メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 687  2025/09/14


少女の性 第六百八十七部

宏一は出発時間の変更を連絡してチケットを直してもらった。変更は問題なくできたと返事が来たが、楽しみにしていた金沢での食事はどうやら無理っぽくなってきた。東京駅を8時に出ると金沢の到着は10時を回る。それから夕食というのはあまりにも無理があると思った。

宏一はさとみと旅行に行きたいのもそうだが、さとみが苦しんでいるのに放っておく訳には行かないと思った。とにかく話をしっかり聞いて、さとみが自分で納得する答を見つけられるように手助けしたいと思った。

そして退社後、コインロッカーに預けてあった服を取り出すとコンビニのトイレで着替え、着てきたものはコンビニから宅配便で自宅に送った。

そして一度部屋に帰ったさとみが改札前で待つ宏一の前に現れたのは、さとみが言ったとおり8時前だった。直ぐにチケットを渡して新幹線改札を入り、既に入線しているかがやきに乗った。

「え、これって、グランクラスなの?」

さとみは列車の先頭車両の入り口で待つアテンダントの挨拶に驚いたようだ。ウェルカムセットを受け取って座席に移動する。

「うん、とにかく先ず座ろう」

宏一はさとみを席に座らせると、話し始めた。

「昨日のさとみさんはとっても疲れてるみたいに見えたらから、先ず金沢までは静かに寝てもらおうと思ってグランクラスにしたんだよ。シートも大きくて寝るには最高だろ?」
「そう・・・・・そう見えてたんだ・・・・・・・・ありがとう・・・・・」

さとみは暗い表情のまま座席に沈み込んだ。

「でも、来てくれてありがとう。信用してくれたって事だから嬉しいよ」
「信用する?宏一さんを?私が?」

さとみは意外な言葉を聞いたとばかりに反応した。

「信用とかどうとか、そんなレベルじゃないのに。宏一さんに話したのは、信用って言うなら完全に信用してるって事なのに。そうじゃなきゃ、あんな事。誰にだって話せることじゃないのに」
「怒った?ごめん」
「怒ってない。信用してるって話」
「良かった。それじゃ、先ずは一休みして」
「ふぅー」

さとみは、とりあえずひとやすみするかとシートに身体を沈めた。このまましばらく目をつぶっていれば身体を休めることができるかと思ったのだ。とりあえず宏一の横にいれば安心だ、そう思うと気が楽になった。

「ちゃんと着替えてくれたのね」
「もちろん、会社の帰りそのままじゃいやだって言うから、ちゃんとシューズも換えたよ」
「安心した。会社の格好のままじゃ、一緒に居るのが辛いもの」
「俺も安心したよ。さとみさんが安心したって言ってくれて。とにかく、疲れてるさとみさんには、先ず少し休んでほしいんだ」
「ありがと。それじゃ、そうさせてもらうわね」

さとみはそう言う止めをつぶった。しかし、間もなくアテンダントが現れ、軽食の案内が来たので寝ていられなくなった。。洋食か和食かを選べるという。そこで宏一は洋食、さとみは和食を頼み、それぞれ日本酒とワインも頼んだ。

「本当は、向こうに着いてから遅い食事にしようと思ってたんだけど、この時間じゃ到着は10時を回るからね。とりあえず軽く食べておこう。もし、向こうについてお店が開いてて元気があれば行けばいいし、無ければ駅で簡単に済ませて宿に向かえばいいよ」
「そうね」

さとみは複雑な気持ちのまま、配られた和食に手を付けた。どうやら有名シェフが食材を吟味して作っているらしいが、味としては普通だ。宏一と少しやりとりをしたが、元の量がほんの少しなので食事というほどの量が無い。それよりもワインを飲めたので少し眠れるかもしれないと思った。それくらい疲れていたのだ。

ここ数日、いろんな思いが錯綜して熟睡できなかった。だから身体が重い。宏一も気を遣っているらしく、あまり声をかけてこない。さとみは座席を倒すと目を閉じた。酒を飲んだこともあり、長いトンネルを通ったあたりまでは覚えていたが、次第に眠りに引き込まれていった。

さとみが目を覚ましたのは、富山を過ぎたあたりだった。

「起きた?」
「うん、すっかり寝ちゃった、今どこ?」
「富山を過ぎたから、あと30分くらいじゃないかな?」
「もうすぐなのね」
「しっかり眠れた?」
「ぐっすり。このシート、すごいのね。本当にゆったりしてて」

確かに小柄なさとみが座ると、シートの方が圧倒的に大きい。

「良かった。グランクラスを使って良かった。スポーツカーのシートで有名なメーカーのものらしいよ」
「ありがと、素敵な旅行になりそう」
さとみはそれから化粧室に行ったりなんだかんだとしているうちに金沢に到着した。
「うわぁ、金沢だ」
「さとみさん、体はどう?」

宏一は駅の外に出る通路を歩きながらさとみに話しかけた。

「うん、だいぶ元気になったわ」

宏一はさとみの声が明るくなっていることに喜んだ。

「それじゃ、ホテルに荷物を置いたら、居酒屋でも探してみる?」
「そうね」
「さとみさんが明日回るところを探しておくって言ってたけど、何か決めたところはあるの?」
「ごめんなさい。家に帰ったときは、もう落ち込んでて探してないの」
「それじゃ、ホテルでパンフでももらって、それから出かけようか」
「そうね。ホテルまで遠いの?」
「俺たちが泊まるホテル?・・・・・・・あれ」

宏一はスマホを見ながら目の前のホテルを指さした。

「あれ?」
「そうだよ。行こうか」

宏一は駅前に建つホテルにさとみを連れて行った。チェックインを終わって部屋に入ると、目の前に金沢の夜景が広がっている。クイーンサイズベッド一つだったが、さとみは気にしていないようだ。宏一はほっとして荷物をほどいた。

「なかなかいいホテルね」
「ベッドが一つでごめん」
「気にしないわ。急だったし、一緒に寝たいし」

さとみはさらりと流すと、出かける支度をした。二人でフロントで聞いてみると、まだこの時間でも居酒屋は開いているところがいくつもあると言う。それならばと宏一はもらったパンフレットに載っている居酒屋に電話してみた。すると、最初にかけたところはいっぱいだと断られたが、次にかけたところは大丈夫とのことなので、すぐに予約してタクシーで向かった。

「宏一さんは金沢、何回か来たことあるの?」
「うん、仕事で何回か来たよ。観光したこともあるし」
「仕事の後で?」
「土日を挟んだ出張だったからね。10日くらいだったかな」
「それじゃ、一通りは知ってるんだ」
「まぁね。自慢できるほどじゃないよ」

そんな話をしている間に店に着いた。中は個室の店だった。

「繁華街はちょっと離れてるのね」
「金沢は駅が町外れだからね。鉄道ができるずっと前から街があった証拠だよ。だから繁華街は今でもお城の近くに全部まとまってるんだ」

宏一はビールのほか、金沢おでんと刺身や焼き魚を何点か注文した。

「まぁ、今日は寝るだけだから。観光は明日のお楽しみって感じかな」
「そうね。どこに行こうかな・・・・」

さとみは宏一が持ってきたパンフレットに目を通し始めた。

「一応予備知識だけど、21世紀美術館はデートスポットの定番らしいよ」
「そうねぇ・・・・・・」
「変わったところでは忍者寺とか」
「これね。そうか、面白いかも・・・・」
「確か、ネット予約かなんかが必要だったかも」

そう言って宏一は調べてみたが、電話予約必須でネット予約はやっていなかった。

「それじゃ、明日聞いてみて、空きがあれば行こうか」
「そうね。それはそれでキープしておいて、ほかはねぇ・・・・・」
「あのね、明日は午後にレンタカーを予約してあるんだ。宿までは車で行かないといけないから」
「そうなの。分かった。何時頃?」
「予約は2時」
「分かったわ。それじゃ、それまでに回れるところだけ回りましょう」

そんな話をしているうちに次々に注文したものが届いた。

「これが金沢おでんなのね」
「うん、小さなかにの甲羅にすり身を詰めたこれがカニ面て言って、名物らしいよ」
「おいしそう」

さとみは興味津々で食べ始めた。刺身も気に入ったらしい。

「うわぁ、きれいなお刺身ねぇ」
「うん、海が近いし、能登からも魚が届くからね。明日も似たような感じになると思うけど、ごめんね」
「ううん、全然。宏一さんの手配だもの、外れなんかないわ」
「ありがと、っていっておくべきかな。ハードル上がったみたいだけど」
「ううん、そんなこと心配しなくていいわ。いつもそれを超えてくるから」
さとみはだんだん緊張がほぐれてきたのか、表情が明るくなってきた。盛んにおいしいおいしいと連発している。
「うん、東京じゃ食べられないものばっかりだからね」
「それもそうだけど、引っ越したばかりの女子にはこんな素敵なものを食べる余裕なんてないわ」
「たしかに」
「それに、知らないと注文できないし。だから、ここに来ないと食べられないのよね」
「そうかもしれない。それならいっぱい楽しまないとね」

「そう。ねぇ、明日は早めに宿に入りましょう?」
「疲れてるんだね。分かったよ」
「疲れてるもそうだけど、静かに二人でいたいの」
「うん、わかった」
「甘えてもいい?」
「もちろん。さとみさんが元気になるのが一番だからね」
「そんな風に言われると・・・・・・」
「どうしたの?」
「ううん、我慢できなくなっちゃうじゃないって」
「え?がまん?」
「知らなくていいの。さぁ、もっと食べなきゃ」

さとみはニコニコしながら料理を食べ、酒を飲んだ。それを見ながら宏一は、やっと里見に笑顔が戻ったと思った。
帰りに近くのコンビニで少しだけ仕入れて二人がホテルに戻ったのは日付が変わった後だった。

「先にシャワー浴びるわね」
「うん、お先にどうぞ」
「ありがと」

さとみはゆっくりとシャワーを浴びて疲れを流した。これから宏一に抱かれると思うと身体が熱くなる。そして、夢中になって嫌なことを忘れてしまいたいと思った。さとみの後に宏一がシャワーを浴びてバスタオル一枚で部屋に戻ると、さとみは浴衣姿で窓際にあるラブソファーに座っていた。

「飲み直す?」
「少しくらいなら良いわよ」
「俺もお腹はいっぱいだから」

そう言って宏一はビール、さとみはチューハイで乾杯した。

「今日は良く来てくれたね。大変だったろう?」
「分かってたみたいに言うなんて、意地悪。それなら泊まってってくれれば良かったのに」
「泊まるのも考えたし、泊まることもできたけど、それだとさとみさんが一人で考える時間が無くなるだろう?それだと、会社に来てから昨日の夜に起こったことが起こるんだよ。きっとそれなら来てくれないと思ったから」
「私が昨日の夜にどうなったか、分かってるようなことを言うのね」
「だって、気持ちが揺れてるんだから、俺の顔が見えなくなった途端、揺り返しが来るのは当然だよ」
「ふぅ、それで放っておいたのね。ほんとうに意地悪」
「放っておいたとも言えるけど、戻ってくるのを待ってたんだよ。さとみさんが揺れる気持ちの中でも一緒に居てくれるって決めるのを期待してたんだ。ほんとうだよ」
「そうね、そう言うことよね」
「辛かったね、でも、だからありがとう。凄く嬉しいよ」
「とにかく、ここに来たんだから、期待は裏切らないだね」
「最大限、努力するよ」

「そっちに行っても良い?」

そう言うとさとみは宏一の膝の上に横座りで乗ってきた。

「ここに早く戻ってきたかったの」

そう言ってさとみは宏一に寄りかかってくる。

「疲れてたんだね」
「疲れはさっき寝たからだいぶ取れたわ」
「少し汗を掻いてたものね」
「そう、それは全部シャワーで流してきた。だから元気よ」
「でも、身体はそうだけど、心が疲れてたって話はどう?」
「そう言うことなら、まさにそうね。疲れたわ」

宏一は寄りかかってくるさとみの髪をそっと撫で始めた。

「だめよ、そんな事すると寝ちゃうから」
「寝ても良いよ」
「ほんとうに?バカ、そんなこと、良いわけないでしょ?」

そう言うと宏一に顔をくっつけてくる。

「ごめん」
「直ぐに謝るんだから」

そのまま二人は静かにキスをした。ゆっくりと時間を掛けた優しいキスだ。キスをしながら宏一の手はさとみの浴衣の上から可愛らしい膨らみを撫でる。どうやらさとみは下着を付けていないようだ。するとさとみはキスをしながら自分の浴衣をはだけて、宏一の手を乳房へと導いた。


つづく

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