メルマガ:面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)
タイトル:[ROADSHOW REVIEW]281  2006/08/05


━━━[PR]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[PR]━━━
★★★↑↑↑「ヘッダー広告」募集中です。料金等、詳細については、一番下を
御覧ください。
==========================================ROADSHOW REVIEW=====

★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
     2006/08/05  No. 281 (週刊)            前回発行部数:3,538

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
毎週見ているロードショー映画の感想です。出来るだけタイムリーに(上映
期間中に)おとどけします。個人的な趣味で選んでいるので参考になるか分
かりませんが、見たまま、思ったままを書きます。

お断り:この「感想」は、通常、一週間ほどかけて書いています。その間、記
憶違い、想像力の逸脱等から、本来作品には無かったような事を書いてしまう
場合があります。その際は御了承ください。
====================================================================
バックナンバーと発行日は下記のホームページにてご覧いただけます。
★2005年分は、「感想」の下に移しました。2001〜2004年分につ
いては、サイトを御覧下さい。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

痩身男女 01/07 長恨歌 01/14
THE 有頂天ホテル 01/21 レジェンド・オブ・ゾロ 01/28
フライトプラン 02/04 ミュンヘン 02/11
ジャーヘッド 02/18 ナイト・オブ・ザ・スカイ 02/25
ダイヤモンド・イン・パラダイス 03/04
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 03/11
イーオン・フラックス 3/18 SPIRIT 3/25
サウンド・オブ・サンダー 04/01 ALWAYS 三丁目の夕日 04/08 
プロデューサーズ 04/15 連理の枝 04/22
ニュー・ワールド 04/29 レント 05/06
Vフォー・ヴェンデッタ 05/13 明日の記憶 5/20
ダ・ヴィンチ・コード 5/27 夢駆ける馬ドリーマー 6/03
ポセイドン 6/10 インサイド・マン 6/17
バルトの楽園 6/24 ウルトラヴァイオレット 07/01
トリック劇場版2 7/08 M:i:III 7/15
日本沈没 7/22 
パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 7/29
ゲド戦記 8/05
====================================================================
ゲド戦記 ( )

U.S. Release Date: 

■監督:宮崎吾朗 
■原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
■制作:スタジオジブリ 
■キャスト(声):菅原文太/風吹ジュン/田中裕子/岡田准一/手嶌葵
■音楽:寺嶋民哉、手嶌葵、宮崎吾朗、カルロス・ヌニェス
■字幕:
■お勧め度:★★★★

「ル=グウィンの名作ファンタジー『ゲド戦記』をスタジオジブリが映画化した
長編アニメーション。巨匠・宮崎駿監督の息子、宮崎吾朗の第一回監督作品。声
の出演は主人公アレン役に岡田准一、ヒロインのテルー役には新人・手嶌葵。
 多島海世界“アースシー”では、西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の住む
東海域に現われ共食いを始めた。それに呼応して、世界ではさまざまな異変が起
こり始める。世界の均衡が崩れつつあるのだった。偉大な魔法使い、大賢人ゲド
は、災いの源を探る旅に出る。やがて彼は、心に闇を持つ少年、エンラッドの王
子アレンと出会う。影におびえるアレンを伴い、旅を続けるゲドは、ホート・タ
ウンの街はずれにある幼なじみテナーの家に身を寄せる。そこには親に捨てられ
た少女テルーも住んでいた。彼女は、自暴自棄になっているアレンを激しく嫌悪
する...。」(allcinema.net/より)

個人的には、とても楽しめた作品。「個人的には」という事に注意を頂き、あち
こちのブログでクソミソに言われている理由も分らないではない。本作品はアニ
メといっても、間違っても子供向けではないので、当日は夏休みともあって、子
供連れが目立ったが、おそらく30分でダダをこねだすだろう。この点、ご注意
ください。

2点。菅原文太(大賢人ゲド)、風吹ジュン(ゲドの幼なじみのテナー)、田中
裕子(魔女)の三人の声の出演が最高に楽しい。あえて声優ではなくて、俳優を
起用したのは、作品の内容が、いわゆるアニメとはちょっと次元が違うためだろ
う。ただしこれも個人的なことで、菅原文太は(愛川欽也とのバカ騒ぎ的な)
「トラック野郎」の頃から、風吹ジュンはデビュー当時、公私両面にわたり、散
々バカをやり、芸能ネタにされ、またそれがあるために、最近では素晴しい女優
に成長したこと、また田中裕子は「マー姉ちゃん」だったか「おしん」だったか
忘れたが、デビュー当時から一目置く存在だった。いずれも今は歳老いて、あま
り出る機会がないせいか、こうした形で声だけでも聞けるのは、これだけでも感
動するし、キャスティング的にも最高。という事を抜きにして作品を観た場合、
むしろ人気の声優が出ていないということが、悪評の一因となるかもしれない。
主人公は「アレン」でも「テルー」でもなくて、この3人なので、これも前宣伝
の失敗というか、若い観客を考慮した結果として、観客を裏切ることになったか
もしれない。しかし今の世代に菅原文太、風吹ジュン、田中裕子をメインとして
宣伝しても、まるで効果が無いという、製作者としては苦しい選択だったかもし
れない。

本作品は、おそらくかなり長い原作を、無理矢理2時間弱にハショッてしまった
と思われる。これも製作者としては苦しい選択だっただろう。本来なら2部か3
部作で作りたい作品を、興業成績が全ての映画の世界で、第一作でボツったら、
二作目は無いこと、そして宮崎吾朗としてはこれが最初の作品であることから、
どうしても一本にまとめる必要があった。このため、作品の内容を既に知ってい
ないと、何がどうなっているのか分らないというか説明不足になったきらいがあ
る。ただし、ゲーム、具体的には「ファイアーエンブレム」シリーズをやり慣れ
ている場合は、この作品から取ったという事が分って楽しい。竜と人間が別の世
界に棲むことになった背景、そして少女テルーが実は竜族の娘だったこと、これ
は直接「烈火の剣」(GBA)のニルスとニニアン姉弟に繋がる。ただし物語り
的には「烈火の剣」の二人の運命の方がはるかに内容があるという事も事実だが。

テーマ的にはかなり深いものがある。アレンは自分の影に怯え、生きたいという
欲望から父王を殺害するにいたるが、この理由はあまり明確に描かれていないも
のの、生きたいという欲望、あるいは永遠の命への願望というものは、裏を返す
と、生きる事を放棄することでもある。自分がいつか死ぬことを知っているから
こそ生きられるのであり、生きたいという欲望に取り付かれた場合(魔女の場合)
、あるいは実際に永遠の命を手にするということは、生きることを否定すること
に繋がる。そして死にゆく者が次の世代に命を託すこと、それこそが、永遠の命
ということになる。というような深いテーマをアニメで描いていったい誰が分る
のか、と聞きたいが、このテーマを取ったら作品には何も残らないことになる。
ということでこれも、間違っても子供が見て楽しめるような作品ではないだろう。

そしてこの作品がクソミソに言われている第三の理由として、「宮崎駿」と「ス
タジオジブリ」に期待しすぎて、期待したものが提供されなかったことへの反感
があるだろう。

宮崎駿という監督は多重人格ないし分裂症ぎみで、観る側を一定とすると、作品
にひどい当たりはずれがある。最悪の場合はロリコン作品となり、そうした幾つ
かの作品は駄作に過ぎない。そして共通して言えることは、全ての作品に宮崎駿
の多重人格の各々を反映させる。これに対して本作品での息子、宮崎吾朗は、そ
うした父親とは違い、原作を忠実に再現することに徹したと思われる。この事が
むしろ「宮崎駿」という、言ってみれば今や偶像とも化している存在に期待を寄
せて観た観客としては、個性の無さとして映ったかもしれない。たしかに宮崎駿
の良い方の人格を反映したいくつかの作品と比べてしまうと、夢やロマンといっ
た要素に欠ける。

絵ということに関しても、テーマにそぐうように、押えたきらいがある。極言す
ると「ナウシカ」のレベルとなんら変りは無い。ただのテレビアニメのレベルと
も言える。ただしこれも宮崎吾朗としては、「ルパン三世・カリオストロ」
(1979年)の次の実質的なオリジナル・デビュー作品だった父親の「ナウシカ」
(1984年)と同じレベルからスタートしたかったのではないだろうか。それこ
そ人物の描き方から着ているものまで、全てと言っていいほど「ナウシカ」調と
なっている。20年前の作品と同じレベルのアニメでは、このことを度外視した
観客に文句を言われても仕方ないだろう。ただし個人的には、宮崎吾朗あるいは
その他、製作者のこの選択は適切だったように思われる。(ただし、製作に日テ
レが絡んでいるため、この事が果たして製作者の意図だったのか、テレビ放映の
ための「勅令」だったのかは、分らない。)

観る価値のある作品ながら、上のことを一切度外視して観た場合の感想(お勧め
度:★★★★)については、一切、責任の持てない作品。


ヒアリング度:
感動度:★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★★★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)

--------------------------------------------------------------------
★★★(懲りずに)発行者よりのお知らせ★★★

中国映画「長恨歌」DVD 主演サミー・チェン (2005年)、ヤフーオークションに
て不評、販売中です。その他の販売品目:「「ホームツール12点セット」収納
ケース付」、「Win/Mac 傑作ボイスファイル集 + Audio CD」。

「長恨歌」は宣伝目的のため、値下げは致しません。1200円
「Win/Mac 傑作ボイスファイル集 + Audio CD」:値下げしました。800円
「「ホームツール12点セット」収納ケース付」:500円

直接販売も行っております。海外発送、承ります(支払い方法:「PayPal」、
国際郵便為替)。

ヤフーオークション、eBay(アメリカ)にて出品落札代行しております。売りた
い物、買いたい物のある方、ご連絡ください。

(神奈川県 公安委員会 古物商 許可 第451320001094号)
====================================================================
-今後楽しみな映画:

★ブロックとリーブスの恋愛もの

サイトのコンテンツ:
-メルマガ発行システムの状況:名称/URL/コメント/現在12システムをカバー
★★最終更新:2006年05月28日
-映画のことなら Google search:英文タイトル入力で検索結果のトップに
-劇場リンク:全国劇場案内
-字幕関連サイトリンク:字幕の「なぜ?」に答えるF&Qサイト(その他)
-The Internet Movie Database (IMDb) 映画のデータベース
--------------------------------------------------------------------
2005年分:
ターミナル 01/01 エイリアン Vs. プレデター 01/08
カンフーハッスル 01/15 東京タワー 01/22
オーシャンズ12 01/29 レイ 02/05
アレキサンダー 02/12 ボーン・スプレマシー 02/19
運命を分けたザイル 02/26 オペラ座の怪人 03/05
ローレライ 03/12 大統領の理髪師 03/19
ナショナル・トレジャー 03/26 アビエイター 04/02
ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月 04/09
コーラス 04/16 コンスタンティン 04/23
Shall we Dance? 04/30
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 05/07
海を飛ぶ夢 (2004) 05/14 キングダム・オブ・ヘブン 05/21
ザ・インタープリター 05/28 ミリオンダラー・ベイビー 06/04
クローサー 06/11 戦国自衛隊1549 06/18
バットマン ビギンズ 06/25 ダニー・ザ・ドッグ 07/02
宇宙戦争 07/09 スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 07/16
逆境ナイン 07/23 アイランド 07/30
亡国のイージス 08/06 妖怪大戦争 08/13
サヨナラCOLOR 08/20 マジック・キッチン(魔幻厨房) 08/27
奥さまは魔女 09/03 マザー・テレサ 09/10
チャーリーとチョコレート工場 09/17 ファンタスティック・フォー 09/24
シンデレラマン 10/01 シン・シティ 10/08
ステルス 10/15 忍 SHINOBI 10/22
ドミノ 10/29 ティム・バートンのコープスブライド 11/05
ブラザーズ・グリム 11/12 エリザベスタウン 11/19
イン・ハー・シューズ 11/26 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 12/03
Mr. & Mrs.  スミス 12/10 SAYURI 12/17
キング・コング 12/24 男たちの大和/YAMATO 12/31

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆↓↓これより下は、毎回、同じです。
======================================================================
★ヘッダー広告募集要領★
 
個人、法人、内容問わず、ただし「公序良俗」を害しないもの。
広告のサイズ(長さ)は、10行まで。料金は、個人(的な)広告の場合、
一回500円、法人は、一回1000円。連続掲載の場合は最大3回まで。

振込先:銀行、ぱるる、イーバンク(他行からの直接入金が可能になりました)
 
★★広告文の作成の際には、メール本文に貼り付けるなどして、体裁を整えたもの
を送ってください。
======================================================================
★★★★★面白かった映画、つまらなかった映画(ロードショー)★★★★★
                    2006/08/05  No. 281 (週刊)  
発行者:シド(syd@kotoba.ne.jp)
このメールマガジンは(主に)以下の配送システムを利用して発行しています。

カプライト    http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/1776.html
E-Magazine    http://www.emaga.com/info/syd111.html
メルマガ天国  http://melten.com/m/4480.html
melma!        http://www.melma.com/backnumber_32970/ 

Home Page (登録/解除/バックナンバー)
http://www003.upp.so-net.ne.jp/syd/roadshowmm.html

【無断転載不可です。】
==========================================ROADSHOW REVIEW======

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。