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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2008/3/11 No.330 ───────────────────────────────── 時代を切るメールマガジン、サハリンの情報を伝えるメールマガジン。 609studio が発行するメールマガジンとWebサイトをお楽しみに! ───────────────────────────────── サハリンの韓国語メディアはここ!! ラジオ放送とセコリョ新聞 http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html ───────────◆◆◆INDEX◆◆◆─────────── ◆現代時評:「株価、外国為替相場という魔物」 ken ◆本澤二郎の政治評論「ガソリン税」:本澤二郎 ◆セコリョ新聞ダイジェスト版:翻訳が届いておりません。 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評:「株価、外国為替相場という魔物」 ken ───────────────────────────────── ◆◆ アサヒコム 2008年3月8日 6日のニューヨーク外国為 替市場の円相場は、欧州中央銀行のトリシェ総裁の発言を材料にドル が売られ、1ドル=102円台に急反発した。午後5時現在は、1ド ル=102円61〜71銭と、前日午後5時(103円96銭〜10 4円06銭)比1円35銭の円高・ドル安で推移している。 ◆◆ 読売オンライン 2008年3月8日 7日の東京株式市場 で、日経平均株価(225種)は、前日の米株式相場の下落や円高の 進行を受けて大幅に値下がりし、前日終値で回復した1万3000円 台を再び割り込んで推移している。 午前9時20分現在、前日終値 比421円42銭安の1万2794円ちょうどとなっている。東証株 価指数(TOPIX)は同37・58ポイント低い1249・97。 東証1部上場銘柄の9割が値を下げている。 ■■ 3月に入って円高が急に進み、それを嫌気したとかで株価が急 落した。 またしてもマスコミが騒ぐ、「いよいよ日本経済も不況入 りした」と。 ところがボクの人生、前に似たような話を何度か聞い たことがあり、またかという感じである。 ■■ 今度も、「110円台だった対米ドル相場が102円になった 、輸出産業はたいへんである」と、マスコミが騒ぐ。 「バカも休み 休み言え。 つい10年前には1ドルが80円になったこともある。 それでも日本の産業は強かった。 仮令、100円割れの相場にな っても心配ご無用」と、ボクは声を大にして言いたい。 ■■ ボクの経験では、円高の最初の話は確かこうであった。197 0年ごろのことである。スミソニアン協定で308円・1ドルになる ほんの僅かまえ、長らく固定相場1ドル360円だったのが、僅か数 カ月の間に1ドル:320円まで円が上昇した。 もう日本の経済は 駄目だと、連日新聞ラジオが騒ぎ立てた。 そして、「今後、輸出は やっていけるかどうか」の緊急討論会を大阪貿易協会が開催した。 ■■ ところが、「もう駄目だ」という人ばかりで、「大丈夫だ」と いう側の発言者が居ない。 同じ意見ばかりでは討論が成り立たない 。 急に頼まれてボクが「大丈夫」の方の弁士を務めることになり、 会場へ行ってみて驚いた。 「もう駄目」の側の壇上の弁士は日銀支 店長であった。 彼は日銀大阪支店長という職責にも拘らず、臆面も なく「お先真っ暗」の理由を滔々として述べ立てる。 ボクは「大丈 夫」の側の頼まれ弁士だから、それなりに然るべく「日本経済は32 0円はおろか、260円くらいでもまだやっていける。 なぜなら輸 出産業で後を追う台湾・韓国も品質面でわが日本の比ではないから」 と、思うところを主張した。 ■■ その証拠として、1949年秋にそれまで採用していた円の「 複数レート制」が、単一レート360円制に変わったとき、もう駄目 だと新聞で報道された造船と自転車輸出が予期に反してその後ひじょ うに伸びた」という古い新聞記事コピーを示して、説明した。 相手 が日銀の偉い人だから、たぶん論理的だろうと、内心いささか遠慮し たが、多くの聞き役たちは、古い新聞の切抜きを示して説明するボク に同調する気配を見せてくれたのは嬉しかった。 ■■ だが後日の成り行きがボクに味方した。 そのあとの日本円は スミソニアン協定で同意した1ドル308円を軽く抜き、1年後には 1ドル:250円まで円が値上がりしてしまった。 そして日本経済 はますます上昇を続けた。 それ以来、ボクは日銀も、そしてマスコ ミ経済欄の見通しもぜんぜん信用しないことにしてきた。 さらに1 0年前には、日本円はついに1ドル80円まで値上がりしたのはボク らのいまなお忘れぬところである。 ■■ にもかかわらず、いままたドルが急落して1ドル102円にま で円高が進んだとマスコミは騒ぎ、輸出依存型の「日本経済はさあた いへん」であるという。 ボクは思う、10年前に1ドル:80円ま でになり、それでやっていけた日本経済が、102円でやっていけな い理由などあるハズがないではないか。 ■■ 考えてみると外国為替というのは、ナにかちょっとしたいきさ つさえあれば2倍や3倍のレート変化があるものらしい。 そのいい 例がフィリピン・ペソだ。 手元にある戦後発行の百科辞典では1ド ル:2ペソとなっているが、今日現在では1ドル:48ペソである。 ペソは戦後60年の間に20倍も値下がりしている。 だが、フィ リピンという国が滅亡したわけでもなく、それなりにフィリピン国民 たちは楽しく生活している。 ■■ もう一つ例を挙げよう、中国の人民元だ。 今日現在の人民元 の対ドル相場は0.14元強で中国からの輸出品の値から考えると驚 くほど安い。 だから、日本のみならず全世界が中国製品を買いまく っていて、とうぜんいま人民元の値上げが論じられている。 しか し仮に中国元の為替レートがいまの倍くらいに値上がりしても、全世 界はなお中国の安い製品を買い続けねばならぬだろう。 ■■ もともと人民元の対米ドルの出発は0.10元程度だったのがここ 数年間に値上がりして0.14元になったのだから、いわばだいぶ人 民元高になっているのである。 片や、いま円が値上がりしたという のは対米ドルの話で、対人民元ならば円は決して値上がりしていない 。 円:元レートはむしろ今なお日本円が安すぎる。 ■■ 米国が無限にドル紙幣を印刷し続け、それに4.5%という高 金利を付けて世界中から借金しまくっているドルという通貨に、総て が堅実で生産性も高いわが国の円をフィックスし、いわばドルペッグ とでも謂える日本円にしてしまっていたのは、じつはわが政府の怠慢 以外の何ものでもなかった。 ■■ もっともわが政府が表立って円のドルペッグ制を宣言していた たわけではないが、米国の核の傘の元に生きるわが国の金利を殆どゼ ロにしてしまえば、目先の高金利収入が欲しい俄か成金諸国が米ドル を買い、日本円を買わないのはとうぜんで、だから日本円が長くドル ペッグ同然になっていたのである。 ■■ そのドルの先行きがいよいよ怪しくなり、例え金利ゼロに近い ながら安全な日本円を買っておこうというのが、今回の日本円の値上 がりの原因と考えて、ほぼ間違いない。 われわれ日本としては日本 円が高くなるのは喜ぶべきことで、つまりは円信用が増したのである 。 国際相場が上がったといわれる石油、鉄鉱石、石炭も、願わくば 円建で輸入し、いくらか米ドル建て値段よりも安く入手できることを 願うばかりである。 ■■ もっともその反対給付として、わが国の主要輸出品目である自 動車、電機、鉄鋼などが少々売り辛くなるのはやむを得ない。 が、 それも円が超値上がりしたわけでないし、現在のわが国からの輸出値 の10%や20%程度の値上がりは個々の企業努力で解決できるだろう。 なにしろ10年前には、いちどは1ドル:80円時代も経験したわが国 である。 要するに、「円の値上がりは喜ばしいこと」という日本国 民の自覚が先決で、マスコミに踊らされ、円高不況などと騒ぐのは不 見識である。 ■■ 株価も同じである。 「円高不況で株の値が下がった」などと 悲観するのは間違いで、株価と外国為替の変動を直接に連動させるべ きではない。 まして「株価が下がって日本経済はお先真っ暗」など というのは誤解も甚だしい。 少々株価が下がろうと、その対価であ る産業の実質価値が下がったわけではさらさらない。 日本の上場会 社の財務実態やそのポテンシャリティはおそらく世界随一だろうし、 金融と称する株価の操作で短期的利益を貪ろうとする米国や中国の投 機家などの動きに一喜一憂せず、黙って自分の持てる株、つまり自分 たちの産業資本を持ち続ければいいのである。 ■■ われわれはいま資本主義経済の下にあるといわれている。 し かし、資本主義とは何か、われわれはそれを詳しくは知らない。 資 本主義社会だから、ある会社の株(資本)をより多く握ったものがそ の会社を支配するという、いわばハゲタカ・ファンド流の金融(?) 行為を是認するのが果たして資本主義であろうか。 さらに、日々の 相場次第でバクチのテラ銭同様に売り買いする株式市場の値上がり、 値下がりといった投機的数字を、果たして経済の指標として重視すべ きかどうか、この際、疑問視してみる必要がある。 ■■ いま、米国の株価は日本のそれの10倍といわれている。 その 差ゆえに米国の投資ファンドが日本経済を侵食しつつある。 さらに 最近、日本の株価平均が下落したとして、わが国経済の先行きを危ぶ む論調さえ見受ける。 だが端的にいえば、株価は投機家の操る魔物 に過ぎず、経済の実態を示すものとは言い難い。 株価の多くを真面 目に生きる庶民が評価すれば、バクチのテラ銭以外の何ものでもない。 それを、資本主義の美名のもとに経済指標の一つに取り入れているの は経済学の悪しき慣習、もしくは前時代的な錯誤と言ってもいいので は無いか。 ───────────────────────────────── ◆本澤二郎の政治評論「ガソリン税」:本澤二郎 ───────────────────────────────── [東京=「ジャーナリスト同盟」通信提供] <愚民税制> 道路を整備するための税金がどういうものなのか、多くの国民はそ の中身・仕組みを知らない。それをよいことに、あと10年続けよう という政府・自民党と、道路以外にも使えるようにしようという小泉 元首相や民主党がいる。他方で、余分な税金を「盗る」のは直ちにや めよ、と叫ぶマイカー族や自動車業界の正論はかすんでいる。 大半の国民は車を所有している。地方の家庭では一家に3台、4台 も所有している。既に道路整備はほぼ完了しているのだから、もとも のの税金に「まだ不足している」と称して2倍にしている税率は元に 戻す、すなわち本来の半分に減らさなければならない。当たり前の国 ではそうする。しなければ国内が騒乱状態になる。だが、日本は違う。 せっかく入ってくる税金をわざわざ減らす必要はない、別の方面に使 おう、という政治家・政党の考えは、愚民政策の最たるものである。 自動車を保有することが、それにどえらい税金を支払わされている ことについても、国民は無関心を装っている、と認識しているのだろ う。というよりも悪税のからくりを知らないのだ。かくして不当な税 金の是正が政治に反映されることはない3等国の日本である。かくい う筆者もしらない、知らなかったのである。日本自動車工業会に出か けて真相を解説してもらった。改めて、この国の民の知的レベルの低 さと政治的無関心の大きさを感じさせられた。マスコミの責任でもあ る。 戦前の官尊民卑は、今日においても確実に通用している。税金を搾 取するお上にとって、日本国民はまことに子羊のように扱いやすい。 かつての大蔵省、現在の財務省の官僚たちは、それゆえに搾取政策を 今後10年も続けようというのである。あたかもハイエナが子羊に牙 をむいて襲い掛かっている姿そのものである。昨年7月の政治変動が ガソリン税の正体を暴きつつあるのである。 <貧乏くじを引く福田> 福田赳夫とか彼の次男については、取材を通してある程度知ってい たが、今の康夫をよく知らない。しかし、彼のアジア重視の外交スタ ンスは悪くない。出来ることなら、安定軌道に乗せて東アジア共同体 に向けた明るい21世紀政策を進めたらいい。日朝関係の正常化も彼 の公約である。実現させたい。心からそう思う。しかし、これまでの ところ彼の本領は全く発揮されていない。二つの理由からだ。 政権を担当すると安倍が強行しようとして果たせなかった、戦場へ の給油作戦を継続させるという憲法違反法案の処理だった。断れば立 派だったが、日米のしがらみでそれが出来ない信念の弱い福田を証明 した。今は、2倍も余分にとっているガソリン税を、これから10年 も続けるという、これまた悪法を強行しようとしている。 「こんなものは止めよう」といえば、いっぺんに人気が上がるのだ が、官僚と族議員の圧力を跳ね返せない福田の政治力である。近い将 来「何のために総理大臣になったの」と家族・身内から非難されるよ うな綱渡りの国会運営をしている。 就任のさい、自ら口にした貧乏くじを引くありさまである。麻生太 郎ら右翼・台湾派がニンマリする政局展開である。昔の自民党であれ ば、国民が拒絶するような悪法が上程されれば、すぐさま党内反主流 から攻撃を受けて、さっさと旗を降ろすのだが、今の自民党には自浄 能力がない。惰性を突き進む末期的自民党なのだから。 7月の洞爺湖サミットでなんとか汚名挽回したいようなのだが、万 一うまく仕切れてもそのことで福田人気がそうそう高まるものではな い。年金問題一つとっても、解決できないでいる。国民の不安は解消 されそうもない。経済の低迷も追い討ちをかけている。憲政の常道に 従って早期の解散を断行するのが、彼の生きる道かもしれないのだが。 <車税は世界一> 手元に日本自動車連盟が作成した資料がある。排気量1800CC の180万円の車を3年間走らせると、どれくらいの税金をとられる だろうか。年間の走行距離1万キロ、年間ガソリン使用量1000リ ットル、1リットル130円で計算すると、実に52万7100円が 税金なのだ。 内訳は車本体にかかる消費税9万円、自動車取得税8万1000円 、自動車重量税5万6700円、自動車税11万8500円、ガソリ ン税16万1400円、ガソリン消費税1万9500円となる。車は 生活必需品でしかないのだが、それでいて自動車を購入し、走らせる ことは国民にとって実に高額な税金・負担を強いられるのである。 購入時の税金を国際比較すると、どうなるのか。日本自動車工業会 の資料によると、同じく1800CC、180万円の車を購入すると 、日本では72万4000円の税金がかかる。これは米国のおよそ3 8倍なのだ。フランスの13倍、ドイツの4倍、イギリスの2・4倍 なのである。 日本は自動車税43・5万円、重量税20・8万円、取得税8・1 万円がその内訳である。このほか消費税9万円もプラスされる。付加 価値税はアメリカの15・5万円からイギリス、ドイツ、フランスの 31万円から35万円となっているが、車本体の自動車税は日本が突 出している。世界一なのだ。重量税は日本のみが課税している。取得 税もまた、日本などまれな課税である。180万円の車の税金部分は ざっと80万円である。 税金は納めるものだが、日本国民はとられる、搾取と受け取られる のも十分な理由があるからなのだ。これも民主主義の成熟度・民度が 影響するものであろうが、それにしてもなんと悪どい税金であろうか 。自動車会社は、100万円の商品を180万円で売っていることに なる。官尊民卑もきわまった税制であろうか。 <道路特定財源> 自動車の税金を、改めて整理してみようか。車体と燃料の部分に分 けてみると、車体課税は自動車取得税と自動車重量税、そして自動車 税と軽自動車税である。このうち道路特定財源は前2者である。取得 税と重量税に問題の暫定税率がかけられている。昭和49年4月(1 974年)から平成20年3月(2008年)までだ。なんともひど い長すぎる暫定期間であろうか。福田内閣は、この悪法をさらに10 年継続しようというのである。許しがたい暴挙であろう。 取得税は3%だったが、暫定になって5%(自家用)に増税してい る。重量税は昭和51年5月から平成20年4月まで暫定税率にして ある。1800CCの車では登録時2万2500円が、暫定で5万6 700円と跳ね上がる。登録時以外では年間2500円が6300円 である。大変な増税である。 自動車税は都道府県の一般財源として年間3万9500円(180 0CC)、軽自動車税は市町村の一般財源として年間7200円も課 税されている。この二つには暫定税率はない。道路特定財源でもない。 燃料課税はどうか。野党が暫定を廃止せよ、と10年継続に反対し ているガソリン税(揮発油税)などである。このほか地方道路税、軽 油引取税、石油ガス税があり、いずれも道路特定財源になっている。 さらに消費税もこの燃料課税に入っている。税金だらけだ。このこと だけでも政治の硬直化を十分理解できるだろう。 このガソリンには1リットル24・3円の税金がかかっていた。そ れを平成5年から同20年3月までは暫定税率にしたのだ。その結果 、なんと1リットル48・6円に倍額にした。また、地方道路税とし て1リットル4・4円を5・2円に跳ね上げた。すなわち、2つ合わ せると1リットル28・7円を53・8円に課税して国民の負担を強 いてきたのだ。野党は元の28・7円に引き戻そうと反撃を開始して いるのである。理は野党にある。当然のことながら国民も賛成してい る。政府の非は明白である。 軽油引取税は1リットル15円を、やはり平成5年から今年3月ま で32・1円に跳ね上げてきた。この悪らつな税金も自民党政権の実 績なのである。石油ガス税は1キロ当たり17・5円で、こちらには 暫定税率はない。それにしても、まことに不可思議な悪質な暫定課税 であろうか。 これ以外に、消費税5%は車体と燃料の双方にかかる。 平成19年度の自動車関係税収総額は、日本自動車工業会の推定に よると、8兆9920億円である。ざっと9兆円だ。このうちの道路 特定財源分が5兆7728億円、およそ64%である。「もっともっ と道路整備に」と強弁して上乗せしてきた暫定分は2兆7300億円 である。暫定分をなくしても、道路財源はたっぷり残るのである。 <腐敗税制> 特定財源という税制は、腐敗の根源であることを理解する必要があ る。有り余る道路特定財源は、それを消化しようとして不用な道路計 画が立てられて自然・環境を破壊する。生態系を壊し、生き物を死滅 させたりする。まだ役人の宿舎を建設したり、旅行代金など遊びに悪 用されるほうが、害は少ないのである。特定財源という税金は、腐敗 の温床ともなっていることに国民は、そろそろ気付くべきなのだ。自 動車には、車を取得したさいに課税される。さらに保有しているだけ でも課税される。走らせると、そこにも課税される。自動車は税金の 塊なのだ。永田町を徘徊して30余年になるが、こんな悪法の存在に 全く気付かなかった。不徳の致すところである。 業界の試算には、こんなデータもある。 車の耐用年数は11年といわれる。毎年1万キロを1800CCの 車(180万円)を11年走らせるとする。この間にかかる税金はど れくらいになるのか。 自動車重量税 20万7900円、自動車取得税 8万1000円 、消費税(車)9万円、自動車税 43万4500円、揮発油税(ガ ソリン) 54万9000円、地方道路税 5万8700円、消費税 (ガソリン)6万7400円。合計すると、実に148万8500円 、これに有料道路料金を加えると、ざっと185万5020円。 180万円の車を11年間使用していると、同じ金額を税金として 支払わされる日本なのである。驚くべき負担を強いられている日本に 主権者は怒るべきである。 この自動車関係の税金およそ9兆円は、国と地方の税金の10%を 占めている。固定資産税の9%を上回っている。消費税の12・5% に迫る。法人税17・1%、所得税17・3%に及ばないものの、車 税がいかに巨額なものであるかが理解できよう。以上は2007年度 分のデータに基づいている。 <お上の暴走> 転んでもただで起きないという諺は、日本の役人根性ではないかな 、と思いたい。あらゆる問題を、それを口実にして国民に負担を押し 付けてしまう。官僚とはそういう特殊な人種というべきかもしれない。 資料によると、政府が道路特定財源を創設するとき「これは道路整 備に使うものだ」と説明して強行した。さらに「もっと増やせ」とば かり、暫定税率を導入するさいは「道路整備5カ年計画の財源を確保 するため」と訴えて、これまた強行した。問題の暫定税率を「今年か らあと10年継続したい」と言い張る政府与党である。 こうした暴走を許せるだろうか。 たとえば、自動車重量税を導入した昭和46年、政府は「第6次道 路整備5ヵ年計画の財源対策として」という口実で創設した。「道路 損傷負担金及び道路整備による受益者負担の考えから、自動車の重量 に比例して課税したい」とも説明して正当化した。 当時の福田赳夫大蔵大臣は「在来の財源では5ヵ年に3000億円 の不足が生じる。道路がよくなれば、その利益をこうむる自動車の使 用者に負担を求める。そう考えて重量税を創案した」と国会答弁して いる。昭和46年は1971年、佐藤内閣である。76年には終わっ ている。それを今まで引きずってきたのだから、お上のやることは庶 民・大衆の認識など通用しないものか。 暫定税率導入のさいは「第7次道路整備5カ年計画の遂行に必要な 道路財源確保のために税率を引き上げる」と強弁している。田中内閣 である。とうの昔に止めておくべきものである。それを今日まで引き ずってきていること自体、大問題であろう。政治の怠慢もきわまって いるではないか。 自動車取得税は「市町村の道路財源を拡充するため、道路目的税と して創設する」との口実で強行した。昭和43年、佐藤内閣である。 これの暫定税率を導入したさいには「第7次5ヵ年計画の遂行のため 」との口実である。昭和49年田中内閣である。とうに役割を終えて いる。腐敗財源として今日まで引きずってきていたのである。国民を 愚民扱いしてきたことが理解できようか。道路利権そのものとして位 置づけられている。官僚と政治家と業界が群れて蜜を吸っているサマ を見て取れよう。 余分にかき集めた税金は、納税者に返さなければならない。しかし 、お上は返そうとしない。やたら無用な道路計画をぶち上げてゆく。 無用な自然破壊道路をつくり、無駄遣いしてゆく。しかし、取りすぎ た税金はそれでもあまるのだ。それでも返そうとしない。道路以外の ことに使い始める。それでも余る。小泉内閣はついに禁を破って一般 財源に回したのだ。 これほど車を所有・利用している国民を愚弄する税制も珍しい。税 金泥棒ではないのか。平成18年には472億円、同19年には18 06億円を一般財源化している。 <不公平な負担> 専門家の指摘だと、自動車重量税は0・5トン当たり、いくらとい う課税である。同じ1トンから1・5トンの重量でも重量税は1万8 900円もあれば、2万5200円のもある。「高い車の料金が安く 、安い車の税が高いという不公平が生じている」とも。素人にはよく わからないのだが、ともかく公平ではない。 不公平といえば、車所有者と持っていない人の間に不公平が生まれ ている。都市の住民と地方の人たちの不公平もただ事ではない。自動 車ユーザーがより多くの負担を負っている。 ちなみに1世帯あたり愛知県飛島村は2・9台、福島県白沢村2・ 3台、栃木県芳賀町2・3台など地方の車の所有は多い。車のない生 活は考えられない社会であるからだ。他方、東京都中野区は0・28 台、同品川区0・35台など1台に届かない。交通網が整備されてい ることだけではない。ガソリンが高い、駐車場の料金も大変であるか らだ。 ここにも税負担の不公平が存在している。 せっかく建設された高速道路についての不満は大きい。通行料金が べらぼうに高いからだ。マイカー族だけではない。営業者も同様であ る。筆者も月数回車に乗るが、高速を使えば30〜40分のところを 、2〜3時間かけて一般道を走っている。ものすごい渋滞は、営業車 ・貨物車が一般道を走っているからで、それも料金の高い高速を回避 しているためである。1兆円以上もかけて造った東京湾アクアライン はいつもがら空きで閑古鳥が鳴いている。庶民が利用できない高額料 金のせいである。改革されたはずの道路公団は、相変わらず悪の華を 咲かせているらしい。国民をなめているのである。 暫定税率を止める、まずここから始めて、車への加重な税負担を改め る必要があろう。利権に左右されている道路計画を白紙に戻すことも 重要である。税金の一部をCO2を排出しない環境に優しいエンジン 開発に向けたらいい。政府・議会の健全な対応を求めたい。 ───────────────────────────────── ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判160頁 1,600円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP 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