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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ────────────────────────────── ●反エコ(環境)ファッショ特集 号外 ────────────────────────────── 前回同様、他のメルマガ(サマータイム制導入に反対する)の流用 記事での代用です。 体調が戻るまで、どうか御了承願います。 なお、今回のレイアウトは、原文のそれのままで掲載します。 どうかご了承願います。 ------------- 【サマータイム制導入に反対する】 特別号外 p0002 ◆「真珠湾攻撃は誤爆だった」説 第2回◆ 今回は、映画「トラ、トラ、トラ!」に出てくる南雲・第一航空 艦隊司令長官について検証することで、同映画のいかがわしさを あぶり出してみようと思います。 なお、今回の検証に用いられた映像ソフトは、近所の店でたまた ま購入できた米国上映版を元にしたと思われるDVDソフトで、渥 美清さんが出てくる日本語吹き替え版とは多少異なるところがあ るかもしれないということを予めお断りしておきたいと思います。 また、今回に限らず、当メルマガでは当メルマガ特有の用語(た とえば、『故意説』や『誤爆説』や『牽制説』や『避米排英戦略』 など)が用いられているので、今回から読み始められた方は、必 ず、第1回を御覧になってから読むようにして下さい。 では、本編をどうぞ。 ◆敵空母を助けてしまった南雲長官の判断の不可解 南雲長官は、「真珠湾攻撃」の際の現場の最高指揮官だった人物 です。 ところが、南雲長官は、作戦途中で予定を変更し、第二次以降の 攻撃を中止し、全部隊を撤退させてしまうのです。 この中途半端で不十分な攻撃は、敵空母を命拾いさせ、後の日本 軍衰退のきっかけとなったミッドウェイ海戦での大敗北の一因と なってしまいました。 つまり、(結果的には)利敵行為となる判断をしてしまったので す。 なぜ、そんな判断をしてしまったのでしょうか? 映画「トラ、トラ、トラ!」に出てくる南雲長官は、次のような 趣旨の理由を述べていました。 (1)(敵)空母がいない、見つからない。 (2)敵索(この場合は空母を探すこと)を続けるには燃料が不 足するおそれがある。 (3)敵の潜水艦が我々を狙っているかもしれない。 これは、一見、もっともらしく思えるかもしれません。 ですが、よくよく考えると、これは南雲長官という軍人を侮辱す ることになる描写なのです。 なぜなら、こんな理由で攻撃中止や撤退を決めるのは、余程の空 母無知か、そうでなければ、空母の存在位置の問題ばかりに気を 取られてしまっている間抜け野郎としか言えないことだからです。 つまり、空母に関する、ある重要な現実問題を無視した論理にな っているのです。 これは、南雲長官に対して、あまりに失礼なことでしょう。 一見、南雲長官に理解を示しているかのように見えて、実は南雲 長官のことを「能無し」と卑しめているのです。 早く目を覚まさなくてはなりません。 ◆空母は補給を必要とする 映画「トラ、トラ、トラ!」に出てくる南雲長官(≠実際の南雲 長官)の論理に欠けているものとは、何か? それは、『空母は補給を必要とする』という現実問題を全く考え ていないことです。 空母が活動を続けるためには、燃料などの補給が欠かせないので す。 動けない空母など、ウドの大木でしかありません。 また、艦載機も同様です。 こちらは、燃料だけでなく、「弾」なども必要ですね。 艦載機が出撃できない、出撃できても攻撃できない、そんな空母 は、全くの役立たずでしかないでしょう。 さらに、空母には乗組員がいます。 彼らが活動を続けるには、水や食料などが必要となります。 空母も艦載機も人間が動かしているという事実を忘れてはなりま せん。 というわけで、空母は、いろんなものを補給しなければならない のです。 補給が無ければ、それこそ、巨大なだけの、ただの鉄くずでしか なくなってしまうのです。 ですから、敵側からすれば、補給の手段を断ってしまえば、活動 不能状態に追い込むことが出来るのです。 「真珠湾」の例でいえば、補給施設を攻撃により破壊してしまえ ば、空母は活動困難な状況に追い込むことができたのです。 これは、一時的なことではありますが、実質、撃沈したも同然の 状態にすることができるということです。 もしも空母の「再生可能」事態が気になるのなら、その活動でき なくなったところを攻撃すれば良いわけですし、攻撃も楽勝とな ることでしょう。 ですから、攻撃を途中でやめてしまった映画「トラ、トラ、トラ !」