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◇◆◇609 Studio メール・マガジン◇◆◇ 2005/5/17 No.214 【609 Studio 】メールマガジンは「現代社会を斬る!」をコンセプ トに論説委員Ken氏の論説「現代時評」をはじめ、サハリン情報と して、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト 版、その他、寄稿記事など話題満載! 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派にも、一見もっともな民営反対の理由があるから、無碍に抑え込ん で強硬突破するのも憚られる。 政府も困り、与党領袖側もいささか 引っ込みがつかず、困り果てている。 事態は泥沼に嵌り込んだ、と いうべきか。 ■■そこで考えてみる。いったい民営化を言出した最初の理由は何か 。最近の小泉首相は、郵政民営は「時代の要請」であると、すこぶる 抽象的な事を言い、今になって端的に目的を示せないかに見える。 民営を唱え始めてから長期間が過ぎ、最初唱えた、その理由さえ忘 れてしまったのはボクのみでは無かろう。応仁の乱やジャンヌダルク の百年戦争と同じで、時が経てば肝心の目的が風化して、争いだけが 残る。 ■■いろいろ思い起こしてみて、たしかその理由に二つあったような 気がする。(もしボクの思い違いであれば、賢明なる読者の指摘を期 待する。) 先ず一つは、400兆円ともいわれる郵貯、簡保の資金 を政府が遣い込んでしまったので、今後、そのようなことの無いよう 、民営に改組して、政府への安易な貸出しを防ぐ。 もう一つの目的 は、不能率な官営を、民営に変えて業務の効率化を謀る、ということ だったと思う。 もし上の二つが主たる理由だとすれば、両方とも少し理屈に合わぬ ところがある。 ■■先ず、400兆円もの大金を財政投融資などの名目で政府が遣い 込んでいるのであれば、将来民営にすれば、政府に貸さなくて済むの か。決してコトはそのように簡単に運ばない。政府は財政大赤字で、 心ならずも郵政関係のカネを遣い込んだのであり、決して面白半分に 遣い込んだわけではない。 もちろん、グリーンピアなどへの無駄遣 いもあるが、じっさいは本四架橋や道路公団のように長い目で見て真 面目な建設投資が殆どであった。 マスコミは、「投資回収が難しく 不採算面への政府資金投入はすべて無駄遣い」と断定するが、採算の 合わぬ未来事業へこそ、政府の投資が必要ではないのか。 ■■さらに、もし政府が、郵貯簡保からカネを借りなかったら、郵政 はその膨大なカネの運用先をどこに見つけられたであろうか。投資フ ァンドに貸しても、海外へ貸しても、いまは対政府貸しより、危険な 時代であるのだ。 ■■念のために言えば、わが政府はいま1兆ドル近いといわれる外国 為替剰余金の殆どを米国政府証券に投資している。そのうち焦げ付き になると噂されながらも、米国に貸している理由は、米金利が4%と いう高利である上、そのような大金の貸出し先として米政府以上に安 全な投資先を見つけ難いからである。 ■■もちろん米国へ貸すリスクは判っているが、それでも他の、例え ば開発途上国へ貸すリスクと比較すれば、たとい米ドルが切り下げら れても、少なくとも半分以上は戻る、という目算がある。英国も中国 も、いまなお対米貸しを継続している理由はそこにある。 ■■郵貯・簡保資金の乱脈貸付も少々は事実だが、民営でも同様の不 良貸出しがある。ほぼすべての市中銀行がいまなお不良貸出しで困っ ている現状をみれば、それは分かる。民営か公営かの問題ではない。 ■■つぎに民営移行による効率化の問題だが、これとて同じだ。あれ ほど非効率だった郵政も、最近はすでにだいぶ合理化が行われ、窓口 サービスなどは目を見張るばかりに良くなっている。宅配業者との競 合で生産性も上がっているし、必ずしも民営でなければならない必然 性はない。最初、小泉さんが言い出した頃の、郵政の民営化論はたし かに「時代の要請」という話だったが、それがこと郵政の効率化を図 るという意味であれば、いまやその効率化の半分はすでに為し遂げら れている、と考えて大きく違わない。 ■■いまもし「時代の要請」という言葉をそのまま継続理由にするな らば、どのような「時代の要請」か、その内容をもう少し明快に説明 しなければならない。 それについてのボクの答えはこうだ。 過去10年のデフレで、日本の経済は沈滞し、社会における「時代 の閉塞感」が強い。 こうしたとき、民心を一新し、時代意識のすべ てを将来への希望に胸膨らませねばなるまい。そうした意識変換のた めには、とりあえず何かを変えるか、危機意識を注ぎ込むかをする必 要がある。それは、古い言葉でいえば「国民精神の作興」である。 ■■それには外に仮想敵を作り、「国家の危機」を訴えるのも一つの 方法である。 ところがいまの日本は戦争放棄していて、その手は用 いられない。 ならば、目先、国民生活に直結している行政実務など で、手っ取り早く目を見張る変革をつくればいい。その点、郵政は、 外国との関係などで複雑な交渉ごとは無いし、まぁいわば無難な部署 だ。これを民営化し、国民をして「ああ、時代は変わっている」と直 感せしめるのがいい。 小泉さんの言う「時代の要請」とは、つまり はそういうことである、とボクは思う。 ■■それが亀井元大臣のように「変える必要は無い」と言いきれば、 時代は何も変らず、閉塞感のままである。もちろん変わらなくても、 取りあえずは問題ない。が、それでは変革できず、「国民精神の作興 」にならない。 簡単にいえば、いまは「何か変えるため」の「変革 」が必要なのだ。 それがもし、あれほど騒がれた「郵政民営」論す ら実現できないとなれば、またもとの木阿弥で、国家も民意も沈滞し たままになる。 いま、よその国々は大いに変わりつつある。もし日本がこのままで は、「老いた老英国」と同じになる。それでもいいが、何はともあれ 、取りあえず変わって見るのも一方法だ。 それには、「一先ず壊して見る」ための郵政民営ではどうか。 ■■明治維新がいい例だ。まさかと思った十五代将軍徳川慶喜氏がと つぜん政権を返上してしまった。 否応無く「一先ず壊れてしまった 」日本政府であった。 そしてそこから明治維新が始まった。 薩長も慌て、土肥も狼狽した。 天皇制をどうするか、宗教をどう するかの基礎的アイデアも皆無だった。 天皇制の存続などは、ちょ んまげを結ったまま米欧回覧に出た岩倉使節団の帰国を待っても、な お決まらなかった。 太政大臣(首相)より上位に、「神祇伯という 神懸り職」を据えたのも、てんやわんやのなせるわざであった。 そ れでも、結果として明治維新は大成功だった。 何もしないで「布団 を被って寝ている」よりは、「一先ず壊してみる」という方がいい場合 もある。 郵政民営で、明治維新を見習ってみようではないか。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] 2005年5月13日号 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事、は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 戦勝60周年記念行事―永遠の思い出 5月9日、ユジノサハリンスク市で戦勝記念行事がスラヴァとポベ ダの2カ所で行われた。この日のために広場や慰霊塔など関係設備の 整備が行われた他、兵士像の後には南部サハリンとクリル島の解放の ために命を亡くした兵士たちの名前が新たに刻まれた。18万人余の 住民の住んでいる当市。寒さの中でも1万人ほどの住民と戦争老兵た ち、国家機関、社会諸団体など大勢の人が広場に集まった。献花と祝 賀公演など多彩な催しがあった。祝賀公演に参加したイ・マラホフ サハリン州知事は数百万人の犠牲者を生んだ日を忘れてはいけないと 強調しながら戦争老兵たちに頭を下げて敬意を表した。 サハリン韓人会も戦勝記念日を祝う サハリン韓人会も韓人戦争老兵や後方戦士、国家勲章やメダルなど を授与した同胞1世たちを市内カフェに招待して敬意を表す晩餐会を 開いた。晩餐会を主催した韓人会代表朴・ヘリョン会長は祖国のため に戦った招待客の皆様方に敬意を表した後、晩餐会のスポンサーとな った同胞ビジネス・マンたちにお礼を述べた。 春の播種準備 5日、サハリン州副知事主催の政府会議で農業管理局から州内農業 企業らの春の播種状況について報告を行った。報告によると、一部地 域では資金援助が予定通り下りなくて播種が少々遅れるところもある が全体地域で最も深刻な問題は専門家不足であると指摘しながら技術 者養成など解決策について真剣に意見が交わされた。 老兵たちのためのコンサート 11日、白・スギョン社長が個人運営しているエストラダ・オーケ ストラがチェーホフセンターで戦争老兵や後方戦士たちのためのコン サートを開いた。主に戦争を主題としたこの公演に州や市政府関係者 と議員たちが出席した。 父母の日を迎え 韓国では5月8日が父母の日である。ユジノサハリンスク市韓人婦 人会を祖国の風習に従って、同日1世の年寄りを招待して感謝の気持 ちを伝える集いを企画実行した。年寄りたちは婦人会の手作り料理を 食べながら、民謡と踊りで楽しい一時を過ごした。 今年初の一時母国訪問 12日、今年に入ってはじめての一時母国訪問団78人がアシアナ 航空便で祖国に向かって出発した。訪問団は1週間の予定で安山永住 帰国者アパートやイチョン(陶磁器の町)、天安の望郷の丘などを見 学する。 あれこれ 「サハリン州人口減少」 州統計局によると、今年に入ってからサハリン住民数は5千人が減 った。死亡が2千人、移住が3千人。死亡原因は、一位・血液循環系 統の病気、二位・道路事故、三位・呼吸器官及び消化器系病である。 「多産家族に補助金」 サハリン州政府は極貧改定支援策の一つとして、18未満の子供が 4人以上いる場合、月1千ルーブルの生活資金支援を与えることを決 めた。又、5番目の子供の場合は1100ルーブル、6,7番目の子 供たちには一人一人に1200、1300ルーブルの支援金が与えら れる。 ───────────────────────────────── ◆ 現代語感:[戦後60年その17 吉田 茂] MK ───────────────────────────────── 「血色がよろしいが、何を召し上がっておられるのか」と世辞を言 われた。吉田の返答は「わたしは人を喰ってます」ととぼけた。また GHQ最高司令官マッカーサーと初対面した時、葉巻きタバコをすす められたが「それはマニラでしょう?私はハバナしか吸いません」と 断り、評価されたという逸話もあったようだ。 今の政治家には望むべくも無いが、本当にユーモアを解した男だっ たようだ。第1次吉田茂内閣 ・1946年(昭和21年)5月22日ー 1947年(昭和22年)5月24日 から第5次吉田茂内閣・1953 年(昭和28年)5月21日 - 1954年(昭和29年)12月10日ま での戦後の内閣を組織した。 自由党入党・総裁就任後の吉田は、当初少なかった子飼いの勢力を拡 張するため、多くの官僚出身者を国会議員に引き立てた。「吉田学校」 と呼ばれた集団で、池田勇人、佐藤栄作などがその代表的人物とされる。 以上フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)から。 http://ja.wikipedia.org/ ───────────────────────────────── ◆[編集長から] Michio Katayama ───────────────────────────────── 14日の朝刊を見て驚いた。ウズベキスタンで暴動が起こった。外 務省の海外安全ホームページでも、「ウズベキスタン:武装勢力によ る刑務所襲撃事件等の発生」と注意を呼びかけている。 http://www.pubanzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=183#header ◆JR西のダイヤは「修正」されるとか。余裕時間を持つという。筆 者が京阪の元運転手に聞いたところでは「あれはきつい。京阪では1 0秒単位の管理だが、あそこ(JR西)は1秒だという」彼に言わせ ると神業。しかし神は存在しなかった・・・・。 ◆最近卑怯な事件が多発。幼児、女性、老人などを狙った犯罪。まさ か「丸投げ首相の卑怯が感染」したのではないだろうな。 ◆韓国・中央日報の日本語版ホームページに「自由掲示板」登場。 書いてある内容は・・・・。ここにも無責任と差別のオンパレード。 情けない日本人が多いのか。読者も一度読まれたら・・。 たとえば「鮮語の出来ない在!」ってタイトルの書き込み。まともな 日本語が出来ない日本人・・・。 http://japanese.joins.com/forum/board/list.php ──────────────────────────────── 発行 2005年5月17日 No.214 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 Macky! ID:609studio e-mail admin@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www.609studio.com 掲示板へ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |