メルマガ:少女の性シリーズ
タイトル:少女の性 674  2025/06/22


少女の性 第六百七十四部

「三谷さん、おはようございます」
「おはようございます」
「今日の仕事なんですけど、4階から始めますね」
「はい、分かりました。なるべく早く顔を出します」
「いつでもどうぞ」

そう言って業者はいくつか部品を取り出して帳面に記録すると仕事に向かった。

「三谷さん、今の、記帳のことですけど」

さとみが言った。

「はい?なんですか?」
「タブレットとかでエクセルにした方が良くないですか?」
「ははぁん、確かに、それも一理あるけど、俺はこのほうが良いと思う」
「どうしてですか?」
「記帳が間違っていてもこっちで入力するときに分かるからね。直接エクセルに入れてもらえばこっちの手間は省けるけど、もし入力そのものが間違っていたら面倒なことになるよ。部品管理はこっちの責任だからね」

さとみは黙り込んでしまった。確かにそうなのだ。

「分かりました。準備を進めます」

さとみは静かに言うと、キーボードを叩き始めた。宏一は何かフォローを言いたかったのだが、さとみの雰囲気はそれを受け入れる感じではない。何かさとみに声を掛けてアイデアを出してくれたことを褒めたいのだが、さとみに今それを言っても無駄な気がした。だから宏一は後ろ髪を引かれる思いで自分の作業を始めた。

結局、その日はほとんどさとみと話す時間が無かった。お昼はさっさと行ってしまったし、午後は宏一の方が忙しかったからだ。宏一は無理に今日話そうとしても上手くいかないと思い、明日以降に持ち越すことにした。夕方、気が付くと就業時間になっており、さとみはもう居なかった。

宏一は頭を切替えるとコンビニで少し食料を買って部屋に向かった。部屋に着くまでは少し気持ちが暗かったのだが、部屋に着いた途端に一変した。

「おじゃましてまぁす」

葵の明るい声がした。

「葵ちゃん、こんにちは」
「はい、こんにちは」
「昨日は無事に帰った?」
「はい、ありがとうございました。とっても楽しかったです」
「良かった。期待にどれくらい添えたか少し心配だったんだ」
「もう全然、期待以上でした」

葵はとても上機嫌だ。宏一がちゃぶ台の横に座ると、直ぐに身体をずらして寄りかかってきた。

「あれから友達の家に行ったの?」
「そう。それから一緒にウチに来て遊んでた」
「友達は怒ってなかった?予定より遅くなったでしょ?」
「それほどでも・・・・・だいじょうぶだった」
「そうか、よかった」
「また連れてって欲しいな・・・・なんて」

葵は寄りかかっている宏一の方に少し振り返るようにしていった。甘える雰囲気が出ている。

「それってどれのこと?夕食?ホテルでの一泊?パンケーキ?」
「どれも」
「ん?どれも?ってことは、また夕食を食べて泊まってパンケーキってこと?」
「でも良いし、そうじゃ無くても良いし」
「それじゃ、この次には別のところに泊まって違うものを食べようね」
「はい」

葵はこの前と同じように、宏一に寄りかかったまま、宏一の手を自分の前に持ってきた。宏一の手が自分の肩の外側から包み込むように葵を抱いている。葵はドキドキしながらも、こういうことができるのが嬉しかった。それにしても、宏一のベッドで感じたぼうっとなって身体が熱くなる感覚はなんだったのだろうと思った。彼を受け入れたときも似た感覚にはなったが、あれほど身体がぼうっと熱くなったことはなかったからだ。あるいは彼としたときには夢中になっていて気が付かなかったのか。

「それじゃぁ、短期留学について葵ちゃんがあれから調べたことがあれば教えて」

宏一はそう言ってはみたが、昨日の今日なのだ。そんなに調べたはずが無いと思いながらも、一応聞いてみた。すると、驚いたことに葵は一通り調べていた。

「あのね、オーロラが見られそうな飛行機に乗るにはどうすれば良いかって調べたの」

何となく葵の口調が変わっているような気がする。

「うん、それで?」
「オーロラなら北でしょ?だから、北を通る飛行機を調べたの。そうしたら、ニューヨーク行きの飛行機が一番北を通るみたい」
「どうして?」
「飛行機の経路を見ると、ニューヨーク行きが一番北極に近づくみたい」
「う〜ん、調べたのは偉いけど、実際はそうじゃ無いんだなぁ、これが」
「え?どうして?経路だと確かに・・・・」

そう言って葵はスマホから航空路を調べた地図を出してきた。

「よくこんなもの、見つけられたね。偉いよ」
「ありがとう」

葵は少し照れた。

「うん、航空路まで調べるなんて、なかなかできることじゃないよ」

そういって宏一は少し寄りかかっている葵の体勢を少し立てるようにした。その時、葵の外側を包むように回っている宏一の腕が内側の葵の腕を軽く押したので、葵の手が自分の乳房を僅かに押した。すると、葵の身体がビクッと動いた。葵自身も全く予想していなかったことだった。

「どうしたのかな?だいじょうぶ?」

宏一が聞くと、葵も訳が分からず、耳まで真っ赤になった。自分でも気にしていなかったが、いつの間にか乳房が敏感になっていたようだ。葵は宏一の腕が自分の腕を押したのが原因だと思った。そしてなにより、宏一の腕に推されて自分の腕で乳房を押したのが恥ずかしかった。

「もう、私にさせないで・・・・・よいしょ」

葵は平静を装って宏一に航空路を見せながら、宏一の両手を前に回して自分の手の内側に入れた。これまでは宏一の両手は葵の肩の外から葵全体を包むようにしていたのに、今は脇に入れたのだ。葵は明らかに宏一に対して心を開いていた。そして、自分の左耳の後ろに居る宏一に航空路を見せた。

「ほうら、ニューヨークだと北極に近づくでしょ?」
「うん、この地図だとそうだね」
「え?この地図、間違ってるの?」

葵は話題が航空路に集中したので取り敢えず安心して会話を続けた。

「間違ってるっていうか、これは出発地と到着地を大圏航路で結んだだけで、実際の航空路と近いけど少し違うんだよ」

「そうなの?航空路って別にあるの?」
「俺もよく知らないけど、あるよ。日本からアメリカに行くときは、アラスカのアンカレッジまではアメリカのどの都市に行く場合でも全部同じ航路を取るんだ。アンカレッジを通り過ぎてからそれぞれの都市に向かって方向を変えるんだよ。何回かアメリカに行ったときに自然と覚えたんだ。だから、オーロラを見たいならアメリカのどこに向かっても北極圏の近くまでは同じなんだよ」
「そうなんだ・・・・・知らなかった」
「それはそうだよ。そんなことはどこにも書いてないからね」
「それにね、オーロラが出る地域の緯度って、北の方が良いってワケじゃなくて、少し北極からは離れて北緯70度くらいなんだよ」
「なんか、面白くない」
「え?なにが?」
「私ががんばって調べたのに、三谷さんは簡単に違うとか言って、面白くない」
「ごめんよ」
「謝らないで」
「どうすればいいんだい」
「何もしなくていい。面白くないだけ」
「そんなぁ」

葵は宏一が困った顔をするのを見て嬉しかった。こういうのを甘えるというのだろう。葵は怒った表情を保ちながらも、心の中ではクスッと笑った。

その時、葵は宏一の両手が少しだけ乳房の膨らみに触れていることに気が付いた。もちろん制服の上からなので直接触っているわけではないが、それでも何となくだが気持ち良い。単に触れているだけなのに気持ちいいのだ。葵は宏一の手を引き離すこともできたが、取り敢えずそのままにしておいて、こっそり宏一の手に触れている乳房が気持ちいいのを楽しむことにした。そして、さっきビクッとなったのは、これが原因なんだと思いついた。

「それで、気が付いたの」
「どんなことに?」
「合宿とか、イングリッシュスクールとか、そう言うのはほとんど全部西海岸に集中していて、他の地域にはあんまり無いの。アメリカって時差によって4つの地域に分かれるんだけど、合宿所やイングリッシュスクールがあるのは太平洋時間の地域がほとんどで、他の地域にはないの」
「凄いね、時差まで知ってるんだ。よくそこまで調べたね」
「そう?すごい?」
「だって、よくそこまで調べられたなぁって」

宏一に褒められて葵は上機嫌だった。今日は宏一の困った顔も見られたし、乳房もこっそり気持ちいいし、おまけに褒められてとにかく楽しい。

「オーロラって、どの辺りで見られるんだろうな?って思って調べてみたの。そうしたら、北極の近くを通る飛行機からも見られるって出てて、三谷さんの言ったとおりだって。それで、どこを通る飛行機なのかなって思って調べてたら、この地図を見つけたの」

ほんの少ししか触れていないのに、宏一の腕が当たっている乳房は確実に気持ちいい。葵は身体を軽く捻るフリをして宏一の腕に乳房を少し当ててみた。すると、もっと気持ち良くなった。

「葵ちゃん、航空会社のサイトで調べたの?」

さらに、宏一の息と声が左耳に当たっていると、なんか不思議な感覚だ。焦れったいような、敏感なような、甘い感覚が沸き上がってくる。じっとしているのにこういう感覚が沸き上がってくるのは葵にとって初めてだった。『裸になったわけでもないし、キスもしてないのに、どうしてこうなるの?』葵は自分の身体の変化が不思議だった。

もちろん、嫌では無いし、もっと感じてみたいと思うのだが、不思議なのは変わらない。それに、身体がぼうっと温かくなって感覚も少し怠くなってきた。なんと言うか、土曜日の夜に宏一のベッドに入って腕枕をされながら髪を撫でられたときの感覚なのだ。葵はあの時、自分から宏一にくっついて身体を押し付けたことを思い出した。あの時は、宏一は何も反応しなかったが、自分は安心したし、嬉しかったし、何となく子供の頃に戻ったような気がしていた。

「ううん、旅行のサイトで調べたの」
「でも、これって英語だよね。英語のサイトで調べたの?」
「そう、アメリカの旅行サイトだったと思う」
「もう英語のサイトを見てるんだ。凄いね。翻訳サービスを使った?」
「ううん、あれは英語と日本語が混じって表示されるから読みにくいの。だから使わない」
「えらいえらい」
「へへっ」

葵が照れて下を向いたときに、葵の耳が僅かに宏一の唇に触れた。すると、ゾクゾクッとする感覚が沸き上がった。宏一は気が付かなかったようだが、葵はまた耳まで真っ赤になった。

「さて、それじゃ、結論として葵ちゃんはどの辺りの学校に行ってみたいのかな?地理的な位置としてどの辺り?」
「そう・・・・・・・・」

葵はしばらく考え込んだ。いや、考えているフリをしたのだ。こうやって後ろから宏一に包まれているのが気持ち良く、もっとこのままで居たかったので考えるフリをした。宏一も敢えて急かさず、葵の好きにさせていた。それでも、しばらくして宏一が聞いた。

「ところで、アメリカ以外は調べてみた?」
「もちろん」
「それじゃ、そっちの方はどうだったか教えてよ」
「フィリピンとかもあったけど、どうも口コミを見る限りやめておいたほうが良いみたい」
「うん、他には?」
「多いのはオーストラリアとニュージーランド」
「うん」
「特にニュージーランドは良さそうだと思った。先生もネイティブだし、発音が綺麗なんだって。クィーンズイングリッシュで」
「それは魅力的だね」
「そう、だからニュージーランドは候補の中に入れたの」
「日本風の温泉とかもあるしね」
「日本の温泉があるの?知らなかった」
「調べないと出てこないからね。以前に日本の新潟県の温泉旅館の人がニュージーランドで温泉を開いたって出てたよ。現地の人にも評判が良いってさ」
「すごいな」

葵はそう言いながら、もう一度身体を軽く捻って乳房を宏一の腕にそっと擦り付けて楽しんだ。宏一は葵の身体の前に回した手を組んでいたが、葵の乳房が腕の上に載ってくるのが不思議だった。腕の上に乳房が乗っている感覚は今までの少女では得られなかったものだ。宏一は、どうやら葵が乳房を押し付けて楽しんでいるらしいと言うことがだんだん分かってきた。それなら、もう少しこのままにして葵の好きにさせようと思った。

「それで、葵ちゃんは行くとしたらニュージーランドのどの辺りなの?」
「それは、オークランドかクライストチャーチの辺りだと思うんだけど、まだ決めてない」
「そうだね。オークランドはニュージーランド最大の都市だけど、最大って言っても小さいから言うほどじゃないし、クライストチャーチは町並みが綺麗だから迷うね」
「そうなの。クライストチャーチは写真を見ただけでとっても綺麗なの。イギリス風って言うみたい」
「勉強するなら、勉強に向いている環境が良いよね」
「そう、ニュージーランドにするならクライストチャーチかな・・・・・」
「うん、アメリカだったら?」
「サンフランシスコかロスアンゼルスがいいと思うんだけど、西海岸に決めていいのかどうか迷ってるの」

宏一は葵の話し方の様子から、葵が甘えながらもだんだん気持ち良くなってきているのでは無いかと思った。それで、わざと耳元で囁くように言ってみた。

「それじゃ、葵ちゃんの気に入った街を見つけないとね。今すぐ決める必要は無いから、写真とか動画を見ながら街の雰囲気を理解していくと良いよ。二つの都市はだいぶ雰囲気が違うから」


つづく

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