に出てくる南雲長官の判断は、「猿の浅知恵」的な判断だと 言わざるを得ないのです。 だから、そんな判断に理解を示すことは、南雲長官を侮辱するこ とになるのです。 南雲長官ともあろう者が、空母が補給を必要とすることを知らな いはずがありませんし、空母の存在位置ばかりに気を取られて、 空母が補給を必要とすることを忘れてしまうなどということは、 まず考えられないことなのです。 だから、映画「トラ、トラ、トラ!」はいかがわしいと言いたい のです。 ◆映画にもからかわれ ちなみに、映画「トラ、トラ、トラ!」は、その終わり近くで、 興味深いシーンを見せてくれます。 真珠湾を離れていたために被害を免れた空母の中の一隻(たぶん エンタープライズ。でも、もし違ってたら、ごめんなさい。)が 戻ってくるシーンがあります。 それも、給油をしに。 ね、やっぱり、補給が必要なのですよ。 だから、攻撃は続行、反復すべきだったのです。 続く攻撃により、補給施設を破壊すれば、空母は補給できなくな って活動継続困難状態になっていたのです。 また、攻撃を反復すれば、戻ってきた『燃料が足りなくなってい る』空母を攻撃できたかもしれないのです。 そ、映画にもからかわれているのですよ。 そのことに早く気付くべきなのです。 ◆予定がはっきりしない不可解 攻撃の中止と撤退は、明らかに失策です。 ミッドウェイ海戦の結果を待たずとも、これは利敵行為と言って も良いほどの失策です。 南雲長官や、彼を指名した山本五十六・連合艦隊司令長官の責任 は、極めて重いものになっていたはずです。 もし『故意説』が正しいのであれば。 映画「トラ、トラ、トラ!」に出てくる南雲長官や山本五十六長 官は、盛んに(敵)空母のいる・いないを気にするのですが、な らば、もし空母がいないことが予めわかっていたのなら、真珠湾 攻撃は見送る予定だったのでしょうか? もしそうなら、攻撃前に空母の存在の確認を航空部隊にさせてい たはずですよね。 でも、それが行われた形跡は全くありません。 ということは、そんな予定ではなかったということでしょう。 ならば、空母がいなくても真珠湾を攻撃する予定だったのか? もしそうなら、なぜ未練がましく、「最大の標的である空母はい なかった」などという趣旨のことをほざいているのか? また、そのような攻撃に何の意義があったのか? 空母がいない場合を想定していた(その際の対処を十分に考えて いた)のか? それとも、空母がいないとわかったら、攻撃をやめる予定だった のか? ならば、なぜ、南雲長官は反論されたのか? それが「予定通り」ではなかったことは明らかです。 そう、予定がはっきりしないのです。 予定もはっきりしないで、真珠湾に攻撃をかけたことになるので す。 こんないい加減な戦争のしかたがあるのでしょうか? やはり、定説(故意説)は胡散臭いのです。 ◆空母がいる証拠無しに攻撃を敢行した不可解 実を言うと、日本海軍は、真珠湾に空母がいる保証が全くない状 況で真珠湾攻撃をしかけているのです。 これって、完全に博打(ばくち)ですよね。 共産党流の言い方をすれば、「カジノ経済」ならぬ「カジノ戦争 行為」です。 日本海軍って、そんなに博打が好きだったのでしょうか? しかも、真珠湾攻撃の予定時間に空母がいる確率は、極めて低か ったのです。 つまり、ほとんど「ダメもと」攻撃だったのです。 こりゃ、博打より酷い。 山師ですね、こりゃ。 つまり、(空母攻撃に)成功する確率は、極めて低かったのです。 いや、ほとんど無かったと言っても良い。 まさか、『神の奇跡』を期待したのか? 日本海軍とは、その程度の軍隊だったのか? やはり、定説(故意説)はおかしいのです。 ◆突如、『仏』になった東条=陸軍の不可解 おかしいといえば、東条=陸軍の態度も変です。 映画「トラ、トラ、トラ!」では、山本五十六が東条=陸軍に屈 する形で対米戦争方針を受け入れたことになっています。 そんな「おっかない」存在なら、南雲長官が犯した判断ミスを許 すはずがありません。 ところが、現実の東条=陸軍は、南雲長官や山本五十六のことを 責めてはいないのです。 全く。 故に、ペナルティー無し。 そう、突如、『仏』になっているのです。 このキャラクターの不連続は、あまりにも不自然ではありません か? やはり、映画「トラ、トラ、トラ!」は胡散臭いのです。 ◆戦略が知られていなかったから通用した屁理屈史観 空母がいる確率がほとんどゼロだったのに真珠湾攻撃をしかけた のは、山本五十六が東条=陸軍の圧力に屈したからだという風に 東条=陸軍のせいにすることができたのは、『避米排英戦略』が 知られていなかったからです。 定説(故意説)の信者たちは、何でもかんでも東条=陸軍のせい にすることで、定説の矛盾を誤魔化してきたのです。 でも、今は通用しない。 ◆東条=陸軍にとっては有り難迷惑だった真珠湾攻撃 東条=陸軍には、『避米排英戦略』という勝利の方程式がありま した。 ですから、対米戦争は『余計な戦争』でしかなかったのです。 また、そんな戦争を招くおそれの高い真珠湾攻撃など、有り難迷 惑でしかなかったのです。 従って、東条=陸軍が山本五十六に対米戦争同意や真珠湾攻撃を 迫るということは、絶対に考えられないことなのです。 だから、『避米排英戦略』のことを知っている人たちは、『山本 五十六の独断説』や『海軍暴走説』などを唱えているのですよ。 定説(故意説)を否定しない限り、そういう説を唱えないと真珠 湾攻撃が行われたことの説明がつきませんからね。 そういう説が嫌なら、誤爆説すなわち牽制説を受け入れるしかあ りません。 実際、誤爆説(牽制説)の方が、より多くのことを合理的に説明 できるのですから。 『避米排英戦略』をとろうとしていた東条=陸軍が山本五十六に 求めたことがあったとすれば、それは、この戦略がうまくいくた めの海軍の協力でしょう。 それは、米国海軍(太平洋艦隊)を東南アジアから遠ざけるため の作戦、すなわち、ハワイ近海に引きつけておく作戦、すなわち、 牽制作戦以外は考えられないのです。 ◆リスクが高い故に難色を示した山本五十六 もっとも、この牽制作戦は、海軍にとってはかなり問題のある作 戦でした。 まず、経験が無い。 前代未聞。 訓練でも、やったことが無い。 故に、ノウハウが無い。 ぶっつけ本番だったわけです。 これはかなりリスクの高いことだと言えるでしょう。 また、牽制作戦は、囮(おとり)作戦以上に危険な作戦です。 囮作戦なら、ある程度、反撃が許されますが、牽制作戦では、そ れも許されない。 たすかるには、逃げ切るしかない。 というわけで、部下を相当危険な目に遭わせることになる作戦に なるのです。 あまりに危険。 ですから、山本五十六が躊躇したのも、無理は無いわけです。 何しろ、彼は部下思いで有名な軍人だったのですから。 そのことは、GHQが焚書にした『日本的人間』という本に記さ れています。 ◆南雲長官は確かに適任だった牽制作戦 でも、日本が生き残るためには、『避米排英戦略』を成功させる しかなかったので、この危険な作戦をやることにしました。 で、問題は、誰を現場の指揮官にするか?です。 すぐ熱くなりやすい人は、不向きでしょう。 何しろ、反撃すら許されないのですから。 向いているのは、熱くなりにくい人。 好戦的でなく、それでいて、優秀な軍人。 的確な指示を出せる人物。 そんな条件を満たしていたのが、南雲長官だったわけです。 そのことは、映画「トラ、トラ、トラ!」の前半部分でも描かれ ていたはずです。 彼は慎重派でした。 だからこそ、牽制作戦という厄介な作戦には最適の指揮官だった のです。 山本五十六の人を見る目に狂いは無かったのです。 逆に言うと、対米戦争消極派の人物を攻撃目的の作戦(注:真珠 湾攻撃のこと)の現場指揮官にするというのは、全く理解に苦し む人事・人選と言わざるを得ないのです。 このように、定説(故意説)よりも誤爆説(牽制説)の方が、合 理性が高いのです。 ◆海軍のことを悪く言う証言が出てこない理由 牽制作戦の現場指揮官に南雲長官以上の適任者材は考えられませ んでした。 作戦の内容から、誰もが納得した人選だったはずです。 少なくとも、東条=陸軍は納得していたはずです。 だから、誤爆という想定外の大失敗にも寛大でいられたのです。 南雲長官や、彼を選んだ山本五十六、さらには海軍のことを悪く 言う証言者が現れないのは、それが全く想定外なことだったから です。 誰も予想していなかった。 ならば、責めることなど出来るわけがないでしょう。 今でさえ、誤爆説を唱えているのは、世界中で私一人だけです。 いや、歴史上でも、そうなのではありませんか? ならば、責めることなど出来るわけがありません。 とにかく、戦後80年経った今でも、そんな有様なのですから、そ の当時の人たちなら、「南雲でそうなったのなら、しかたがない だろう」と観念したとしても、別に不思議ではありません。 ◆南雲長官だから出来た「想定外」対応 むしろ目を向けなければならないのは、誤爆が起きた時の南雲長 官の沈着冷静ぶりでしょう。 もし菅直人みたいな奴なら、パニックを起こしてしまっていたの ではありませんか? また、原発事故当時の東電の社長や、「コロナ」禍の時の安倍み たいな奴なら、病気になってリタイアしてしまっていたことでし ょう。 ま、こんな奴らと比較するのは、南雲長官に失礼なことかもしれ ませんが、そういう指揮官しか見たことがない今の若い世代の人 たちには意義のある比較だと思います。 誤爆は、取り返しのつかないことだったはずであり、そのショッ クはかなりのものであったにもかかわらず、南雲長官は適切な判 断を下しました。 誤爆により、牽制作戦を続ける意義は無くなった。 ならば、第二次以降の牽制作戦を続ける意義は無い。 中止は当然のこと。 そして、撤退も。 その海域に留まり続けなければならない理由は無い。 むしろ、次の行動に備えなければならない。 避けられなくなってしまった対米戦争のために。 そう、南雲長官は極めて合理的な判断を下したのです。 パニックを起こしても全然おかしくない状況で。 やはり、見事と言うしかありません。 山本五十六の人選は確かなものだったのです。 ◆映画「トラ、トラ、トラ!」はプロパガンダ作品ではないか? 山本五十六や南雲長官らが空母を最大の標的にしていたというの は、どう考えても、創作です。 彼らは、空母はおろか、戦艦や空軍への攻撃も考えてはいません でした。 そんなことをすれば、日本が生き延びれる、ほぼ唯一の選択肢で ある『避米排英戦略』を台無しにしてしまうことになるからです。 こうしてみると、映画「トラ、トラ、トラ!」は、嘘を説いてい ることがわかるでしょう。 私は、この作品は、故意説を日米両国民(さらには、全世界)に 信じ込ませるためのプロパガンダ作品ではないかと疑っています。 ちなみに、この作品は『避米排英戦略』の存在が一般社会に知ら れるようになるかなり前の時代の作品です。 しかしながら、東条は東京裁判で、この戦略のことを証言してい るのです。 ですから、きちんと調べれば、その存在がわかったはずなのです。 でも、劇中には出てこない。 完全無視した内容になっている。 ということは、調べてなかったか、意図的に無視したかのどちら かでしょう。 そのほかにも、たとえば通信障害について、本国からハワイへの 通信障害は自然現象のせいにしているのに、日本にある大使館へ の通信障害は妨害のせいにしているのです。 何の証拠も示さずに。 これって、ダブル・スタンダードではありませんか? 東条英樹のキャラクターも、かなり卑しいものに歪められていま す。 プロパガンダ作品なら、思わず納得の表現です。 ちなみに、この作品の制作費は、120億円だそうです。 米国人にとっては不快で屈辱的なシーンが出てくる作品なのに、 それだけの制作費が得られたとは、驚きです。 でも、プロパガンダ作品だとしたら、納得の出来事です。 多くの人は、この作品によって、真珠湾攻撃のことを知ったので はないでしょうか? 戦前生まれの人でさえ、関係者以外はそうだったと思うのですよ。 つまり、多くの人が、この作品に洗脳されている疑いがあるので す。 実際、プロの歴史学者や研究者でさえ、その傾向が見られます。 だから、それが誤爆だったかもしれないとは全く考えもしないの でしょう。 米国では、第一次世界大戦の頃から、映画はプロパガンダの手段 として利用されていました。 そのことを知れば、映画「トラ、トラ、トラ!」が故意説を信じ 込ませるためのプロパガンダ作品であったとしても、ちっとも不 思議ではないはずです。 実際、この作品は、見てると夢中にさせられるスペクタクル作品 です。 私なんか、こんなことを述べている今でも、夢中にさせらるほど です。 だからこそ、プロパガンダ作品である可能性を考えた方が良いと 思うのです。 実は、このシリーズは、映画「トラ、トラ、トラ!」の嘘・騙し 暴きを目的としているところがあります。 好きな作品のことを批判するのは辛いことなのですが、それが害 をもたらしているとなれば、触れないわけにはいきません。 というわけで、今後もこの映画の嘘・騙し暴きをやっていきたい と思います。 * * * 今回は、主に海軍の人物像の検証という観点から、真相に迫って みました。 次回は、最後通牒にかかわった二人の大使、野村と栗栖の遅刻の 謎という観点から迫ってみようと思います。 おたのしみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者: tarkun(たーくん) 連絡先: tarkun0507@yahoo.co.jp 件名には必ず「仮想力線電磁気学」または「vlofem」 (カギ括弧は不要)を御記入願います。 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先 http://tarkun.onmitsu.jp/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |