メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]313  2007/03/17


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★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2007/03/17 No. 313 (週刊)            前回発行部数:3,876

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
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バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2006年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2005年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

犬神家の一族 01/06 シャーロットのおくりもの 1/13 
ラッキーナンバー7 1/20 マリー・アントワネット 1/27
幸せのちから 2/03 墨攻 2/10
守護神 2/17 ドリームガールズ 2/24
ディパーテッド 3/03 蒼き狼 地果て海尽きるまで 3/10
どろろ 3/17
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どろろ ( )

U.S. Release Date: ?  

■監督:塩田明彦
■アクション監督:チン・シウトン 
■原作:手塚治虫
■キャスト:妻夫木聡/柴咲コウ/中村嘉葎雄/中井貴一 /瑛太 
■音楽:安川午朗/福岡ユタカ    
■字幕:
■お勧め度:★★★

 「手塚治虫の同名漫画を妻夫木聡、柴咲コウ主演で映画化した冒険活劇大作。
失われた元の体を取り戻すため魔物との闘いを繰り返す百鬼丸とそんな百鬼丸を
つけ回す盗人・どろろが繰り広げる旅の行方を壮大なスケールで描き出す。監督
は「黄泉がえり」「この胸いっぱいの愛を」の塩田明彦。
 とある時代のとある国。戦乱が続き、荒廃が進む世を憂う武将・醍醐景光は、
国を治める力を手に入れるため、生まれてくる我が子の体48箇所を48体の魔物に
差し出した。醜い姿で生まれ、そのまま捨てられた赤ん坊・百鬼丸は医師・寿海
に拾われる。寿海は百鬼丸に失われた部位の代わりとなる作り物の体と護身の妖
刀を与え大切に育てるのだった。立派な青年に成長した百鬼丸は、魔物を倒すご
とに失われた部位を一つずつ取り戻すことを知り、魔物退治の旅に出る。やがて、
そんな百鬼丸と出会ったコソ泥・どろろは百鬼丸の不思議な妖刀を手に入れたく
て彼の後を追い始める…。」(allcinema.net/より。)

アクション監督にチン・シウトン、「中国アクションクラブ」(北京語通訳付き)
で撮った魔物との戦いのシーン以外には、何も見るものが無い、と言ってしまえ
ばおしまいの作品。妻夫木聡のどこか「最高のキャスト」(チラシ)なのか、た
だ立ってるだけで、柴咲コウの頑張りぶりが空回り。アクションが決まっている
だけに、役者の剣術の下手さが目立つ。倒した後でポーズを決めるだけで誤魔化
すシーンも多過ぎる。

作品が面白い、面白くないとは別に、今だから映画化できた「どろろ」という意
味で、感慨深い。手塚治虫というと、それこそ「アトム」や「リボンの騎士」と
いった、大衆受けし、草創期のテレビ漫画としては文部省推薦的な作品で有名に
なった、ある意味で裏切り者のような感があるが、もしかしたら「どろろ」のよ
うな、奇抜でグロな作品も作りたかったのじゃないか。しかしそれを映画化する
には、奇抜でグロさが「常識」を越えているため、保守的な邦画界では実現しな
かった。内容的にも、いわゆる時代劇のワンパターンさ(殺陣を含む)では、発
想が死んでしまう。こうした問題を乗り越えるために中国スタッフを活かし、ニ
ュージーランドロケで国籍不明にしたことで、手塚治虫が描きたかった「どろろ」
の映画化が、やっと実現した。漫画/アニメとそのマスコミ的な解釈、扱いには
こういう事が多くて、松本零士の(「ハーロック」を別にすれば)最高傑作とも
言える「四畳半物」(「男おいどん」)を一切、無視して、駄作としか言えない
「ヤマト」(安っぽい恋愛物)やら「銀河鉄道」(マザコンならぬ「オネコン」)
だけをアニメ化し映画化するというような傾向、これに反するものとして「どろ
ろ」を見れば、手塚治虫もやっと浮ばれるかもしれない。

国を治めるために、天下を取るために、まだ生まれていない息子の体の48箇所
を魔物に売り渡し、殺しておけばいいものを、妻が助けてしまったために、百鬼
丸となって、魔物を一つ倒すたびに、取られた体の部分を一つ、取り戻す。そし
て自分にそうした宿命を与えた仇が誰なのか、知ることになり、対決する。この
対決部分は、親は殺してはいけないというような道徳論に没しかけているが(ち
ゃんと殺す)、体の部分を一つ一つ、取り返すというのは、奇抜&グロの面白さ
があり、手塚治虫がマスコミ(と大衆)にヨイショされて、つけ上がらなかった
ら、こうした異色の作品を他にも書いたのかもしれない。どちらが残るか。今さ
ら「鉄腕アトム」を映画化しようというような馬○は居ないだろう。その意味で
は、手塚治虫の才能がやっと正当に評価されるような時代になったのかもしれな
い。もちろん、これは「中国アクションクラブ」無しには考えられないとは言え
るが。時代劇にはそれなりの良さがあり、それを有効に活かした海外作品も増え
ているし、海外スタッフを使った時代劇というのも、あっていいし観て楽しい、
面白い作品になる、という事を証明した作品とも言える。こうして考えると、白
土三平の「カムイ外伝」だったか、違うかもしれないが、手裏剣が変化球のよう
に飛んだり、不老不死の話しとか、敵に抱き付いて木から落として殺す技とか、
これを中国、香港のアクションスタッフと技術で映画化したら、「どろろ」系統
ではあっても、もっと面白い作品になるかもしれない。先週の「蒼き狼」で角川
春樹が意地になって当時のノリを再現してみたり、「どろろ」では、漫画なのに
「PG12」とある事からも分るように、タブーとまでは言わないまでも、邦画
の常識を打ち破るような作品が出てきた事は、そうした可能性が開けてきた事を
意味するのかもしれない。まだ眠る漫画の名作の、こうした映画化に期待。


ヒアリング度:
感動度:★★
二度以上見たい度:★
劇場で見たい度:★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

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痩身男女 01/07 長恨歌 01/14
THE 有頂天ホテル 01/21 レジェンド・オブ・ゾロ 01/28
フライトプラン 02/04 ミュンヘン 02/11
ジャーヘッド 02/18 ナイト・オブ・ザ・スカイ 02/25
ダイヤモンド・イン・パラダイス 03/04
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 03/11
イーオン・フラックス 3/18 SPIRIT 3/25
サウンド・オブ・サンダー 04/01 ALWAYS 三丁目の夕日 04/08 
プロデューサーズ 04/15 連理の枝 04/22
ニュー・ワールド 04/29 レント 05/06
Vフォー・ヴェンデッタ 05/13 明日の記憶 5/20
ダ・ヴィンチ・コード 5/27 夢駆ける馬ドリーマー 6/03
ポセイドン 6/10 インサイド・マン 6/17
バルトの楽園 6/24 ウルトラヴァイオレット 07/01
トリック劇場版2 7/08 M:i:III 7/15
日本沈没 7/22 
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 7/29
ゲド戦記 8/05 釣りバカ日誌17 8/12
東京フレンズ The Movie 8/19 スーパーマン リターンズ 8/26
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ユナイテッド93 10/28 父親たちの星条旗 11/04
地下鉄(メトロ)に乗って 11/11 太陽 11/18
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007/カジノ・ロワイヤル 12/09 硫黄島からの手紙 12/16
エラゴン 遺志を継ぐ者 12/23 大奥 12/30 

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