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===================================================== 発行部数 26 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2009/12/04 (Fri) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.金曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 金曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル マイ・ガール 局 名 テレビ朝日系 放映日時 日曜23時15分 キャスト 笠間正宗(相葉雅紀(嵐)) 塚本陽子(優香) 笠間コハル(石井萌々果) 柴田友哉(村上信五(関ジャニ∞)) 林 弘和(北村有起哉 ) 瀬山高志(山崎樹範) 片桐はるか(平岩 紙) 片桐新太(松本拓海) 中園 香(井村空美) 木村英生(日村勇紀(バナナマン)) 塚本志織(朝加真由美) 笠間清助(山崎 一) 笠間光代(室井 滋) 室田長市(八名信夫) 室田澄子(大森暁美) 原作 佐川ミズ『マイ・ガール』 脚 本 大島里美、荒井修子、高橋麻紀 主題歌 嵐『マイガール』 あらすじ 第9話「…そして僕は夢を捨てる」 僕(相葉雅紀(嵐))はコハルちゃんとランドセルを買いに行った。 コハルちゃんは赤いランドセルを選んだ。 「そっかあ、コハルちゃんもコハルちゃん(石井萌々果)も来年は小 学生か」 正直なところめまぐるしい日々のせいで、そこまで気がまわらなか った。それにしても39900円なんて、意外とお金がかかるものだ。 今後はこういう出費が増えていくと思うと僕にはそのことで頭が痛い。 けれどそんなときに僕が応募した写真が予備審査を通ったという通 知が届いた。入選作は展示会に出される。僕はさっそく会社に連絡し た。林さん(北村有起哉)を始めみんなが喜んでくれた。でも、選考 はまだまだ続く。最終審査の課題は「最後に取りたい風景」。人生最 後の日にどんな写真を撮りたいか、というテーマだ。 最近大家さん(八名信夫)のカフェは臨時休業が続いている。僕と コハルちゃんは心配になって聞いてみた。すると奥さん(大森暁美) が拡張型心筋症で近所の大学病院に入院しているのだという。幸い大 事には至ってはないという話らしいけど、大家さんはすっかり気落ち している様子だった。 僕とコハルちゃんはお見舞いに行った。僕はコハルちゃんの面倒を 見てもらったりして負担をかけたのじゃないかと言った。けれど奥さ んはコハルちゃんのおかげで楽しかったと言う。子ども嫌いの大家さ んも同じ思いだということも教えてくれた。実は奥さんの身体が弱く、 子どもを産むのは難しいと医者に言われたので、大家さんは「わしゃ あ子どもが嫌いなんじゃ」と言い通し、奥さんのことをかばい続けて いたのだと言うのだ。 なんだか羨ましい話に思えた。長年そうやって思いやり合いながら 50年生きてきたのだから。 展示会での僕の写真は「ぬくもりや優しさが伝わる」と言った感想 が聞かれた。それを聞いて僕は嬉しくなり、ますます次の審査への思 いは高まった。コハルちゃんは陽子さん(優香)の育った場所に行っ てみれば?と提案してくれて、僕はそれに乗った。 ぼくはコハルちゃんを連れて、静岡の陽子さんのお母さん(草加真 由美)の実家を訪ねた。お母さんは陽子さんの子ども時代の写真を見 せてくれた。陽子さんは地元の私立小学校に通っていて、制服姿の写 真があった。 僕は実際にその学校へ行って、校門の前でコハルちゃんの写真を撮 ってあげた。 「コハルはママと同じ学校に行きたいです!」 コハルちゃんはすっきり気にいって、お母さんはそんなに喜ぶなら と陽子さんの制服をプレゼントしてくれた。けれど、僕は困惑した。 コハルちゃんをここに通わすとしたら、僕は自分の夢をあきらめなけ ればならないだろう……。 思いとは裏腹に東京に戻った後、僕は有名写真家のアシスタントに 指名されたり、最終審査の3人に選ばれたりと仕事が急に波に乗り始 めてきた。忙しくなる。 そんなバタバタが続いていたある日、保育園の迎えに行くと、コハ ルちゃんが落ち込んでいる様子をしていた。 友哉先生((関ジャニ∞))が申し訳なさそうに話した。コハルち ゃんが静岡の学校に行くと聞いて、僕が今の仕事を辞めることになる の?と聞いてしまったらしい。それで悩みこんでいるという。 「静岡に行くつもりはあるのですか?」 そう友哉先生に聞かれて、僕は言った。 「以前の陽子さんの面影を追うだけだった自分なら迷うことなく行っ てたと思います。でもコハルちゃんに出会って止まっていた時間が動 き出したんです。自分の世界が広がって本気で写真を頑張ってみよう という思いが芽生えて……」 コハルちゃんを静岡の私立小学校に通わすためには、もっと収入の ある安定した仕事に就く必要がある。写真家を目指したら、今後経済 的にも厳しくなるし、仕事に時間を取られる。それがコハルちゃんに しわ寄せが及ぶのは父親としては絶対にしたくない、コハルちゃんの 幸せを一番大事にしたいという思いがある。 僕は家に帰った後、コハルちゃんに小学校のことを話しかけた。し かしコハルちゃんはいつものように言った。 「コハルはママと一緒の学校には行きません。政宗くんと一緒にいた いです」 「…」 僕はHPで陽子さんの小学校の授業料を見てみた。ため息が出るば かりの高さだ……。コハルちゃんも口では行かないと言うけれど、こ っそり陽子さんの制服を着てみたりしている。 僕は最終選考のために休日は写真を撮りに行かなくてはならない。 コハルちゃんはすべて察したように大家さんと一緒に遊びたいと言い 出した。大家さんは数日前に足を捻挫して車いす状態だったので、僕 は迷惑にならないよう、預けるのを断ったが、大家さんは快く引き受 けてくれた。 コハルちゃんの父親か、笠間政宗か、僕の頭の中はそのことに気を 取られ、写真を撮るどころの心理状態でなくなってしまった。僕が最 後に取りたい風景っていったい何なのだろう、どこにあるのだろ う……。 結局審査日当日まで僕は納得のいく写真が撮れなかった。当日僕は お守りとして先日撮ったコハルちゃんの写真を持っていくことにした。 ところが保育園に送りに行こうとして家を出たとき、大家さんがよ ろよろと車いすを押して出ていくのが見えた。奥さんの容態が急変し たらしい。僕が車いすを押そうとすると、大家さんは「今日は大事な 日じゃろ、かまうな」と断って行ってしまった。 「…政宗くんはママにもう一度会いたかったですか?」 「……」 僕は駈け出して、大家さんの車いすを押した。僕はもう一度陽子さ んに会いたかった。大家さんに同じ思いをさせたくはない。 幸い奥さんは意識を取り戻し、危険な状態は脱したという。大家さ んの奥さんは「ありがとう」とまだよわよわしい声で言った。大家さ んは手を取って涙を浮かべながら「馬鹿なことを言うな。わしより先 に行くな」と言った。 そんな様子を見て僕は思った。陽子さんの最後に見た風景はなんだ ろう、なぜ僕はそこにいられなかったのだろう。僕は病院を後にして 会社に行き、伝えた。 「最後に撮りたい風景の答えをやっと見つけました……ここの仕事を 辞めさせてください」 どんなに心に残る美しい風景があってもそこに大切な人の笑顔がな ければ意味がない、それが僕の答えだった。 寸 評 難しい選択なのだとは思いますけれど、シビアな目で見ればコハ ルが生まれた責任の一端は政宗自身にあるわけですので、コハルを優 先するのは親の務めというよりは、人間としての当然の責務のように 思えました。迷うことに違和感を持ってしまいました。最終的にはコ ハルの幸せを選びましたけれど、自分の夢を諦めてというのは甘いか なあと思います。 執 筆 者 けん() ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 早いもので今年もあと1カ月弱。ところで師走という単語、教師でも忙しく て走り回る月だからと聞かされたことがあったのですが、実際にはちょっと違 うようです。実際師というのは法師だそうで、お寺の僧侶なのだとか。昔は正 月のころもお盆同様、供養してもらうことからお坊さんがあちこちの家を走り 回っているというのが語源だそうです。(けん) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |