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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン・2007/3/20 号外 ───────────────────────────────── 【609 Studio】 メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプト に論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報として、 ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その 他、寄稿記事など話題満載! URL ⇒ http://www.609studio.com ───────────◆◆◆ お知らせ ◆◆◆─────────── 2007年3月16日号のセコリョ新聞日本語版をお届けします。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2007年3月16日号 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 建築部門事業成果 先日、ヴェ・アルペロヴィツ副知事の参加の下で州建築管理局拡大会 議が開かれた。会議では、2006年度地域の建築部門における事業成 果と2007年度の課題について話し合われたが、当局の発表によると 、昨年の下請作業量は前年度より25%増加した630億ルーブル、建 材生産量は35億ルーブルに達し、新築の住宅建築は前年度より47. 1%増加した6万5300平方メートルに及んだことがわかった。これ からは特に学校や病院、文化・スポーツ施設の修理と熱や電力などの社 会インフラの現代化に力を注ぐ方針だと副知事が伝えた。 サハリン展覧会開催 サハリン州成立60周年を記念して、首都モスクワのロシア連邦政府 会館で今年の4月1日〜30日まで「サハリン展覧会」が開かれる。展 覧会では主にロシアにおけるサハリン州の経済発展の意義と役割を紹介 する方針であり、サハリン州経済委員会が中心となって行事の準備を進 めることになっている。 連邦政府、サハリン州社会インフラ構築の重要性認識 イ・マラホフサハリン州知事によると、連邦政府がサハリン州の社会 インフラ再建の必要性を十分認識し、支援をしてくれる見通しだ。先日 、州知事は経済発展・通商省を尋ね、連邦政府が推進中の「極東及びバ イカル地域の社会経済発展政策」にサハリン州の社会インフラ事業を含 めるべきであると訴え、連邦政府がこれに十分認識を共にしたことがわ かった。州知事が特に強調した事業はドリンスクの水道と暖房及び排水 システムの再建、ユジノサハリンスク市腫瘍センターの完成、ユジノサ ハリン熱発電所と変電所の修理、オゴンキ−ネベリスク、ユジノサハリ ンスク−オハ間自動車道路の再建などである。 断水 ユジノサハリンスク市議会がますます深刻化している断水の責任所在 を明きからにすることにした。最近、ユジノサハリンスク市では午前7 時〜10時までしか水道水がなく、お湯だけでは洗濯も洗顔もできない 状態が続いている。4,5月には雪も解け水不足が解消されるはずなの に改善の見通しはまったくなく水道代は高いと市民らの不満が高まって いる。水道局は去年の夏に雨が少なかったことや水道管の老化が原因で あると責任を回避。市議会は問題の所在を明確にし、水道料金の調整な ど打開策を探るための調査に乗り出すことにした。 平均賃金25%増加 サハリン州政府の発表によると、昨年住民一人当たりの月平均収入は 1万5451ルーブルで前年度より28.7%増加し、月平均賃金は昨 年同期に比べ24.5%増加した1万9千ルーブルであった。又、未払 賃金は75.2%が減った。 インタビュー:州議会北方少数民族原住民代表イエ・コロルリョワさん 「少数民族居住地の法的固着切迫」 ―サハリン州議会の北方少数民族代表を読者たちに紹介したくて訪ねま した。 ―ありがとうございます。私は2004年10月に行われた「第5次サ ハリン北方少数民族原住民大会」で代表に選ばれました。以前はオハの 小さい港町モスカリヴォで中学校の校長でしていました。その前は24 年間英語の教師をやっておりました。1988年にユジノサハリンスク 師範大学を卒業しました。結婚して息子が一人いるのですが、もう既に 大学を出て結婚しております。主人はロシア人ですが、少数民族の生活 様式や問題などに理解が深くいつも感謝しております。彼はある会社の 重役です。 ―州議会で北方少数民族を代表して難題を解決していくのは名誉でもあ るが、大変な仕事だと思うのですが・・・。 ―まさにそうです。周知の通り、我々原住民の直面している問題は少な くありません。まず、民族の伝統的生活様式を守り又それが保障されな ければいけません。即ち、伝統的な経済と言語と文化の維持発展、そし てそのための自然保護の問題を抱えております。昨年の末、オハ市にあ る北方少数民族伝統文化維持及び発展センターという社会団体の呼びか けで「アムール下流地域の少数民族代表者会議」が開かれましたが、そ れは大変有意義なものでした。各民族代表らが集まって、3日間、真剣 に今日における原住民の社会経済状況について熱く議論しました。その 上、今後の課題を明確し、皆が力を合わせ問題解決のために努力してい くことを決めたのです。 ―サハリン州にはどのくらいの原住民が住んでいるのですか。 ―あまり多くありません。約3500人ですが、主に6つの地域、即ち オハ、ノグリキ、アレクサンドロフスクーサハリンスク、トイムフスコ エ、ポロナイスク、スミルヌイフーに集中しています。最も多い地域は オハでスミルフイフには約30人ほどが住んでいます。 ―民族構成は如何ですか。 ―最も多い民族はニブフでサハリン州に2600人ほどです。ヤクート 人もいるのですが2−3人に過ぎません。 ―主にどのような職業に就いていますか。 ―今も伝統的な漁労作業を行っている人が一番多いです。狩猟や山菜と 木の実の採集をしている人たちもいるのですが、残念ながらこのような 伝統的仕事は日々少なくなりつつあり、トナカイの飼育はわずか数人に 過ぎません。 ―自然環境の変化が原因と言えるでしょう。 ―それは根本的な原因と言えますが、生活様式の変化も影響していると 思います。 ―漁労作業は原住民たちの主な経済活動と言えるのですが、筆者がポロ ナイスクを訪ね原住民たちと話をするといつも漁労クォーターが少ない 、住んでいる地域から遠く離れた所でしかも魚も少ない地域でしか漁労 許可が下りないとの問題を指摘しておりましたが、それについてはどう 思いますか。 ―実際、その実例が少なくありません。地方当局は漁獲高を上げるため にいい設備を持った規模の大きい会社に比較的よい水域を割り当てる例 が多い。だから、法律的に少数民族が利用できる地域を決める必要があ ります。周知のように、去年、少数民族が代々住み続け作業してきた地 域にガスパイプを設置しようとして原住民たちが抗議運動を展開したで しょう。少数民族の生活や文化を保障する地域として法律的に保護され ていたならばこんな問題は起こらなかったと思います。2004年度1 2月に「漁労及び水域生物資源保護に関する」ロシア連邦法が採択され ましたが、同法案にはロシア連邦北部、シベリア及び極東の少数民族の 伝統的漁労作業と伝統的生活様式を保障する条項が含まれており、そこ に漁労クォーターの規定原則が示されているが矛盾点もあります。だか ら法律を修正しないと少数民族の難題は解決できないと思います。昨年 の10月、州議会が連邦法修正案の発議に合意し、その決定書をモスク ワに送りました。州議会が今最も力を注いでいる問題がこれで、今後も 努力を続けていく方針です。ア・キスリチン、ア・ボロトニコフ、ベ・ ボリソフ州議員たちの協力が大きいのですが、エム・プラドコフ内閣宛 に送った要請文にはパスポートに民族を記入する必要があると主張しま した。 ―それはどうして? ―法的に保障された自然と土地を利用し、守るためです。 ―原住民たちの生活様式に少なくない悪影響を与えた「サハリンエネル ギー社」から何らかの損害賠償を受けましたか。 ―はい。毎年30万ドルの支援金を貰います。この資金は原住民の医療 奉仕や教育、文化、伝統的手工業発展に利用されます。又、昨年まで州 政府から1200万ルーブルの予算支援があったのですが、今年からは 例年の5倍の6000万ルーブルを割り当てられます。当資金の49% は住宅や運送、電力供給事業に、37%は社会問題に、14%は伝統的 経済活動に関連した部門に使われます。これらの資金が予定通り割り当 てられるのならば徐々に問題は解決されていくと思います。 ―ポロナイスク市ユズヌイ(サーチ)島にある北方少数民族子供たちの 学校(寄宿制学校)は校舎も古く、設備も悪い。学校の修理にも資金が 当てられるのですか。 ―去年の夏、私と州議員たちが学校を訪問し驚きました。我々から報告 を受けた州政府が直接学校を訪ね実態を調べた結果、1200万ルーブ ルの予算を当てることにしました。去年の秋から修理などが始まり新し い年には明るく綺麗な校舎でパソコンなどのいい設備の下で勉強するこ とができるでしょう。 ―その島に、日本ウルタ協会の田中亮会長(人類学博士)の呼びかけで 1941年から45年の戦争時、犠牲となったサハリン州北方少数民族 のための追悼碑が建てられましたが、建てられて10年ほどが立った今 、修理が必要な状態にあるのですが・・・。 ―田中博士は本当にありがたい方です。まだお会いしたことはありませ んが、周りからその先生のことはよく聞いております。博士の支援があ って今日までポロナイスクの少数民族が追悼碑の管理ができ、8月には 追悼祭も行っているとのことはよくわかっております。追悼碑の修理に 資金が当てられるように努力することを約束します。 ―ここに住んでいるサハリン韓人も同じですが、母国語を維持発展させ ることが容易なことではないと思われるのですが・・・。 ―本当にそうです。民族の文化と芸術は何とか維持することができまし たが、母国語のできる人たちは年々減り、今の若い世代は殆どが民族の 言葉を知りません。小学校の低学年の時しか母国語を教えないのも問題 です。この問題についてはいつも考えております。 朴・ヘリョン会長 世界韓人交流協力機構(W−KICA)創立総会に参加 2月28日に韓国で開催された世界韓人交流協力機構創立総会に出席 するために朴・ヘリョンサハリン州韓人会長が韓国を訪ねた。同機構は 海外同胞の法的地位向上と権利保護、相互交流増進などを目的に作られ たもので、世界各国から同胞代表120人が集まって今後の活動につい て話し合ったとのこと。日程の合間に、朴会長は韓国赤十字社と国会議 員、安山市コヒャンマウルを訪ね、追加永住帰国事業についての詳しい 日程や内容、サハリン同胞特別法案制定を巡っての国会での動きなどを 確認したと伝えられる。子供同伴の永住帰国を訴える特別法案の制定は 難航しているとのこと。 ───────────────────────────────── 発行 2007年3月20日 号外 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ─────────────────────────────── |