は、外国のものを意味していると考えられるわ
 けです。

 以上のことから、「トラ」は『外国の危険なもの』と考えられる
 のです。


◆数や頻度の多さを表す少々暗い表現

 では、三回連呼は、どうでしょうか?
 それは、数や頻度の多さを表すと考えられます。
 たとえば、行楽日和で、どこも人でいっぱいの時、「どこへ行っ
 ても、人、人、人である」といった表現をしますでしょう。

 また、田舎をドライブしていて景色に退屈した時、「どこまで行
 っても、山、山、山だ」といった表現をしませんか?
 大抵、あまり嬉しくない時に使う表現ですよね。
 「○○ばかり」とか「○○だらけ」といった感じが込められた表
 現です。

 というわけで、「トラ、トラ、トラ」は、「トラが沢山」とか、
 「トラだらけ」という意味にとれるわけです。
 以上のことから、「トラ、トラ、トラ」は、「危険な外国のもの
 がいっぱい」とか、「外国の危険なものだらけ」といった意味に
 とれるわけです。


◆「トラ」はハワイの米軍のことだった

 では、「危険な外国のものがいっぱい」とは、具体的にどういう
 意味なのでしょうか?
 「危険な外国のもの」とは、何?

 それは、その時の航空部隊の立場になって考えると、よくわかり
 ます。
 航空部隊は、ハワイ上空にいたのです。
 ということは、いつ米軍に要撃・迎撃されてもおかしくない空域
 にいたということでしょう。
 そんな航空部隊にとって「危険な外国のもの」といえば、ハワイ
 の米軍でしょう。
 つまり、「米軍がいっぱい」、「米軍だらけ」だったわけです。


◆「危険空域に入った」が正解

 以上のことがわかれば、正解もわかるはずです。
 つまり、「トラ、トラ、トラ」の本当の意味は、「危険空域に入
 った」という意味だったのです。
 先ほど挙げた諺「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」で言えば、ま
 さしく「虎穴に入った」ということなのです。
 ならば、「トラ」すなわち「危険な外国のもの」がいっぱいなの
 は当然でしょう。

 場面と、暗号を送信している人たちの立場とを考えれば、この解
 読に矛盾は無いはずです。


◆牽制説に相性ピッタリな暗号

 こうしてみると、この新しい解読結果は、牽制説(誤爆説)に相
 性ピッタリなものであることがわかるでしょう。

 日本軍の司令部は、航空部隊に攻撃させる気が無かった。
 航空部隊は、牽制作戦をさせられていた。
 そして、いつ米軍から要撃・迎撃されるかわからない空域に入っ
 た。
 眼下には、危険な存在となる米軍が、わんさかいる。
 なので、そのことを意味する暗号=「トラ、トラ、トラ」を送信
 したのです。

 ちなみに、この「トラ、トラ、トラ」は、米国人には危機感を抱
 かせる効果が期待できます。(先ほど述べたように。)
 ですから、牽制の効果が高まることになるわけです。

 こうしてみると、ものすごくよく考えられた暗号であったことが
 わかるでしょう。
 ある意味、「ニイタカヤマノボレ」よりも暗号センスに長けた暗
 号であるとさえ言えるほどなのです。

 以上のことがわかれば、牽制説が暗号の問題からも正しいという
 ことがわかると思います。
 「トラ、トラ、トラ」暗号送信は、牽制説ではプラスとなること
 になりますし、故意説では(既に指摘したように)マイナスにし
 かならないことなのです。
 ならば、どちらが正しいかは明白なのではありませんか?


◆「トラ、トラ、トラ」送信時までは作戦通りだった

 さて、「トラ、トラ、トラ」の意味が「危険空域に入った」の意
 味なら、これを送信した時点までは、牽制作戦は順調に進んでい
 たということになりますよね。
 で、問題は、この後です。
 この後、何かが起こったのです。
 司令部が全く想定していなかった何かが…。
 それにより、航空部隊は誤爆へと暴走してしまったのです。
 おそらく、そのことを知った南雲長官や山本五十六、東條英樹は
 真っ青になったことでしょう。
 『取り返しのつかないことになってしまった』と。

 それはともかく、では、何が起きたのでしょうか?
 何が航空部隊を誤爆へと暴走させたのでしょうか?

 それを推理するためには、航空部隊の人たちの心理を考えるのが
 一番であるはずです。


◆かなりの緊張状態だったはず

 まず考えられるのは、航空部隊の人たちが、かなりの緊張状態に
 あったであろうということです。
 いつ米軍から要撃・迎撃されるかわからない空域にいるのですか
 ら。
 しかも、こちらからは攻撃できない。
 本部からの新たな命令(攻撃命令)があるまでは。
 ならば、かなりの緊張状態であったとしても、少しも不思議では
 ないでしょう。

 で、緊張状態にある時は、暴走しやすい状態になっているもので
 す。
 とてもピリピリとした状態になっているでしょうからね。
 一般市民の場合ですと、ちょっとしたことで暴動やパニックが起
 きやすくなっている状態です。
 余裕が無くなり、冷静さが期待できなくなる状態です。
 ナーバス(神経質)にもなる。
 ですから、危険な状態にあったことは事実なのです。


◆トリガーが必要

 ですが、航空部隊の人たちは、そんなことだけで暴走するような
 精神力の弱い人たちではなかったはずです。
 誤爆に暴走してしまったのは、誤爆に導くようなトリガー(引き
 金)や導火線となることがあったからです。

 というか、誤爆は暴走だったのではなかったのです。
 「暴走」という言い方は、牽制作戦を支持する者の立場での表現
 にすぎません。
 さらに、「誤爆」についてでさえ、そうです。
 真珠湾を攻撃した航空部隊の人たちは、中央からの命令を忠実に
 実行した気になっていた可能性が極めて高いのです。
 全ては、トリガー(となったこと)のせいなのです。


◆航空部隊が待っていたもの

 では、トリガーとなったのは、一体、何だったのでしょうか?
 それを推理するには、航空部隊の人たちの心理を、さらに読んで
 みるのが一番です。

 彼らは、危険空域にいました。
 そのような場合、何かを待つはずです。
 それは、中央からの指示です。
 『これからどうすれば(どう行動すれば)良いのか』を教えてく
 れる命令です。
 それを待っていたのです。

 そんな心理状態になっている人たちを『確実に』攻撃に走らせる
 ことができるものといったら、一体、何でしょうか?
 それは、「これは本部から我々に下された命令だ」と航空部隊の
 人たちが思い込んでしまうような攻撃命令の無線通信ではありま
 せんか?
 それ以上のものは、まず考えられないでしょう。

 でも、本部からは、そんな無線通信は送信されていないはずです。
 そんなことをしたら、勝利の方程式たる『避米排英戦略』が台無
 しになってしまうからです。

 では、誰(どこ)が送信したのでしょうか?
 これには、複数の可能性が考えられます。
 そうした話は、第6回以降にする予定です。
 それまで、どうかお待ち下さいませ。

            * * *

 次回、第5回は、全く別の観点から、故意説はあり得ず、牽制説
 しかあり得ないことを示したいと思います。
 と同時に、航空部隊が誤爆に暴走したのは、謎の怪電波のせいで
 ある可能性が高いことを、極めて間接的な証拠ではあるが物理学
 的証拠ではある証拠を示すことで論じてみたいと思います。
 題材となるのは、水中からの奇襲攻撃部隊であった(ことになっ
 ている)『特別攻撃隊』をめぐる話です。
 おたのしみに。


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 発行者: tarkun(たーくん)

 連絡先: tarkun0507@yahoo.co.jp

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 配信 : MailuX  http://www.mailux.com/

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