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===================================================== 発行部数 26 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2009/11/08 (Sun) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.日曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 日曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル JIN ─仁─ 局 名 TBS系 放映日時 日曜21時 キャスト 東都大学付属病院の脳外科医 南方 仁(大沢たかお) 吉原の花魁 野風 (中谷美紀) 南方の婚約者 友永未来(中谷美紀) 貧乏旗本の娘 橘 咲 (綾瀬はるか) 貧乏旗本の息子 橘 恭太郎(小出恵介) 洪庵の弟子・医者 佐分利祐輔(桐谷健太) 洪庵の弟子・医者 山田純庵(田口浩正) 町娘 タエ(戸田菜穂) 蘭学者・医者 緒方洪庵(武田鉄矢) 町火消し「を」組 新門辰五郎(藤田まこと) 吉原の花魁 夕霧 (高岡 早紀) 吉原遊郭の主 鈴屋彦三郎(六平直政) 貧乏旗本の妻 橘 栄 (麻生祐未) 幕臣 勝 海舟(小日向文世) 土佐藩士 坂本龍馬(内野聖陽) 原作 村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」連載中) 脚 本 森下佳子 主題歌 あらすじ 第5回 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁(大沢たかお)は、病院の階 段からの転落事故をきっかけに幕末の江戸時代にタイムスリップして しまう。 南方は行く先々で、貧乏旗本の息子の橘恭太郎(小出恵介)、長屋 住まいのタエ、喜市親子らを治療する。 江戸時代の活気や明るい人々と知り合い、次第になじんでいく南方 だったが、その時代にはあり得ない現代医療の知識と技術を使うこと で、歴史を変えてしまう危険性に恐れを抱く。 が、せっかく助けた患者が別のことであっさり死んでしまうなど、 歴史は南方の行為を修正するように動いていく。 それをしった南方は、それならば、医者としてこの時代でできる限 りのことをしてやろうと決意するのだった。 南方は、知人の坂本龍馬(内野聖陽)につれてこられた吉原の「鈴 屋」で、女郎のトップである呼び出しの花魁・野風(中谷 美紀)に 頼まれ、主の鈴屋彦三郎(六平直政)の手術を成功させた。 「鈴屋」の面々、特に野風は南方に絶大な信頼を寄せるようになった。 そして、さらにもう一人、治して欲しい患者がいると野風が連れて きたのは、光の当たらない鈴屋の奥座敷。 そこに横たわりうめく病人は、かつての呼び出しの花魁・夕霧(高 岡早紀)だった。 南方は、夕霧の凄惨な姿に絶句する。 末期の梅毒……。 やせ衰え、体中に湿疹が浮かび、苦しそうにうめいている。 「先生、姉さんをこの病から救っておくんなまし」 懸命に訴える野風であったが、 「……残念ながら、手の施しようがありません」 南方はただ頭を下げた。 梅毒は、細菌に感染することによって引き起こされる。細菌が出す 毒が、皮膚、神経、そして脳髄を犯していく。 特効薬は抗生物質の「ペニシリン」。 しかし、この時代にはまだペニシリンは開発されていない。 1928年に、イギリスのフレミングによって発見され、青カビの中 にその存在を確認される。細菌を駆逐する力を持つ、史上初の抗生物 質であるが……。 薬が手に入らなければ、どうすることもできはしない。 しかし、吉原からは今日も梅毒で死んだ女郎が運び出されていく。 それを見送った洪庵と南方は、沈痛な想いで肩を落とすのだった。 南方は一人、居候している橘家で思い悩む。 ペニシリンを作ることができれば、治すことができるのに……。 そして、脳裏にかつて婚約者の友永未来(中谷美紀)に出会ったと きの記憶が思い浮かぶ。 医学部の後輩だった未来が、「ペニシリンの精製」についての研究 レポートを、南方に差し出してきたこと……。そして、「あきらめる っていうのが嫌いなんです」と真面目な顔で言った未来の顔……。 南方は、ペニシリンを作ってみようと決意する。 ペニシリンの原料となる成分は、青カビの中にある。しかし、それ を抽出するための方法が思い出せない。過去にヒントになることがあ ったはずなのに。 台所で、青カビの生えたみかんを見つめる南方のところに、恭太郎 がやってくる。 青カビを前に悩んでいる南方を不思議そうに見つめながら、恭太郎 は南方に「結婚していたり、思っていた人がいたのではないか」と尋 ねる。 恭太郎は、南方のつきそいで行った吉原で見かけた娘に、なにか感 じるところがあった。その思いがはっきりせずに、悩んでいたのだ。 南方は、婚約者がいたと応える。と、奥の戸棚で何かを倒す音がし て、ふとみると恭太郎の妹・咲(綾瀬はるか)が青い顔をして立って いた。足下のツボが転がって、中の油がこぼれてしまっている。 南方に密かな思いを寄せる咲は、南方に婚約者がいると聞いて動揺 したのだ。 咲は動揺をごまかそうと、何食わぬ顔をよそおってこぼれた油を拭 き始める。 「あ、油汚れを落としているのです。油は油で落とせ、と言いますか ら……」 油は油で落とせ……? 南方の脳裏に、記憶がよみがえる……。 そうか! 叫んで南方は走り出した。 ペニシリンの成分は油分を含んでいて、油に溶かすことができる。 そうやって、青カビから抽出し、精製していけば、ペニシリンを作る ことができるはず。 菜種油を使ってペニシリンを精製する方法を、あのとき未来がレポ ートで書いてきたことを思い出したのだ。 南方は、コレラ治療で知己を得た緒方洪庵(武田鉄矢)の「西洋医 学研究所」を訪ねる。設備も、人員もここならそろっている。 さっそく、洪庵の弟子の佐分利祐輔(桐谷健太)、山田純庵(田口 浩正)らに手順を説明し、ペニシリンの作成に取りかかるのだった。 昼夜分かたず作成を進め、ようやく高濃度のペニシリン溶液ができ た。 しかし、これが本当に効き目があるものなのか、まだわからない。 そこで、梅毒を培養した皿にペニシリンを浸した紙をおいてみて実験 をする。これで薬効を確かめるのだ。 数日たって、いよいよ実験の結果を確かめることになった。 二十数個の梅毒を培養した皿をひとつづつ確かめていく。 一皿目……薬効なし。二皿目……薬効なし。三皿目……薬効なし。 ……半数を超えてもまだ薬効が見られない。やはり、こんな設備では 無理だったのか……。 いよいよ終わりも見えてきた十八皿目……。薬効あり! 研究所は、大歓声に包まれた。 完成したペニシリンを持って、吉原へ向かおうとする南方。 付き添いが必要だが……。まだまだ大量に投与しなくてはならない、 ペニシリンの精製にも人手がたくさん必要。洪庵は急用があって来ら れない。 私が行きます! と手を挙げる咲。咲ならば、一緒にコレラ治療や開頭手術に付き添 ってくれたから安心だ。が、吉原には女性は入れない。しかし、咲は ためらわずに髪をほどき、男装をして南方と出かけていくのだった。 できたペニシリンを次々に注射し、夕霧はめざまく回復していく。 ……しかし、ペニシリンの精製には時間と手間があまりにもかかっ た。そして、夕霧の梅毒の進行もすでに重すぎた。 手を尽くして、ある程度の回復はしたものの、夕霧は危篤に陥って しまう。 もはやこれまで……。 咲は、美しかったはずの夕霧が、あばた顔になり苦しんでいる様子 を見て、不憫に思い、化粧を施す。 夕霧は感謝をしながら、静かに息を引き取るのだった。 徒労感にとらわれ、落ち込む南方に、野風は深く頭を下げる。 夕霧は、野風の前の「呼び出し」の地位にいた。長く野風にとって のあこがれだったのだ。病気で倒れた後、野風がその座に着いたが、 それについて一言も恨みがましいことも、愚痴も言うことがなかった。 そんな夕霧を、野風は深く慕っていた。 最終的には亡くなってしまったとはいえ、夕霧が回復し、穏やかな 最期を迎えられたことを、南方に感謝する。 南方は、咲と連なって帰る途中で、婚約者の未来のことを話す。ペ ニシリンができたのも、彼女が見せてくれた、青カビからペニシリン を抽出する方法を書いたレポートが記憶にあったからだ。 南方は未来のことを咲に話す。重い病にかかっていたこと。 自分 が手術に失敗してしまって、生きる屍にしてしまったこと……。 そして、この時代で医学の進歩をすすめることで、将来、現代の時 代の医学はもっと進歩するのではないか……。 そう思って、取り組んでいるのだと。 南方の心情を知り、咲は思いをあたらためるのだった。 しかし、その頃、幕府で洪庵や南方の活躍を快く思わないものたち による、ひそかな陰謀が進んでいたのだ……。 寸 評 ……ついに、ペニシリンまでつくっちゃいました。なんか、化学 の実験を見ているようで、とても面白かったですね。おそらく、昔、 一番最初にペニシリンの精製をやった人も、ああいう粗末な実験道具 を使ってやったのかもしれません。 それにしても、うまいことバランスを取っていると感心します。 ここで夕霧が助かってしまっても、その後の歴史に影響が出る。簡 単にペニシリンの精製ができちゃったりしても、同じく歴史に影響が 出る。そういうことを考えると、夕霧は手当のかい無く死に、ペニシ リンは精製にすごく手間がかかる、っていうのは、バランスを取るの にすごく最適な結末だと思います。 ますます「次はどうなる?」と楽しみになってきました。 執 筆 者 畑中ヒロ() ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- いよいよ視聴率が二十パーセントを超えるとか、この『JIN』はヒット街 道まっしぐらみたいです。ただ、このメルマガで要約をやらせていただいてい るだけなんですけど、なんか嬉しいですね。 人気のある原作のあるドラマで、キャストも豪華で、シナリオも練られてい て、お金も十分にかけられている。たしかになぁ、なんて思いますけど。 テレビドラマの凋落が言われていますけれど、面白いものは、それでもやっ ぱりきちんと結果がでるもんなんですね。(畑中ヒロ) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |