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少女の性 第六百六十七部 「いいけど・・・・・・・どうして?」 「言わなきゃだめ?」 「そう言われると、言わなくたって良いかも、だけど・・・・・」 「それじゃ、良いでしょ?お金は半分出すから」 「そういう問題じゃ・・・・・うん、分かった。良いよ。どこがいいの?」 宏一は腹を決めた。葵がどういうつもりで言っているのか分からないが、ここは思いきって話に乗るしかない。 「いいの?」 葵は探るように言った。 「もちろん。いいよ。ホテルに泊まりたいんだよね。OK 。それで、どこに泊まりたいの?あ、お金は良いからね。中学生からお金なんて取らないよ」 「ありがとう。でも、わかんない」 「わかんないじゃなくて、葵ちゃんが決めて下さい」 「私が決めるの?」 「そう、ホテルに泊まりたいっていうからには、何か考えがあるんでしょ?その考えに一番合うホテルを探してください」 「そうか・・・・・・」 葵はそこまで言うと、横に置いてある鞄からタブレットを取り出した。葵が調べている間に宏一は紅茶を用意してちゃぶ台の向かいに座った。 「こっちに座って」 葵はタブレットを弄りながら言った。そこで宏一が先ほどの位置に座ると、葵は調べ物をしながら宏一に寄りかかってきた。 「ちゃんとこっちに居て」 「うん」 それ以上葵は何も言わずに次々に調べている。ちゃんと検索エンジンだけでなくAIにオススメを聞いたりしているのはさすが現代っ子だ。横で見ていると、どうやら葵はシティホテルでも大きなホテルというよりは、個性的なホテルを探しているようだ。宏一は何も言わずに葵がホテルを決めるまで静かに待っていた。 「決めた」 「うん、そう。どうなったの?」 「それが、ホテルは決めたけど、本当は部屋の種類とか決めないといけないんでしょ?それはまだできてない」 「分かった。それじゃ、それは俺が予約するから俺が決めていい?」 「はい」 「それで、どんなホテルになったの?」 「これ」 葵が見せてくれたのは、水道橋の近くにあるインバウンド向けの小さな個性的なホテルだった。 「どうしてこれが気に入ったのか、聞いても良い?」 「家とは違う雰囲気のホテルにしたかったから。私の部屋は洋室だから、それとは違うのが良いって思って」 「そうか。分かった。ありがと。それで、このホテルを予約するとして、何時に行く予定なの?」 「それは・・・・・・泊まるんだから・・・・・・・九時くらい・・・・・」 [チェックインが9時?夜の9時ってこと?夕ご飯は?」 「決めてない」 どうやら、葵の考えている『ホテルに泊まる』というのは、宏一とだいぶ考えが違うようだ。 「ねぇ、どうしてホテルに泊まってみたいのか、聞いても良い?」 「それは・・・・・・・・」 「言いたくないなら言わなくても良いけど、教えてくれれば葵ちゃんに協力できると思うんだ」 宏一が言うと、葵は少し考え込んだが、やがて口を語り始めた。 「あのね、クラスの仲の良い子が、この前ホテルに泊まったの。それで、その部屋がすっごく素敵だったっていろいろ教えてくれて、良いなぁって思って・・・・・」 「どこか観光地のホテル?」 「そうみたい。おっきな部屋でベッドも大きくて、窓も大きくて」 「ふうん、それで、葵ちゃんもホテルに泊まってみたいって思ったんだ」 「そう、いつも夜は両親が帰ってくるのが遅いから」 「それで、ご両親は泊まってきて良いって言ってるんだ」 「まだ言ってない。でも、だいじょうぶ」 「そうなの?普通、中学生の女の子が外泊するとなると、親って凄く心配するものだよ」 「うちの場合はだいじょうぶ」 「以前にも外泊したことあるの?」 「ないけど、でも、だいじょうぶ。信用あるし、親はいつも何もいわないもの」 「そうかなぁ。分かった。それじゃ、ホテルはきちんと予約するから、葵ちゃんはご両親の許可を取ってね」 「わかった」 「それじゃ、前に戻って予定を決めようか。葵ちゃんはホテルに泊まれば良いんだから、ホテルの施設やレストランで食事したいわけじゃないんだね?」 「どっちでもいい」 「それじゃ、食事をしないとしたら、夕ご飯はどうするの?」 「食べてから家を出る」 宏一は、中学生の考え方に改めて驚いた。どうやら、お祭りの屋台に行くような感覚でいるらしい。と言うことは、ホテルに着いてもシャワーを浴びてお休み、と言うことなのだろうか。洋恵から聞いた時の口ぶりからは、既に葵は彼がいて経験済みみたいな感じだったが、社会経験という意味では子供そのままなのかもしれない。一言で言えば、ホテルで寝てお終い、なのだと思った。 「分かったよ。でも、できれば夕ご飯くらいは一緒に食べたいな、どう?」 「いいけど・・・・・・」 「それじゃ、そうしよう。だから、集合時間は日曜日の夜7時。場所は水道橋駅の東口改札。それで良い?」 「わかった」 葵はきちんとスケジュールに登録した。 「ちゃんとご両親の許可をもらっておいてね」 「わかってる」 葵は少しくどすぎると思った。単に泊まるだけで、どうしてこんなに念を押すのだろうと思った。今まで友達の家に泊まったことはあったが、そんなに大騒ぎはしなかったからだ。ただ、正直に言えば、家族以外の男性と泊まることについてはかなりドキドキているのは確かだ。葵だって経験済みなのだから、男性というものが何かは知っているつもりだ。だからドキドキしているのだが、本音で言えば宏一なら安心してもだいじょうぶだと思っていたし、そのドキドキを楽しんでいるのも確かだった。それに、もともとそんなつもりはないのだし、それよりも葵には確かめたいことがあった。だからホテルに泊まるという提案をしたのだ。 「それで、葵ちゃんは夕食に食べてみたいものはある?あれば教えて」 「それは色々あるけど・・・・・」 「イタリアンとか?」 「ピザは・・・・・」 「イタリアンてピザだけじゃないけどね」 「やっぱり和食がいい。お魚」 「魚?どんなの?お刺身?」 「お魚なら何でも良い。結構好きなの」 「お魚ねぇ。居酒屋みたいなところが良い?」 「居酒屋はいや」 その言い方がきつかったので、宏一はちょっと驚いた。 「居酒屋はいやなんだね。狭いから?」 「それもあるし、うるさいし、とにかくいや」 「分かったよ。それじゃ、静かな店を予約するよ。嫌いなものはあるの?」 「なんでもだいじょうぶ」 「魚以外の貝やイカタコでも?」 「好き」 葵はそう言ったが、葵の社会経験から推測すれば、あまり特徴のあるのはよした方が良さそうだ。ただ、和食で居酒屋形式の店を除外すると、かなり選択肢が限られてくる。両親が飲食関係なので、それはだいたい分かっていた。分かっていて、敢えて言ってみたのだ。 宏一は、葵が満足してくれる和食の店をどうしようか考えていた。しかし、会席料理みたいなものは魚に特化していないし、鮮魚と言えば居酒屋形式が多い。意外に難しいのだ。 結局、その日は日曜日の話だけで終わってしまった。 翌日、葵は学校で洋恵に呼び止められて階段下に連れて行かれた。 「それで、どんな感じ?」 「どんなって、どう言えば良いの?」 「順調に教えてもらってる?」 「もちろん、きちんと教えてくれてる」 「遅くなったりしてない?」 「時間通りよ。どうしたの?」 「どうしてるかなって思っただけ。私が紹介したから」 「そう。心配しなくても良いわ」 「わかった」 それだけだったが、洋恵は葵の様子から、あまり細かいことを聞かれたくないという感じを少し受けたのが気になった。しかし、問題なければそんなものかも知れないとも思った。実は、結衣が彼と別れたという噂を聞いたのだ。結衣はいつも月曜日に宏一を家に呼んでいたのは知っていたから、念のために葵に声を掛けたのだった。 洋恵と香奈の仲は上手くいっていた。今度宏一を呼んでお昼を食べに行こうと話をしているくらいだ。ただ、新しい彼の紹介はいくつか聞いてはいたが、日曜日に久しぶりに宏一に抱かれてしまったので、洋恵には今すぐに彼が欲しいと言う気持ちは無かったし、香奈も急いで紹介したいとは思っておらず、時間を掛けても良いと思っているらしかった。これはお互いに承知の上でのことだ。ただ、香奈としては、洋恵が彼を欲しいと言うのであれば、きちんと紹介するつもりだった。 その日、宏一はさとみから連絡が来るかと思っていたが、結局何も来なかった。そしてさとみは定時で帰っていった。何か気に障ることでもしたのかと思ってみたが心当たりはない。きっとさとみは別にすることがあるのだろうと思って気持ちを切替えることにした。それからしばらく残業して評価中のノートブックのサンプルのレポートをしばらく作成しながら夕食をどこで食べるか考えていた。 そこで、金曜日なので混んでいるかとは思ったが、美咲の店に行ってみることにした。気の利いた魚でもあれば楽しめると思ったのだ。案の定、週末だけに店はかなり混んでいた。 「いらっしゃいませ」 美咲は相変わらず元気に迎えてくれたし、席も板前の場所の近くに座らせてくれた。ただ、忙しいので手短に会話を済ませる。 「こんにちは、今日のオススメは何ですか?」 「はい、今日は生きの良い鰺が入ってます。それと、海鞘(ほや)ですね」 「店長さん、海鞘を捌くんですか?」 まさか仕事中なのに店で美咲の名前を呼ぶわけには行かない。 「はい、別に難しくはないですよ。プラスとマイナスを間違えなければ」 「さすがですね。それじゃ、モロキューとチャンジャ、それに海鞘を刺身とお造りで。それと鰺の刺身と塩焼きをお願いします。あ、生も。他にオススメがあればお願いします」 「はい、ありがとうございます。塩焼きは味が一番ですからね。鰺フライもオススメですよ。それと、最後のお食事にオススメがありますからお出ししますね」 「うわ、楽しみです。それじゃ、鰺フライも」 「はい、ありがとうございます。それではごゆっくり」 美咲はそう言うと奥へと下がっていった。 そしてモロキューとチャンジャで生ビールを飲んでいると、海鞘と鰺の刺身から出てきた。海鞘は独特の匂いがあるので毛嫌いする人も多いが、生きの良いものなら匂いはほとんど無いし、独特の歯ごたえと味は他にない美味しさだ。宏一は海鞘の活きの良さに満足すると冷酒を頼んで更に楽しんだ。 そして海鞘と鰺の刺身を食べ終わる頃、鰺フライが出てきた。確かに美味しかったし、とてもジューシーに仕上がっている。パサパサの鰺フライを平気で出す居酒屋が多いが、それは鰺フライ自体が冷凍のことが多いのと、火の通り方をギリギリにするのではなく安全を見越してオーバークックにするからだ。しかし、ここはきちんと火の通り方を見越して揚げていた。サクサクで熱々の鰺フライを冷たいビールで流し込んでいると、美咲が顔を出した。ここは褒めておかないと期待してきたであろう美咲ががっかりすると思って声を掛けた。 「凄いですね。こんなにきちんとギリギリで火を通してる鰺フライなんて、なかなか無いですよ。鰺フライは結構難しいのに」 美咲の顔がパッと明るくなった。 「よくお分かりですね。油から揚げた瞬間は、まだ中が少しピンク色なんですよ。それが余熱でちょうど良く火が通るんです」 「鰺フライ、お得意なんですね。いや、本当に凄いです。こんなにふっくらしててジューシーな鰺フライなんて食べたことないです。本当に腕が良いんですね」 「鰺フライはしっかり仕込まれましたから。気に入っていただけて良かったです。ごゆっくり」 宏一に褒められた美咲はニコニコ顔で下がっていった。その後、塩焼きもジューシーな物が出てきた。ただ、壁に貼ってあるポップを見ると値段も結構良かったが。宏一が満足して日本酒を飲んでいると、店員がやってきて聞いた。 「お食事はオススメのものをお出ししてよろしいでしょうか?」 「はい、お願いします」 「かしこまりました」 そう言って店員が下がっていったが、宏一は何が出てくるのか分からない。それも馴染みの店の楽しみ方の一つではあるので、宏一は鰺フライと鰺の塩焼きを食べながらお任せの料理を楽しみに待つことにした。すると、店員が刺身の下に敷いた鰺の骨身を下げていった。 途中で日本酒をお替わりした宏一にオススメの食事が出てきたのは少し経ってからだった。どうやら鰺のお茶漬けのようだ。店員は『後で店長がきます』とだけ言って戻っていった。美咲が来ると言うことは、これはただの鰺茶漬けでは無いと言うことだろうと、宏一はじっくりと味わうことにした。確かに普通の鰺の茶漬けとは違う。火を通した鰺のほぐし身が入っているし、小さな刺身をごま和えにしたものがちょこんと上に載っている。どういう料理法なのだろうと考えながら食べていると、少しして美咲が出てきた。 「いかがですか?お楽しみいただけてますか?」 つづく http://shojyonovels.is-mine.net/ 少女の性シリーズ掲示板 https://bbs1.sekkaku.net/bbs/hiwaki25/ バックナンバーはMailuxにアクセスして http://www.mailux.com/ 左上の検索窓に『少女の性』と入力して 「バックナンバー公開」の「閲覧可能」をクリックしてください。 |